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2014年11月13日 (木)

監禁されたクマからの民間治療薬抽出に対し、中国で怒りの声

翻訳協力:木田 直子、校正:山本 麻知子

2013年5月21日 Neavs News Articles

それは一見すると、中国の小さな一企業によるごく穏当な新規の株式公開だった。
その会社が、胆石を小さくし、熱を下げ、二日酔いに効果があると言われる伝統薬の主原料の生産を拡大するためのものだった。

しかし、中国最大の熊胆(クマの胆汁)抽出液製造業者であるGuizhentang Pharmaceutical(帰真堂薬業)は、深セン証券取引所に申請書類を提出する前に、ある重要な要素を見落としたようだ。
それは、中国でますます盛んになりつつある動物の権利運動である。

帰真堂の、飼育するクマの数を400頭から1,200頭の3倍に増やすという計画が、胆汁採取を目的とした熊農場に反対する人々の猛烈な抗議を引き起こしたのだ。
採取には、クマの腹部にチューブを挿入して「搾乳」が行われるが、その状態が何年も続くこともあるという。

クマの着ぐるみを着た抗議者が漢方薬店にピケを張り(デモを行い)、ハッカーが一時的に帰真堂のWebサイトをダウンさせ、バスケットボールのスタープレーヤーであるYao Ming(姚明)や歌手のHan Hong(韓紅)を含む70人以上の中国人有名人が証券取引所に対し、新規株式公開の却下を求める請願を公表した。

いくつかの中国大手報道機関により、身動きもできないほど狭い檻に入れられたクマたちの様子があばかれる悲惨な極秘映像が投稿されると、帰真堂は書類作成にもっと時間が必要との理由により、先月、申請を取り下げた。

中国の動物福祉の支持者にとってこの勝利は、ブルジョワ的であるとか、どうでもいいとか、あるいはそれ以上にひどい言葉であざけりを受けることが多い活動の影響力が大きくなっていることを示すものである。
最も声高に叫ぶ反対論者の中には、動物支持者のことを、犬鍋や象牙細工、強壮剤として消費される鹿鞭といった、神聖な中国の伝統を排除しようとする、外国から金をもらう裏切り者と呼ぶ者もいる。

中国における動物の権利に関する著述が多いDeborah Cao弁護士は、帰真堂に勝利したような運動は、中国都市部の、ペットや擬人化されたディズニーキャラクターとともに成長した教養世代の人々が、ソーシャルメディアにより結び付けられた良い例だと言う。
「それは民衆の声から始まった草の根的な運動で、人間であるか動物であるかを問わず、個の権利と義務に対する意識が強まりつつある、文明的な社会の確立に貢献しています」と、Cao弁護士は言う。

このような行動主義は、特に議会工作やデモ、許可されていないどんな集会に対しても課される共産党の制約を考慮すると、さらに注目に値するものである。

支持者はまだ、動物福祉に関する法律を制定するよう政府を説得できていない。
それでも楽観的な見方をする人たちは、動物は人間の薬となり食物となるために存在しているのだという長年の考え方にひびを入れ始めたのだという。

活動家たちは、フカヒレの消費をターゲットにした啓蒙活動が広く知られるようになってきたことや、トラックに乗せられた犬や猫が畜殺場に送り込まれる前に救出されるといった、自警団によるレスキュー活動がここ最近相次いでいることを指摘する。
12 月には中国国営放送局のCCTV(中国中央テレビ)が、monitor lizards(オオトカゲ類)やrhesus monkeys(アカゲザル)、barking deer(ホエジカ類)、そのほかの野生動物の違法な消費と、その結果行われる闇市場の売人への警察の取り締まりを特集する、暴露番組を連続して放送し た。

「動物権利の活動家たちは細心の注意が要求される綱渡りをしているようなものですが、今まさに転換点に差し掛かっていると思います」と、Animals Asia(アジア動物基金)代表のJill Robinsonは述べた。
この組織は香港に拠点をおき、胆汁採取を目的とした熊農場の廃止に向けて、20年間にわたって運動を行っている。

とはいえ、この慣習に対する一般大衆の反発が増大しつつあるように思えるなか、中国政府は、クマの胆嚢の活性成分であるウルソデオキシコール酸の、実入りのいい取引を終わらせようとはしていない。
今では化学合成された代替品があるものの、伝統を重んじる人々は、それでは天然の胆汁ほどの治療効果は得られないと主張する。
天然の胆汁は1kg当たり24,000ドル(約249万円、1ドル=103.746円、2014年8月28日現在)で売買されることもあり、それは金の値段の半分に値する。

