動物の密猟と密輸に関する情報と分析の速報:ナマコ
和訳協力:広井 久仁子、校正協力:久保 直子
2014年7月29日 ON the TRAIL No.5 Reportより抜粋(p4)
アメリカ
累犯
300kgのナマコ(エクアドルで附属書Ⅲに指定されるIsostichopus fuscus)を押収
メキシコ、カンペチェ州、カンペチェにおいて
2014年4月
調査官が到着すると、3隻の船から30人が逃走した。容疑者の1人はすぐに身元が判明した。
この男Jose Moises Quetz Chavezは、すでに似たような犯罪で知られていた。彼は2013年8月、250kgのナマコをフォード車の小型トラックに所持していたとして、レルマ(イタリア)で逮捕されている。ほかの乗員は逃走していた。
2週間の捜査の後、当局はカンペチェとレルマの間にある地下倉庫で保管、計量、洗浄されていたナマコ300kg、タマキビ類30kg、そしてタコ10kgを押収した。それらは小分けにされ、当局に気づかれないよう細心の注意を払って、一つずつ倉庫から運び出され、フォルクスワーゲン車ジェッタに積み込まれていた。
加熱処理されたナマコ300kgは生きているナマコ3tに等しい。
注目すべきは、地下倉庫の前の賃借人が麻薬の売人だったため、当局がすでにその場所を知っていたことである。
12,341体のナマコ(エクアドルで附属書Ⅲに指定されるIsostichopus fuscus)を押収
メキシコ、バハ・カリフォルニア州、ティファナにおいて
2014年4月
積荷の添付書類を確認中、調査官が問題に気付いた。品目、数量、容量、すべて記載と合わないのだ。詳しい調査の後、申告されていた1,759体の半乾燥のナマコではなく、生、冷凍、あるいは調理済みの茶色いナマコ12,341体が入った箱36箱を発見した。
2.5t - 55,955体のナマコ(エクアドルで附属書Ⅲに指定されるIsostichopus fuscus)を押収
メキシコ、バハ・カリフォルニア州、エンセナダにおいて
2014年5月21日
企業の抜き打ち調査を実施したもの。企業責任者による商品の出所の証明に5日間の猶予が与えられた。証明が出来ない場合、罰金および懲役刑の恐れがある。
アジア
2tのナマコ(class Holothuroidea(ナマコ綱))を押収
インド、連邦直轄領ラクシャディープ諸島、Chereapani Reefにおいて
2014年4月7日
4時間に及ぶ激しい追跡の末、Coast Guard's ICGS(インド沿岸警備隊の巡視船)Rajdoot号はスリランカの遠洋はえ縄漁船を捕らえた。16人の密漁者はついには逮捕され、密漁品は押収された。夜間ダイビングに熟練した密漁者たちは、獲ったナマコ2t、総額12万USドル(約1,250万円、2014年8月30日付換算レート:1USドル=104.086円)を船に積んでいた。ICGSのRajdoot号の司令官によれば、スリランカの漁師がインドの西海岸で逮捕されたのは初めてとのこ と。CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)の附属書に掲載されている種は Isostichopus fuscus(エクアドルで附属書Ⅲに指定)だけだが、インドの領海ではナマコは保護対象となっている。
ニュースソース
http://www.robindesbois.org/english/animal/ON_THE_TRAIL_5.pdf
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