「これまで通り続ける」と、日本は新たな「調査捕鯨」計画を発表した
和訳協力:蔦村 的子、校正協力:K.M
2014年11月18日 WDC News and Blogs
Japan's Institute of Cetacean Research(日本鯨類研究所)は、今週、南極海における新たな「調査捕鯨」計画案を発表した。
これは、日本の捕鯨が科学的な目的に基づいていないとして、前回の南極捕鯨計画(JARPAII:第二期鯨類捕獲調査)が違法であると、3月に国際司法裁判所により裁定された後に発表された。
しかしながらそのすぐ後に、日本の捕鯨関係者らは、できる限り早急に捕鯨活動を再開する予定であると発表した。
そのため、差し替えの「調査」計画の公表が広く予想されていた。
New Scientific Whale Research Program in the Antarctic Ocean (NEWREP-A:新南極海鯨類科学調査)は、2015年から2027年に実施を予定している12か年にわたる計画で、ミンククジラを中心とし、当該種を年間333頭殺そうとしている。
一見すると、850頭(+/-10%)のミンククジラが対象となったJARPAII実施時よりもはるかに少ないように思えるが、実際のところ近年日本は1年間に300頭を超えるミンククジラを捕獲していないため、NEWREP注)での捕殺数は殺されるミンククジラの数が増えることを意味するのだ!さらにこの計画は、南極海ですでに大規模なものとなっている日本の捕鯨領域の一層の拡大を求めており、捕鯨域は1994年にInternational Whaling Commission (IWC:国際捕鯨委員会)が商業捕鯨を禁止した、5,000万㎢におよぶSouthern Ocean Whale Sanctuary(南極海鯨サンクチュアリ)と部分的に重なることになるだろう。
日本の計画草案はIWCの科学委員会によって精査されることになるが、計画の見直しが可能である一方、IWCには調査捕鯨の再開を止める法的権限はない。
多くの人が、日本が通常通り再開するという処置について不敵なふるまいであるとみなしているし、NEWREP-Aも前回の活動計画と同様、形を変えた商業捕鯨に過ぎないのは明らかである。
長年、日本のいわゆる「調査捕鯨」による生産物は、レストランやスーパー、そしてインターネット上に姿を見せ続けており、ほとんど科学的な成果をあげていない。
もちろん、WDC(クジライルカ保護協会)は、いかなるクジラもイルカも「科学」の名のもとで死ぬ必要はなく、害のない調査手段が長年にもわたり可能であったと確信している。
注)NEWREP-Aの誤記または略称と思われる。
ニュースソース
http://uk.whales.org/news/2014/11/business-usual-japan-publishes-new-research-whaling-plan
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