科学者たちは、これまで熊胆の健康に対する効果を徹底的に研究してきたが、いまだ決定的な結論には至っていない。
しかし、カプセルに入った粉として、あるいは強壮剤として販売されている胆汁を、一種の万能薬と見なしている人はいまだ多い。
胆汁の販売業者は、肝臓を強化し、インフルエンザの症状をやわらげ、視力回復に効果があるという。

ここ四川省の省都、成都で漢方薬卸売市場に店を出すYang Tingying氏は、熊胆は肝炎を含め肝臓のすべての病を治すと主張する。
「天然ものですから、最高の品ですよ」と、販売するのは違法な、一対の乾燥させた胆嚢を取り出して彼女は言った。

反対者にとっては悩ましいことに、中国政府が飼育下のクマの数を7,000頭から1,500頭にまで徐々に減らすと初めて公約してから13年の間に、この業界は大きく成長した。
今日では100か所近い熊農場に20,000頭のクマがいると推定されている。
これだけ拡大したのには、夜ごと飲み歩く裕福なビジネスマンのための二日酔い治療薬など、熊胆の新たな利用方法を宣伝した営業努力が一役買っている。

中国以外にも、ベトナムやラオス、ミャンマー、北朝鮮にも熊農場がある。

動物福祉の支持者にとって課題となるのは、胆汁農場の残酷さが天然胆汁が持つと言われる医薬的な利点を上回るということ、または、抗生物質を大量投与されている病気のクマから採取した胆汁の摂取はリスクが高いということを、中国の一般消費者に納得させることだ。

胆汁の採取方法を記録した動画を公開するのに加えて、アジア動物基金のような組織は、たとえばSun Li、CaesarとBuddhaなどのような、いくつもの秘密兵器を巧みに扱う。
彼らは助け出された158頭のクマの中の3頭で、成都郊外のこのグループの保護区で暮らしている。
保護センターでは学校団体、著名人や中国人レポーターたちを受け入れているが、みな例外なくクマたちのとりこになってしまう。

ほとんどのクマは、50頭未満のクマしか飼育していなかったために業界のルールに違反したという理由で、当局によって閉鎖された農場から来たクマだ。
大半のクマは、胸元に白いはっきりした三日月形の模様があることから、moon bearという名前でよく知られている、絶滅危惧種のAsiatic black bear(ツキノワグマ)である。

保護センターのNicola Field主任獣医師によると、クマたちはやせ衰え、腹部にさまざまな感染症やヘルニア、腫瘍を抱えた状態で到着することが多いという。
これらの症状は、日に3回の採取に備えて傷口を開けたままにしておかなくてはならない採取過程のまぎれもない印だ。

また、クマの歯は檻の棒をかじり続けたためにすり減っており、地面を歩いたことのあるクマはほとんどいないため、足は悲惨な状態になっていることが多いという。
「クマたちが耐えてきた数々の虐待にはぞっとします」と、Field主任獣医師は言った。

何年もの痛みと幽閉によるトラウマは大変なもので、助け出されたクマの中には、何時間も頭を壁に打ち付けたり、自分の手足を噛み続けたりするものもいるという。

業界の支持者らも、胆汁採取賛成の立場からのPR活動を展開してきた。
中国伝統薬の歴史を強調し、動物権利の支持者は、外国の製薬会社の言うままに自国伝来の療法を犠牲にして西欧医学を売り込もうとしているのだと主張している。

批判に反論するために昨年開かれた記者会見で、China Association of Traditional Chinese Medicine(中国中薬協会)の房書亭会長は、採取の過程を蛇口をひねることに例え、クマはそれを喜んでいると述べた。
「ごく自然で簡単、痛みもありません。採取が済んでしまえば、クマたちは外で楽しく遊ぶこともできます」と、書亭会長は言った。

会長の発言は裏目に出た。
ソーシャルメディアでは怒涛のような嘲罵が書き込まれ、専門家からは熊農場の従業員がクマを檻から出せるわけがないと論駁された。
「クマは犬と同じぐらい頭がよく、痛みを覚えています」と、アジア動物基金の覆面捜査官として、いくつかの熊農場を訪れたことのあるZhang Xiaohai氏は言う。
「また採取されるために自ら喜んで戻ってくることはありえません」とも語った。

しかし、Zhang氏や同僚たちは、Guan Zhilingのような若い中国人の姿勢に希望を見い出している。
彼女は最近高校の同級生とともに保護センターを訪れた際にこう言ったのだ。
「こういった行為は、クマにとって残酷なうえに失礼で、人類にとっても不名誉なことです」と。

ニュースソース
http://www.neavs.org/resources/publication/folk-remedy-extracted-from-captive-bears-stirs-furor-in-china

 

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