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2015年6月 9日 (火)

クイーンコンクの新たな一連の地域管理と保全対策を専門家らが開発

翻訳協力:山崎 敦子、校正協力:日原 直子

クイーンコンクはカリブ海やメキシコ湾の至る所で見られる、食用に水揚げされている大型の貝類である

2014年11月20日  CITES Press Release

CFMC(カリブ海漁業管理委員会)/OSPESCA(中米漁業養殖機構)/WECAFC(中西大西洋漁業委員会)/CRFM(カリブ地域漁業機構)のクイーンコンク部会の管轄の下に、2014年11月18日から20日まで、パナマ市で会合が行われた。
会合には、23の政府および国際・国内組織を代表するConvention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora (CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)の専門家や国家当局者およそ50名が集った。
参加者らは、乱獲によって特定の海域で減少しつつあるこの大型の貝類・クイーンコンクに関して、地域に調和した新たな一連の管理と保全の施策を策定した。

作業部会の第2回会合では、26の有望な施策案によるクイーンコンクの管理・保全計画の草案を再検討し、クイーンコンクの漁場内の資源量や人々のくらしの持続可能性に最も貢献する施策を決定した。

専門家らは、およそ16の施策が地域レベルの調整に適しており、クイーンコンクの生息する国々において、2015年には国家レベルですべての利害関係者らと協議すべきであると勧告した。
生息範囲の国の多くでは既に、確認されたほとんどの施策が既に全国レベルで施行されている。
最終的には、WECAFCの第16回議会や2016年に開催されるCITESの第17回締約国会議の場で、地域調和型の管理施策が採択されると予想される。

CITESの第16回締約国会議(2013)およびクイーンコンクに関するWECAFC勧告(WECAFC/15/2014/3)に続いて、作業部会は以下について専門家の合意に達した。
すなわち、様々な加工段階のクイーンコンクの身やNon-Detriment Findings (NDFs:無害証明)の評価様式のための、地域調和型の変換係数を使用することについて合意に達したのである。
NDFは、輸出されたクイーンコンクの資源がしっかり管理されていること、そして輸出は資源に不利益をもたらさないことを証明するためにCITESが要請したものである。

作業部会は来年、専門家らの合意を得た管理・保護手法への更なるアドバイス、クイーンコンクの水揚地から最終目的地までの流通経路を追跡する、審査可能な「流通管理」工程の開発、並びに、海の安全、特にクイーンコンク漁のための圧縮空気を用いた潜水に対する危機管理についての漁師の認知度向上と能力の構築を行うことを目的としている。

2012年2月に開催されたWECAFCの第14回会議にて合同作業部会が設立され、第2回会合は、米商務省のCFMC、CITES事務局、WECAFCとFAO(国際連合食糧農業機関)によって共同で組織、出資し、開催された。

クイーンコンクの背景

クイーンコンクは米国のフロリダ州から南アメリカの北海岸までのカリブ海全域に分布し、少なくとも36の国と属領の領海で見られる。
主に、きれいな浅瀬の砂の海底に生息しているが、水深100mまでの海域に発生する。
1992年11月にCITESの附属書Ⅱに記載され、あらゆる輸出にはCITESの許可書の発行が必要とされる。

クイーンコンクは、数世紀にわたって食用として水揚げされてきたが、大規模な商業的漁業は、主に増加しつつある国際的な肉類の需要に応えるために、最近のほんの数十年の間に発展したものである。
今日、クイーンコンクはカリブ海において最も重要な漁業資源の一つとなっており、年間の総卸値は6千万USドル(約72億円、2015年2月22日付け換算レート:1USドル=119.7円)と見積もられている。
その大半が肉の売買の副産物であると考えられているものの、貝殻も骨董品や観光土産として利用・売買されている。

過去数十年以上もの間、集中的な漁業によって生息数が減少して資源は減退し、その結果、バミューダ諸島(英)、キューバ、コロンビア、フロリダ州(米)、メキシコ、オランダ領アンティル諸島、バージン諸島(米)、およびベネズエラを含む多くの国、州、属領で、漁業の全面休業や一時休業に追い込まれた。

クイーンコンクは大西洋西部に生息するスイショウガイ科に属する7種のうちの1種である。
クイーンコンクはその生息範囲において様々な名称で知られている。
各国での呼称は次の通り。
BotutoまたはGuarura(ベネズエラ)、Cambombia(パナマ)、Cambute(コスタリカ)、Caracol abulon(グアテマラ)、Caracol gigante(ホンジュラス)、Caracol pala(コロンビア)、Caracol rosado(メキシコ)、Carrucho(プエルトリコ)、Cobo(キューバ)、そしてLambi(ヒスパニオラ島およびフランス領アンティル諸島)。

ニュースソース
http://www.cites.org/eng/20141121_queen_conch

 

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