フォト
無料ブログはココログ
2022年7月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

にほんブログ村

  • にほんブログ村

« アモイ宣言 | トップページ | IUCNが提唱 - コガシラネズミイルカ絶滅阻止へ緊急対策を »

2015年2月10日 (火)

アジア版CITES附属書Ⅱサメ類およびオニイトマキエイ属種の最新リスト施行のための地域行動計画書

和訳協力:清水 桃子、校正協力:アダムス・雅枝

2014年5月15日

注釈:
1.ここで述べている“サメ”とはサメ全種、ガンギエイ科の種、エイ上目の種、ギンザメ目(軟骨魚類)の種を含む
2.それぞれの活動内容の文末にある下記の略語は実施期間を表す
    ST=短期(1~2年)
    MT=中期(3~5年)
    LT=長期(5年以上)

行動1:データ収集の向上
問題点
課題
認識された要求に対応する活動
1.サメおよびエイ漁業の評価と管理を支える科学的情報 ・特に、高い種の多様性と小規模漁業そして人的能力の分野での漁業データ不足(捕獲、投棄、取り組み)
・時空間データの不足
・サメ類およびエイ類の生物学、分類学、生態学、資源評価についての、追加のトレーニングコースとワークショップを実施する [ST]
・航海日誌および監視プログラムの両方またはいずれか、またその他の適した情報源からのデータ収集を支援する [ST]
・地域固有の知識の活用を促進する [ST]
・CITESの附属書掲載種の種レベルでの全陸揚げデータを記録する [ST/MT]
・地域レベルでの資源評価を実施する [MT]
・サメ類やエイ類に関する資源構造、幼魚の生育域および生息環境などの生物学的情報の不足 ・調査と漁業監視を通したサメ類およびエイ類の知識を向上させる[ST]
・サメ類の生物学的情報を収集する [ST]
・既存データを活用し、サメ類およびエイ類に関するフィールドガイドを開発する [ST]
・地域固有の知識の活用を促進する [ST]
・漁業独自の調査からのデータ収集を支援する [MT]
・放流魚の生存率の情報を収集する [MT]
・サメ類およびエイ類の漁業と取引に関する社会経済的情報の不足 ・サメ漁業とサメの取引に関する基本的な社会経済的情報を収集する [ST]
・サメとエイを対象とした漁業と取引に関する包括的な社会経済的評価と分析を実施する [MT]
・サメ類およびエイ類の利用、市場での売買、取引に関するデータと情報の不足 ・取引されているサメ類とエイ類の様々な製品と派生品の供給網を明確にする [ST]
・市場での売買と取引の評価を実施する [MT]
・(NDFs注1の基礎となる)適切なサメ漁業の管理不足 ・トレーニングとキャパシティ・ビルディングの促進 [ST]
・十分な資金の提供 [ST]
2.排他的経済水域の内外に生息するか、または回遊性のサメ類およびエイ類における研究協力体制とデータ共有の欠如 ・共有のサメ・エイ資源の調査が限定されていること ・サメ類およびエイ類についての既存の地域的データ、情報、専門家のリストを集約する [ST]
・地域的データの共有メカニズムを開発する [MT]
・地域が共同で行うサメの調査と評価を実施する [MT/LT]

  注1:種の存続を脅かさないという所見のこと。

 

行動2:国内法の立法、法執行(監視、規制、調査)および国際協力の強化
問題点
課題
認識された要求に対応する活動
1.国際取引におけるサメ製品識別に関する知識や専門性が限定されていること ・取引における加工品と半加工品の多様性(例:魚肉、ヒレ、軟骨、フィッシュオイル、皮、鰓篩注2、ベルト、財布等)
・特に乾燥フカヒレなど、異なる種のサメから取得した部位が混合された製品がよくあること
・特に医薬品、化粧品、健康食品に使用される派生製品は多くの場合認識できないこと
・取引での製品の起源を確認する仕組みの欠如(例:旅行者によって海外へ持ち出される骨董品)
・CITES附属書掲載種に関する種を特定する関税コードの欠如
・税関ならびに取締官が即座に対応できるよう、CITES附属書に掲載されているサメ類とその製品を識別する、便利で信頼性の高い手段(簡単、低コスト、迅速)を生み出す [ST]
・取引業者に対し、取扱製品にサメを混入しない、または、適切な場合には、製品に含まれているすべてのサメを製品ラベルに列挙するよう奨励する [ST/MT]
・取引業者等の登録/許認可システムと同様に、原産国/輸出国/製造国のトレーサビリティシステム(例:ラベル、CDS(漁獲証明制度)、検査済み証)を確立する [MT/LT]
・地域的/国際的な種を特定する関税コードを確立させ、WCO(世界税関機構)への新しいサメ類の種を特定する関税コードについてのFAOの提案を支援する [MT/LT]
2.輸出入港における取締不足 ・大量の輸出、再輸出と輸入
・適正且つ経験豊富な取締官の不足
・取締官を増員する [ST/MT]
・リスク分析を用い、検閲においてリスクの高い積荷を選択する [MT]
・サメ製品の積荷の原産地証明書を必須とする [MT/LT]
3.輸出入国、再輸出国の取締官の間での国際協力の不足 ・国際的な情報交換とデータ交換が統一化されていないこと(書式、内容、単位等)
・言葉の壁
・CITESの附属書に掲載されている海洋生物に関する、既存の地域的な野生生物取締ネットワークの活用を促進する [ST]
・情報交換のための地域的なプラットフォームまたはネットワークを確立する [MT]
4.政府機関間ネットワークの協調性の欠如 ・漁業機関のCITESの重要性の認識の低さ
・漁業とCITESの執行機関の間での連携が直接的でないこと
・関係機関の間での定例協議の体制を作る [ST/MT]
・CITESの施行における漁業当局の十分な役割を確保する [MT]
5.法制度の強化 ・国によっては立法手続きに時間がかかる ・CITES附属書への新規掲載および決議の採択後、直ちに法改正を行う[MT]
・各国に対し、法改正に先立ちサメの管理対策を講じることで、先見性を持ってより積極的になるよう奨励する[MT]
・CITESの附属書掲載種も対応するNPOA-Sharks(サメの保護および管理に関する国内行動計画)を策定させるよう各国に奨励する[MT/LT]

