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2015年6月 5日 (金)

海洋の過小評価について-IUCNが注目した海洋の炭素調節能の新たな証拠

和訳協力:清田 美弥子、校正協力:日原 直子

2014年12月9日  IUCN International news release

海洋の重要な炭素吸収海域を保護し、魚やオキアミの資源量を維持することは、気候変動への取組みに非常に重要である。
これは、本日International Union for Conservation of Nature(IUCN:国際自然保護連合)が発表した報告書の発見の一つである。
この報告書ではトップレベルの海洋科学者が、大気中の炭素がどのように捕捉され、貯留され、海洋に移動するのかを述べている。

The Significance and Management of Natural Carbon Stores in the Open Ocean ((仮)外洋における自然下での炭素貯留の重要性と管理について)の報告書は、炭素を吸収、移動、貯留する外洋の重要な役割を強調している。
そして初めて最新の科学を利用し、気候を調節する海洋の役割を詳細に調べている。
放出された炭素の半分以上は、最終的に海洋に吸収されたままになる。
この報告は、誤った海洋管理が行われているためにこの極めて重要な生態系サービスが危険な状態におかれていることを示唆している。

この報告書の核心は『移動性をもつ炭素単位』という新しい概念である。
それは、プランクトンや魚やオキアミなどのような生物が、海洋管理において取り扱わなければならない重要な役割を果たす、というものだ。
この報告書は、気候調節を含む基本的な海洋プロセスの中で食物連鎖が重要な役割を果たしていることを明確にしている。
また、炭素を貯留し、管理する海洋の役割は、今やあらゆるレベルでの政策や意思決定において考慮されなければならないと警告している。

「世界は、海の健全性と気候変動についての岐路に立たされています」と、報告書の共同編集者であり、IUCNのWorld Commission on Protected Areas(世界保護地域委員会)の副議長であるDan Laffoley氏は述べる。
「海を軽視して、我々の行動がなぜ効果的でないのだろうと不思議に思うのか、それとも海を管理・回復させて、食料安全保障を促進したり、気候変動の影響を弱めたりするのか。選択の余地はありません」。

海洋は既にストレス信号を発している。
ますます酸性化してきているのだ。
また、海水は温かくなり、酸素も少なくなってきている。
次々にデッドゾーンへと向かっているのだ。

「海洋が病むと、地球のプロセスを支える能力を失います。国際的な炭素削減の合意を軌道に乗せるために、各国政府はリマで気候についての会議を行っています。その結果、海洋炭素への早急な取組みの必要性が強調され、気候政策において海洋炭素が考慮されることが確実となりました」と、IUCNのGlobal Marine and Polar Programme(世界海洋・極地プログラム)の代表であるCarl Gustaf Lundin氏は述べる。

珪藻、この多くのより大きな生物の食料源である微小プランクトンは、1年で約1億5000万tが(深さ1,000m以上の)深海に移動していると推定されている。
これは、約250,000㎢、あるいはイギリス国土の広さほどの、再生された(成長中の)熱帯雨林が蓄える炭素の量に等しい。
オキアミは約2,280万tの炭素を捕捉していると考えられているが、人間活動により進行している気候変動は、オキアミの炭素除去の潜在能力を損なう可能性がある。
バミューダ付近に位置するサルガッソー海の広大な海域に浮いている金色の海藻であるホンダワラ類は、その海域の重要な炭素吸収源であり、その場所はカメやウナギを含む多くの絶滅危惧種の重要な生息地でもある。

ニュースソース
http://www.iucn.org/news_homepage/?18718/Oceancarbonreport

 

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