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2014年11月23日 (日)

浸透性農薬がもたらす生物多様性と生態系サービスに対する世界的な脅威

翻訳協力:河本 惠司、校正協力:鈴木 洋子

2014年6月24日 IUCN News story

浸透性農薬のネオニコチノイドとフィプロニルが、さまざまな有益な無脊椎動物種に深刻な被害をもたらし、ミツバチ減少の主要因であることが、新たなメタアナリシスによって結論付けられた。

浸透性農薬が様々な有益な種に与える影響への懸念がこの20年間増してきているが、これまでの科学的な裏付けは、決定的なものとはみなされなかった。

Task Force on Systemic Pesticides(浸透性農薬タスクフォース)は、すべての入手可能な文献(査読を受けた報告800報)を十分に解析し、規制措置をとるのに十分な、有害性を裏付ける明白な証拠が存在することを報告した。
このタスクフォースは、IUCN(国際自然保護連合)のCommission on Ecosystem Management(生態系管理委員会)とIUCNのSpecies Survival Commission(種の保存委員会)に所属する世界的な、独立した科学者からなるものだ。

Worldwide Integrated Assessment(WIA:世界総合評価)として知られているこの解析は、査読を行う学術雑誌Environment Science and Pollution Researchに発表される予定だ。
この解析から、ネオニコチノイド(neonics:ネオニクス)がミツバチとそれ以外のチョウのような送粉者、さらにはミミズのような無脊椎動物や鳥のような脊椎動物など、さまざまな動物に深刻なリスクをもたらすことが示された。

ネオニクスは神経毒であり、暴露の影響の範囲は、急性で死に至る場合から慢性的なものに及ぶ。
(死に至らない)低濃度での長期暴露でさえ害が生じることがある。
慢性障害には、次のものが含まれる。
・嗅覚や記憶力の低下
・生殖能力の低下
・採食行動の変化と、ミツバチに見られる採餌行動の低下を含む食物摂取量の減少
・ミミズの穴掘り行動の変化
・飛行困難と病気に対する感受性の増加

「これは明らかな証拠です。私たちは、有機リン剤やDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)が自然環境や農地の環境の持つ生産力に与えた脅威と同等の脅 威を目の当たりにしています」と、本論文の主執筆者の一人である、National Centre for Scientific Research in France(フランス国立科学研究センター)のJean-Marc Bonmatin博士は述べた。
「ネオニクスの使用は、食糧生産を保護するどころか、まさにそれを可能にしているインフラをおびやかし、機能的な生態系の中心となる花粉媒介者やその場の環境を創造する生物、有害な生物の天敵を危険にさらす可能性があります」。

解析の結果、最も影響を受ける種グループは、ミミズのような陸生の無脊椎動物であることが明らかにされた。
それらは、土壌や植物を介して高濃度の暴露を、地表水や植物からにじみ出る成分を介して中濃度の暴露を、そして大気(粉じん)を介して低濃度の暴露を受ける。
個体、個体群のいずれも、低水準の濃度であっても(継続的な)急性暴露によって、悪影響を受ける可能性がある。
このことによって、陸生の無脊椎動物は、農業でのネオニクスの使用量に対して非常に脆弱になっている。

2番目に大きな影響を受けるのは、ハチやチョウなどの花粉を運ぶ昆虫である。
このような昆虫は、大気や植物を介して高濃度の暴露を、水を介して中濃度の暴露を受ける。
個体と個体群のいずれも、低濃度の暴露あるいは急性暴露によって悪影響を受ける可能性があり、それらの昆虫は非常に脆弱になる。
その次に影響を受けるのは、低濃度の急性暴露によって大きな被害を受ける淡水に生息する貝類やミジンコのような水生の無脊椎動物であり、個体、個体群、群集のレベルで影響を受ける可能性がある。

脊椎動物は一般にあまり影響を受けないが、鳥の個体群には浸透性農薬を施された作物の種子を食べるリスクがある。
または虫類は、捕食する昆虫の減少によって個体数が減少している。
微生物は高濃度あるいは長期の暴露後に影響を受けることが明らかにされている。
世界中から採取した水のサンプルが、定期的に生体毒性の上限を超えることがちょうどわかったのだ。

直接暴露の対象ではない種(例えば、浸透性農薬を施された植物の蜜を吸う昆虫)が汚染されるだけでなく、意図的に農薬処理をされた地域の外側で、その化学物質が様々な濃度で存在することも確認されている。
ネオニクスは水に溶解するため、簡単に溶脱して流れ出し、川岸、河口、沿岸海洋系など、より広い地域を汚染し、生物の慢性暴露と急性暴露の両方を引き起こすことがわかった。

ネオニクスは、世界的に最も広く使用される殺虫剤となっており、現時点の推定で全世界の市場の約40%のシェアを占め、2011年には26億3000万米ドル(約2730億円、2014年8月22日付換算レート:1USドル=103.8円)を超える売り上げがあった。
また一般に、ネコやイヌのノミの駆除や木材構造物中のシロアリ駆除のために、家庭用でも使用される。

「WIAの研究成果を深刻に受け止めています」と、Maarten Bijleveld van Lexmondタスクフォース議長は述べている。
「我々は、ネオニクスとフィプロニルが、生態系の機能と生態系サービスに対する危険をもたらすことを強く認識しています。この危険性は、ある特定の種に関する問題よりもはるかに重大で、実際に政府や規制当局が注目せざるを得なくなるようなものです」。

現在までのところ、ネオニクスとフィプロニルに関する懸念はミツバチに真っ先に向けられており、例えば、EU commission(EU委員会)によって、制限措置がとられている。
しかしこうした神経毒の製造業者らは、あらゆる有害性の主張に異議を唱えている。
ある論文と別の論文とを単に比較するよりも、入手可能なすべての文献を検討することで、WIAは、実際に現場のネオニクス濃度が、ミツバチの個体の飛行、学習、食糧収集、寿命、病気に対する抵抗力、生殖能力に悪影響を及ぼすことを明らかにした。
マルハナバチでは、浸透性農薬に暴露したコロニーは成長が鈍化し、女王バチの産卵が明らかにより少なくなっており、コロニーレベルで影響を受けることは反論の余地がない。

執筆者らは、規制当局が予防原則の適用をさらに推進し、ネオニコチノイドとフィプロニルに関する規制をさらに強化し、世界的な段階的廃止のための計画に着手する、あるいは少なくとも地球規模での使用量の大幅削減のための計画立案に着手することを強く提案している。

ニュースソース
http://www.iucn.org/news_homepage/?16025/Systemic-Pesticides-Pose-Global-Threat-to-Biodiversity-And-Ecosystem-Services

 

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