パンセラが野生のスマトラトラ保護のための取り組みを称賛
和訳協力:伊東 麻矢子、校正協力:佐々木 美穂子
2014年7月17日 PANTHERA Immediate Press Release
2014年7月16日、世界でも有数の野生ネコ科動物の保護団体であるパンセラは、Tigers Foreverプログラムの年次会合で、トラの生息域中での野生のトラを救うために闘う多くのパートナーによる目覚ましい成功を評価した。
インドネシアで絶滅の危機に瀕しているスマトラトラの長期にわたる保護の取り組みが評価され、とりわけ、Tambling Wildlife Nature Conservation(タンブリング野生動物自然保護区)におけるArtha Graha Peduli Foundationや、林業省、環境省、ランプン州政府、National Council on Climate Change(気候変動国内委員会)により行われたものが高く評価された。
パンセラのCEOであり、世界でも有名なトラの研究者であるAlan Rabinowitz博士は、タンブリング野生動物自然保護区での長期にわたる密猟に対する取り組みを称え、授賞式をジャカルタで催すことにした。
昨年発表された予備データは、この場所がスマトラ島における記録の中で最もトラの生息密度が高いことを示しており、スマトラ島だけでなくトラの全生息域全体においても、トラ保護の輝かしい成功例となった。
また、インドネシア林業省のZulkifli Hasan博士、環境省のBalthasar Kambuaya博士、ランプン州政府のBakhtiar Basri氏、気候変動国内委員会の議長であるIr. Rachmat Witoelar教授が、彼らの献身や政治的関与、保護法令の制定に対して表彰された。
Rabinowitz博士は次のように述べた。
「今夜我々は、ここインドネシアのスマトラで何が起こっているかに特別な関心を寄せつつ、アジア中のトラ保護の前線にいる多くの人々を称えます。インドネシア
政府やArtha Graha Peduli
Foundation、タンブリング野生動物自然保護区で働いているレンジャーや自然保護活動家の方々の努力は、資源が十分にあり、政治的意思が働き、トラに対する重要な脅威が抑えるための長期の取り組みが行われれば、トラのために何が成し遂げられるか、という注目するに値する例となります」。
タンブリング野生動物自然保護区の創設者であるTomy Winata氏はこう述べた。
「タンブリングで我々が見たトラ保護の成功は、何年にもわたって我々とともに精力的に取り組んできた、多くの人々が深く専心してきた結果です。私は林業省や環境省、ランプン州政府、また気候変動国内委員会の皆様による、継続的なご支援に特にお礼を申し上げたい。我々のパトロールと協調した、我々のパートナーであるパンセラとの科学的な訓練やモニタリング、そしてタンブリングのトラやより広範囲のブキ・バリサン・セラタン国立公園への政府の援助など、これらのすべてがあってこそ、タンブリングがトラ保護の可能性を発揮することができ、トラたちの生息域のタンブリング以外の非常に多くの場所で直面している迫害からの避難場所を提供することができるのです。この表彰は我々みなにとって励みとなる始まりであり、インドネシアの野生生物を保護する上で、なされるべきかな
り多くのことがまだ行われていないのです」。
1996年以来、タンブリング野生動物自然保護区は、南スマトラにある450㎢の民間に管理された特別区域となっている。
今日、タンブリングはインドネシアや世界中でトラの保護に関して再現可能な成功例となっている。
それは、法を執行するためのパトロールに関して厳しい訓練を行い、装備を施し、動機付けをして、トラやトラの餌動物の密猟に対するゼロ・トレランス方式によるものだ。
Rnabinowitz博士は厳しい統制をしいてくれたタンブリングの法執行チームやスマトラタイガーの保護と育成に尽力してくれた軍に感謝し、タンブリングの極めて優れたレンジャーたちにTiger Conservation Award
Certificates((仮)トラ保護賞の賞状)を授与し、彼らが勇敢な奮闘と、トラの保護における真の勝利者であることを褒め称えて、この式典を締めくくった。
トラは、不法な野生生物市場向けの密猟や生息域の損失や分断化、地域社会との紛争や餌動物の乱獲により脅かされている。
現在パンセラのTigers Foreverプログラムは9年目をむかえ、とりわけ、絶滅の危険性が高いこの種のために長期にわたる避難場所となる、生命力と繁殖力の高いトラ個体群を保護するのに、最大の切迫した脅威を和らげ、取り除いている。
今日では、法執行や先端技術に重点的に取り組み、保護活動やトラおよび餌動物の個体数を計測し、監視することで、Tigers Foreverプログラムは野生のトラの将来を保証するための大きな希望の一つとなっている。
NGOや地域社会、政府と協力して、Tigers Foreverプログラムはアジア6か国において14の地点で実行に移されつつあり、向こう10年で主要な地点のトラの個体数を、少なくとも50%増を目標にしている。
★ニュース翻訳を続けるためにご協力ください!
→JWCSのFacebookでページのイイネ!をして情報をGET
→クリックで守ろう!エネゴリくんの森でゴリラの保全に協力
→JWCSの活動にクレジットカードで寄付
※日本ブログ村の環境ブログに登録しています。クリックしてランキングにご協力ください。
にほんブログ村
« CITESがイランのチョウザメ養殖施設を視察 | トップページ | 動物の密猟と密輸に関する情報と分析の速報:ナマコ »
「02 トラ」カテゴリの記事
- 大型ネコ科動物の解体処理場の摘発により、南アフリカのトラ牧場に対する監視が遅きに失したことが明らかに(2019.11.01)
- 伝統の名の下で滅びゆく野生生物(2019.02.09)
- 中国、サイとトラの部位の取引禁止措置を緩和する決定を擁護(2019.01.05)
- トラ及びサイの商業取引禁止を一部解禁する中国の影響を専門家が懸念(2018.12.27)
- IUCN、2015年「世界トラの日」を祝う(2016.08.04)
「35 レッドリスト 絶滅危惧種」カテゴリの記事
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- キツネザル類のほぼ3分の1とタイセイヨウセミクジラが絶滅危惧IA類に―IUCNレッドリスト(2021.11.16)
- クロマグロ産卵場における致命的な漁具に対するトランプ政権による許可の差し止めを求め複数の団体が提訴(2021.11.02)
「19 アジア」カテゴリの記事
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 絶滅寸前のヨーロッパウナギが香港のスーパーマーケットに流通(2021.10.26)
- ガラパゴス諸島の貴重な海洋生物を中国の巨大漁船団からどのように守るか(2021.09.21)
- 増大する中国漁船団により世界の海洋資源が枯渇(2021.09.14)
「40 保全対策」カテゴリの記事
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の先にある未来には地球の健康の再生が必要(2021.12.28)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- クロマグロ産卵場における致命的な漁具に対するトランプ政権による許可の差し止めを求め複数の団体が提訴(2021.11.02)
- ディスコライトでパニック:ボツワナのチョベ地区におけるアフリカゾウの侵入を防ぐ太陽光発電ストロボライト(2021.10.19)
この記事へのコメントは終了しました。
« CITESがイランのチョウザメ養殖施設を視察 | トップページ | 動物の密猟と密輸に関する情報と分析の速報:ナマコ »
コメント