インターポール、アフリカにおける環境犯罪専門チームの編成を発表
2014年10月7日 INTERPOL News
和訳協力:榛木 久実、校正協力:村田 幸代
加盟国が行っている違法な象牙売買や他の環境問題との戦いへの支援を強めるため、INTERPOL(国際刑事警察機構)は、アフリカにおけるこれら犯罪に対処するための専門チームを設置した。
ナイロビにあるINTERPOLの東アフリカ地域局内におかれた環境犯罪チームは、フランス・リヨンの事務総局本部にあるINTERPOLの環境安全保障部門の増設の形で機能する。
このチームは地域局の一部として、野生生物犯罪に特に焦点を当て、地域内の各国の法執行機関やINTERPOLのNational Central Bureaus (NCBs:国家中央事務局)と協力し、情報交換の促進、情報処理のサポート、国や地域の調査支援を図る。
東アフリカにおける主要な懸念事項である象牙や犀角の違法取引に関して、本チームは各国および協力機関と連携してINTERPOLのProject Wisdom(プロジェクト・ウィズダム)の活動を促進させる。
Project Wisdomとは、Wildcat Foundationの財政支援を通じて、ゾウやサイの密猟と象牙の違法取引を取り締まるプロジェクトである。
活動には、能力構築への主導的取り組みや、環境保護のための地域ネットワーク形成も含まれる。
INTERPOLの環境安全保障部門の代表のDavid Higgins氏によれば、地域局に環境犯罪チームを設立したことは、加盟国での野生生物犯罪のみならずその他の重大犯罪にかかわる越境犯罪グループの壊滅のために、INTERPOLが本腰を入れて法執行における高次元でのサポートを提供しようとしていることを表しているという。
「この新しい取り組みにより、INTERPOLがProject Wisdomを通じて、国境を越えた野生生物取引に関する深刻な犯罪の継続的な調査・分析の支援を東アフリカの加盟国に対し提供すること、またこれらの犯罪の背後にある犯罪組織のネットワークをターゲットとした戦略の立案を支援をすることが可能になります」、とHiggins氏は語った。
INTERPOLは、ケニアにあるオーストラリア高等弁務官事務所が主催するイベント中に、この環境犯罪チームの設立を発表した。
オーストラリアは、アフリカ全体における野生生物犯罪の防止・一掃活動における、INTERPOLの重要なパートナーである。
「違法取引に対する世界的な戦いは、今まさに重要な後押しを得たのです。ナイロビに新しいINTERPOLのチームが結成されたことで、法執行機関の間で情報の収集と共有がより進むでしょう。これは密猟者や密輸業者の活動をやめさせるために大変重要なことです」、とオーストラリアの高等弁務官Geoff Tooth氏は語った。
この発表に続いてINTERPOLは10月7日に、英国のNational Crime Agency(国家犯罪対策庁)と高等弁務官事務所の支援を得て、法執行機関と民間セクター間の協力や情報共有を強化するために、情報の交換と分析のワークショップをナイロビにて主催する。
ニュースソース
http://www.interpol.int/News-and-media/News/2014/N2014-196
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