絶滅の危機に瀕した樹木の新しい個体群をベトナムで発見
和訳協力:木村 敦子、校正協力:高橋 哲子
2014年8月14日 Fauna & Flora international News
Center for Plant Conservation Vietnam(CPCV:(仮)植物保全センターベトナム支所)によって行われた調査で、絶滅危惧IA類のMagnolia grandisを含む、数種の絶滅危惧植物の新しい個体群が確認された。
新発見は、北ベトナムでのPhieng LuongとPhieng phocの村々を取り囲む森林での、2週間以上にわたる野外調査で得られた結果だ。
多くの素晴らしい新発見の中でも注目すべきは、3本のMagnolia grandis(モクレン亜科の1種)と5本の小さなMagnolia coriacea(オガタマノキの仲間)の若木の発見である。
最近までこれらの種は、中国南部の森の狭い地域に限定していると考えられていた。
そのほかの重要な調査結果は、絶滅の危機にさらされているVietnamese golden cypress(イトスギの仲間)の新しい個体群の発見である。
この種は、15年前に初めて科学的に知られるようになった。
全部でモクレン属20種と5種の針葉樹が最新の調査で見つかった。
新しく発見された個体は、これらの非常に絶滅の危険性の高い種の生存のために不可欠な役割を、十分に担うかもしれない。
地元の保護チームは、樹木の長期監視と、将来の植樹の手助けとなる種子収集を、CPCVと協力して作業していくことになるだろう。
また一方で、CPCV、Fauna & Flora International(ファウナ・フローラ・インターナショナル)と地元の森林部局が共同で運営するこのプロジェクトは、ほかの方面でも前進している。
50本のVietnamese golden cypressesと200本のMagnolia citrata(モクレン属の植物。珍しい樹木であるがまだIUCNレッドリストで評価が行われていない)を、近隣の森林に植樹するのと同時に、いくつかの種で種子を集めた。
CPCVの副代表のHieu Nguyen氏は、チームによる最近の進展について次のように称えた。
「この素晴らしい成果は、偉大な協力と信頼の賜物です。このプロジェクトは、はっきりとその質の高さを示したのです」。
このプロジェクトは、現在進行しているように、今後もこれらの種の保全と回復のために、地元の保全チームと森林部局の共同作業として継続されるだろう。
絶滅が危惧される樹木への保全策を、森林部局の現在進行している作業に組み入れて行くことが最終的な目標である。
ニュースソース
http://www.fauna-flora.org/news/new-threatened-tree-populations-discovered-in-vietnam/
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