  注2:エラの付属器官のこと。

 

行動3:保全と管理対策の強化
問題点
課題
認識された要求に対応する活動
1.意識向上プログラムの欠如 ・利害関係者との協議不足
・漁業コミュニティが遠隔地にあること
・サメ類およびエイ類の漁業者についての知識が不十分なこと
・漁業者の既存のサメ管理対策に関する知識不足
・様々なカテゴリの利害関係者との協議を持つ(漁業者、取引業者、管理者、政策立案者等) [ST]
・包括的な意識向上プログラムの開発し、実施する [ST/MT]
・利害関係者間の地域協力を強化する [MT]
・サメ漁問題に対する認識を高めるため、メディア広報を拡充する [MT]
2.CITES附属書掲載種の需給への対処 ・国によっては経済的な収入が下落すること
・国内の消費者向けの、サメ製品に替わる適切な代替品の欠如
・消費者の意識向上を図るキャンペーンを展開する [ST]
・エコツーリズムなど、漁業者のための替わりとなる生計手段を開発する [MT/LT]
3.CITES附属書掲載種に対する漁業管理対策の適用における技術的問題 ・漁獲対象外の生物を生きたまま戻すことの難しさ
・乱獲と漁獲能力を規制し、減らすことの難しさ
・サメ類およびエイ類の混獲を減らすことの難しさ
・管理対策の実施不足
・管理計画の実行不足
・偶然に捕獲してしまった生物を安全に戻すガイドラインと技術を開発する [ST]
・CITES付属書に掲載されているサメ類とエイ類の混獲を減らすため、特定の種に特化した適切な漁具または混獲を減らす漁具(BRDs)を開発する[MT]
・サメ類管理計画の策定と施行 [MT]
4.効果的な地域的サメ類管理対策の欠如 ・適切な法制度の欠如 ・CITES附属書に掲載されている軟骨魚類の効力ある地域管理対策の奨励 [ST/MT]
・板鰓亜綱(軟骨魚類の中でもサメ類・エイ類などから構成される分類群のこと)の地域的な管理計画の策定 [MT]

 

行動4:訓練とキャパシティ・ビルディングの強化/人材開発
問題点
課題
認識された要求に対応する活動
1.サメ類製品とエイ類製品の使われている種の識別能力の不足 ・異なる種から製造される多くの製品と派生製品を容易に識別できないこと(似たような種に見える、あるいは製品が高度に加工されているなど)
・新鮮な、または加工されたサメ類を識別する分類学の能力を持つ職員の不足
・一般用の、利用しやすいガイドを提供する [ST/MT]
・サメ識別ツールを使って税関職員と供給プロセスに関わるすべての人々を訓練する [MT]

 

行動5:資金の確保
問題点
課題
認識された要求に対応する活動
1.CITES要件施行を目的とした長期的に使える資金の不足 ・サメの調査とCITES要件の施行にかかる資金が非常に限られていること
・CITES附属書への掲載にかかる要件の施行を支援する十分な資金と人材の確保
・受益者が要請している資金提供者へのキャパシティ・ビルディングへの支援の中で、CITES要件の施行を優先するよう受益国へ求める [ST]
・資金源の情報を共有する [ST]
・国際的なものとその他のものを含め、資金提供者からの資金提供の有効性の確認をCITES事務局とFAOに要請する [ST]
・高価なサメ類とエイ類製品を関連する国家機関や地域機関に通知する [ST/MT]
・受益国のキャパシティ・ビルディングへの支援に対する資金調達能力を強化する [MT]
・先進国がODA(政府開発援助)の点で責務を果たすことを奨励する [MT]
・各国に対し、社会経済的な開発計画にサメ類とエイ類の保全と管理を盛り込むよう奨励する [MT]

ニュースソース
http://www.cites.org/sites/default/files/eng/news/sundry/2014/xiamen_declaration_%26_action_plan.pdf

 

★ニュース翻訳を続けるためにご協力ください!
→JWCSのFacebookでページのイイネ!をして情報をGET
クリックで守ろう!エネゴリくんの森でゴリラの保全に協力
→JWCSの活動にクレジットカードで寄付

※日本ブログ村の環境ブログに登録しています。クリックしてランキングにご協力ください。
にほんブログ村 環境ブログ 自然保護・生態系へ
にほんブログ村

« アモイ宣言 | トップページ | IUCNが提唱 - コガシラネズミイルカ絶滅阻止へ緊急対策を »

15 魚類」カテゴリの記事

19 アジア」カテゴリの記事

17 海洋生物」カテゴリの記事

36 野生生物の利用と取引」カテゴリの記事

30 ワシントン条約 CITES」カテゴリの記事

11 サメ」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

« アモイ宣言 | トップページ | IUCNが提唱 - コガシラネズミイルカ絶滅阻止へ緊急対策を »