シャムワニの飼育下繁殖プログラムを支える国際協力
2014年9月3日 Fauna & Flora international News
和訳協力:坂本 義教、校正協力:久保 直子
野生のシャムワニ保護のために積極的手段を講じる共同事業
国際協力のもと、Cambodian Crocodile Conservation Project(CCCP:(仮)カンボジア・ワニ保全プロジェクト) は、このほど飼育係の訓練に一役買ってもらうため、インドのMadras Crocodile Bank Trust(MCBT)の施設の管理責任者であるNikhil Whitaker氏を、Fauna & Flora International(FFI:ファウナ・フローラ・インターナショナル)のシャムワニ飼育下繁殖プログラム施設に招いた。
近年CCCPは、野生のシャムワニ個体群を保護するだけでなく、これらの個体群を大きくすることや、飼育下繁殖した個体を利用して、かつてワニが生息していた地域に新たな個体群を定着させることにも重点を置いている。
MCBTは、シャムワニ飼育下繁殖プログラムで大きな成功を収め、また他の18種のワニ類個体群も維持している。
彼らは、ワニの飼育や繁殖管理の技術的専門知識だけでなく、発展途上国の見地からの経験ももたらしてくれる。
「野生に戻すことを目的とする私たちの飼育下繁殖プログラムは、野生のシャムワニを保全するというCCCPの長期目標にとって欠かすことのできないものです」と、カンボジアのFFIでFlagship Species((仮)象徴種保護プログラム)のマネージャーを務めるJackson Frechette博士は語った。
「私たちは、助けてもらうためにMCBTを招きました。なぜなら彼らは、カンボジアでシャムワニの繁殖能力のある個体群を守り、そして復活させるという私たちの取り組みの中で、ますます重要になりつつある飼育下繁殖を指導するために、Nikhil氏を介して、何十年ものその経験をもたらしてくれるからです」。
「2012年に私たちのチームのメンバーは、MCBTの施設を見学してワニの飼育に関する訓練を受けるためにマドラスを訪れました」と、Jackson Frechette博士は続けた。
「今度は、私たちが行っているワニの管理をどのように改善すればよいかを助言するために、フォローアップとしてNikhil氏が来訪してくれます。生産性の高い飼育下繁殖プログラムにするという目標に到達するには、飼育係が国際基準にあるということが重要です。FFIが繁殖プログラムを展開するにあたり、それが必ず達成できるよう、私たちはMCBTやそのほかの国際的な専門家らと共に取り組みを続けていくつもりです」。
2011年以降、CCCPは55頭のワニを野生に放している。
そのうち35頭は寄贈もしくは没収されたワニで、一方の20頭は(野生の卵をとって2~3年飼育した)幼獣のワニで、つい最近、野生に放した。
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