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2014年12月29日 (月)

ヒラシュモクザメのボン条約附属書IIへの追加の提案―その1

和訳協力:神原 里枝、校正協力:佐々木 美穂子

2014年8月11日  UNEP/CMS/COP11/Doc.24.1.15より抜粋(3・4ページ)

2.2 個体群

Great hammerhead shark(ヒラシュモクザメ)は胎生で、最大で550~610cmに達するという報告もある(Compagno et al. 2005)が、成熟すると一般的には全長450cmになるとされる(Last and Stevens 2009)。
産子数は6~33匹(最大で42匹)で、妊娠期間は11か月、メスは2年に一度しか出産しないことから、個体数の減少による影響を受けやすい種となっている(Stevens and Lyle 1989)。
ヒラシュモクザメは、すべての板鰓亜綱(サメ類やエイ類の総称)の中で最高の長寿記録を持つ種(44年)の一つだが、成長のペースはそのほかの大型のシュモクザメ科の種と変わらない(Piercy e al. 2010)。
オーストラリア沖の水域では、成熟するとオスは体長7.4フィート(2.25m)になり、それに伴って体重は113ポンド(51kg)程度に、メスは体長6.9フィート(2.1m)、体重90ポンド(41kg)程度になる(Stevens and Lyle 1989)。

このシュモクザメ属は頭の形が独特であることから、捕獲の報告は属単位、すなわちシュモクザメ属の種としてなされるのが普通だ。
よって、シュモクザメ属の一種に特化した個体数統計を確認することはほとんどない。
ヒラシュモクザメは高めの水温を好むため、温暖な漁場よりもむしろ熱帯での捕獲が大部分を占めていると予測することが可能である。
温暖な魚場を好む典型的な種はシロシュモクザメ(S.zygeana)だ。
ヒラシュモクザメ(S.mokarran)は漁業対象としても混獲でも漁獲され(Dudley and Simpfendorfer 2006, Zeeberg et al. 2006)、熱帯では延縄漁や定置網漁、釣り糸と釣り針を使う漁で捕獲されるのが一般的だ。
遠洋で、底引き網漁によって捕獲されることもある。
シュモクザメ類、とりわけヒラシュモクザメはひれの大きさから人気のある漁獲対象種とされている(CITES, 2013)。
こうした特色から、アジアの市場がひれの価格を上昇させているのだ(CITES, 2013)。

Hayes(2008)の報告では、シェーファーモデルの見積もりで、個体数の初期値(1982年)は19万匹(14万~29万匹の範囲)で、2005年の個体数は14,100匹とされた。
フォックスモデルでは、個体数はの初期値は23万匹(21万~38万匹の範囲)で、2005年の北西大西洋の個体数は9,460匹と見積もられた。

ヒラシュモクザメ個体群は、漁業対象と混獲の両面から、商業目的の強烈な漁業圧に苦しめられてきた(IUCN 2014)。
偶発的な捕獲のうち、混獲による死亡数が極端に高くなった(90%以上)ことに加え、アジアの海産物市場で珍重される、ヒラシュモクザメ特有の大型のひれのために捕獲対象にもなっている。
この種にかなりの市場価値があるということが、混獲など偶発的にサメが捕獲される割合を上昇させているようだ。
漁獲を免れるヒラシュモクザメは10%に満たない―その10%の大半が、たまたま得られた利益を最大限に利用しようと殺され、ひれをはぎ取られるのだ。
こうした漁業圧の結果や著しく個体数が減少したことを受けて、IUCN(国際自然保護連合)はヒラシュモクザメが世界的に"絶滅に瀕している"と認めている。

米国においては、ヒラシュモクザメが遠洋延縄漁や底延縄漁、また米国での遊漁と同じく北西大西洋やメキシコ湾での網漁業によって捕獲されていることが、一部の原因だとされる(IUCN 2014)。
米国の北西大西洋および中西部大西洋の遠洋延縄漁のデータによると、シュモクザメ科のサメの個体数は1986年以降89%減少しているのがわかる(Camhi et al. 2009)。
米国の遠洋漁業に関する航海日誌のデータは、ヒラシュモクザメの捕獲量が90%近い減少を示している。
ところが、捕獲された多数の個体のひれは切り落とされており、捕獲量の一部としては一切記録されていないことから、このデータ一式は偽の報告として知られている(Beerkircher et al. 2002)。
Heithaus et al.(2007)の報告でも、フロリダキーズでのヒラシュモクザメをはじめとするさまざまなサメの種類の個体数が、歴史的な減少傾向にあることを示している。

中米やカリブ海ではデータがほとんど得られないが、1980年代および1990年代初頭に、ベリーズ沖でシュモクザメ類が大量に捕獲され、後に、ヒラシュモクザメの個体サイズと個体数が激減したことから、漁場の閉鎖につながった。
こうした動きにもかかわらず、ベリーズ沖では近隣国がillegal,unreported,and unregulated(IUU:違法・未報告・無規制)な漁業を続けている(CITES, 2013)。
事実、IUUサメ漁業は、捕獲統計を歪曲する行いであることから、世界的な懸念事項になっている(Fisher et al., 2012)。

地中海では19世紀初頭以降、ヒラシュモクザメを含むシュモクザメ属の3種が、99%以上減少している(Camhi et al. 2009)。

西アフリカの海岸沖の東大西洋では、漁業の管理も監視も行われていないことから、ヒラシュモクザメの個体数は80%落ち込んだと思われる(Camhi et al.2009, IUCN 2014)。
ほかの海域と同様に、東大西洋でもヒラシュモクザメは混獲および漁業対象種として捕獲されているのだ。
はっきりとしたデータはほとんど得られないが、西アフリカの地域漁業委員会は、サメにまつわる行動計画を発表した。
その計画によると、ヒラシュモクザメの漁獲量は激減しており、その地域でもっとも絶滅の危機に瀕した4種のうちの1種に挙げられ、回復には最大限の注意が必要な種だと記されている(IUCN 2014)。
そうしたことから、IUCNはこの個体群を「絶滅危惧IA類」と明確に定めた(IUCN 2014)。

インド洋南西部においてもヒラシュモクザメの個体数は激減してきている。
ヒラシュモクザメは南西インド洋全域に広く分布しているが、夏期には南アフリカの東海岸のクワズール・ナタールの沖へと移動する(Cliff 1995)。
クワズール・ナタールのデータは、ヒラシュモクザメが過去25年で79%減少していることを示している(Camhi et al. 2009, Piercy et al. 2010)。

ニュースソース
http://www.cms.int/atlantic-turtles/sites/default/files/document/COP11_Doc_24_1_15_Prop_II_6_Sphyrna_mokarran_%28Great_Hammerhead_shark%29_CRI%26ECU_E_corr2.pdf

 

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