東アジアサミットで野生生物の違法売買への対処に関する宣言を採択
和訳協力:JO、校正協力:松尾 亜由美
2014年12月12日 CITES Other News Items
Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)事務局は、2014年11月13日にミャンマーのネピドーで開催された第9回East Asia Summit(EAS:東アジアサミット)で採択された“Declaration on Combating Wildlife Trafficking(野生生物の違法売買への対処に関する宣言)”を歓迎した。
東アジアサミットではAssociation of Southeast Asian Nations(ASEAN:東南アジア諸国連合)の10ヶ国と主要な貿易国が一同に会し、宣言は、各国の首相、ASEANの政府並びに、オーストラリア、中国、インド、日本、韓国、ニュージーランド、ロシア連邦、アメリカ合衆国により採択された。
宣言では、各国首相と政府が、CITESとConvention on Biological Diversity(生物多様性条約)への誓約の下、野生生物の違法取引と闘うために各国首相と政府が取るべき21の行動の概要が挙げられている。
宣言では、野生生物の体の一部を違法に売買したり取引したりすることは、地球の自然遺産を脅かすことを認識し、野生生物、林業、税務、警察、司法や検察に関わる当局を含む、野生生物の法執行に責任のあるすべての機関で、協力や調整、調査や施行などの対策の必要性が高まっていることに言及している。
さらに宣言では、CITESで規制されている種に関しては、CITESの決議などを通してすでにもたらされた、保護活動や公約についての認識も示している。
そして、ASEAN Ministers' Meeting on Transnational Crime(AMMTC:ASEAN国境を越える犯罪に関する閣僚会議)に、環境犯罪を深刻な国境を越える犯罪と認識し、ASEAN Plan of Action to Combat Transnational Crime(国境を超える犯罪に対するASEAN行動計画)での協力を行う対象に含めるように要請している。
東アジアサミットで採択された宣言へのコメントとして、CITESの事務局長であるJohn E. Scanlon氏は次のように述べている。
「第9回東アジアサミットでの成果は、野生生物犯罪との戦いを各国が協力してより効果的に行い、野生動植物の犯罪の認知度を高め、この戦いに対しての政策的な支援を確保する方向に、さらに前進させるものです。このサミットは、野生生物犯罪による脅威への強力な地球規模での対応への推進力を持続させることになります」。
さらに、「野生生物犯罪を、深刻な国境を越えた犯罪として認識することは極めて重要です。その認識により、保護対象の動植物種の違法な売買に関与している人物の調査と告訴に関して、Convention on Transnational Organized Crime(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約、通称「国際組織犯罪防止条約」)のもとでもたらされる国際的な協力についての、適切で効果的な手段を確保することに役立つでしょう」と、 John E. Scanlon氏は付け加えた。
ニュースソース
http://www.cites.org/eng/east_asia_summit
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