侵略的外来種: 外来種をペット、水族館・動植物園での生体展示、生き餌あるいは生食を目的として導入する際にともなうリスク管理および関連事項
和訳協力:久保 直子、校正協力:高島 裕以
2014年10月17日 UNEP/CBD/COP/DEC/XII/16
締約国は、
侵略的外来種が、ペット、水族館・動植物園での生体展示、生き餌あるいは生食の用途(以降、「ペット等の用途」とする)で導入されることによる、生物多様性への悪影響、および逃げ出したり野外に放たれたりした場合のリスクを認識しつつ、
締約国、その他の国の政府、関連組織および生物多様性のあらゆる利害関係者が、決議Ⅵ/23*の付録にある、生態系、生息地または種を脅かす外来種の影響の予防、導入、緩和のための指針原則を、今後も指針となることを再確認しつつ、
決議Ⅸ/4において、締約国に対し、International Plant Protection Convention(国際植物防疫条約)、World Organisation for Animal Health(国際獣疫事務局)、その他の関連組織が策定した、リスク評価指針およびその他の手順並びに基準の利用が奨励されていることを想起しつつ、
また決議Ⅺ/28における、決議Ⅸ /4 Aの第11、12、13節および決議Ⅹ/38の第13節で述べられている事柄、特にWorld Trade Organization(世界貿易機関)により基準策定機関と認められている組織(国際植物防疫条約、国際獣疫事務局、Codex Alimentarius Commission(国際食品規格委員会)およびその他の関連組織との関係向上について、引き続き努力するための事務総長への要請を想起しつつ、
1.本決議の付録として記載されている、ペット等の用途での外来種の導入に伴うリスクに対処するための措置を考案し、履行することについての任意な指針を採択する。ついては、この指針に従ってとられた措置は、適用する国内並びに国際的義務に整合するものであると認める。
2.締約国、その他の政府および関連機関に対し、本指針を広く普及させ、国家、産業およびあらゆるレベルの関連組織によって、それにふさわしい規制、行動規範および、または他の指針を策定するために本指針の利用を促進し、またこれらによる措置の調和を促進するよう、要請する。
3.締約国、政府およびその他の関係機関に、クリアリングハウスメカニズムおよび、またはGlobal Invasive Alien Species Information Partnership(世界侵略的外来種情報パートナーシップ)を通じて、National Invasive Species Strategies and Action Plans((仮)外来種国家戦略および行動計画)と共に、侵略的外来種のリスク評価の結果や種のリストを含む、関連情報の利用を可能にするよう求める。
4.条約事務局長に対し、Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)および関連組織との協力において、ペット等の用途で野生生物を持ち込む取引に伴うリスクに対処する手段と方法を検討することを要求する。無規制、無報告または違法な取引があることから、野生生物取引規制の責任当局との協力関係を強めることによるものも含むこととする。また第13回締約国会議より前に開催されるSubsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice(科学上および技術上の助言に関する補助機関、通称「科学技術助言補助機関」)の会合への報告を求める。
*本決議の採択に至る過程で、ある代表が正式な意義を申し立て、締約国会議が動議または正式な異議のある文書を合法的に採択することができるとは信じられないと強く主張した。この決議の採択に至る手順に関して留保を表明した代表者はわずかである(UNEP/CBD/COP/6/20, 294-324参照)。
ニュースソース
http://www.cbd.int/doc/decisions/cop-12/cop-12-dec-16-en.pdf
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