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2014年11月19日 (水)

サメの新規リスト掲載に関する政策実施に向けたFAOとCITESによるアジア諸国への支援

和訳協力:オダウド 陽子、校正協力:村田 幸代

2014年6月12日 CITES Other News Items

中国、アモイにおいて2014年5月13~15日に、サメ類の漁獲および取引を行うアジアの主要諸国を対象に、地域ワークショップが開催された。
該当地域でサメ漁を行う主要13カ国(中国、インド、インドネシア、イラン、韓国、マレーシア、モルディブ、パキスタン、シンガポール、スリランカ、タイ、イエメン、アラブ首長国連邦)の、CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)管理当局と、漁業担当当局の代表者が会議に出席し、Xiamen Declaration(アモイ宣言)を採択した。
European Commission(欧州委員会)および日本もオブザーバーとして会議に出席した。

ワークショップは、中国のCITES管理当局であるState Forestry Administration(国家林業局)によって、 Bureau of Fisheries and Fisheries Law Enforcement, Ministry of Agriculture of China(中華人民共和国農業部漁政局)の協力のもと開催された。
Vice Administrator, State Forestry Administration(国家林業局副局長)のLiu Dongsheng氏、Director General, Bureau of Fisheries and Fisheries Law Enforcement, Ministry of Agriculture(中華人民共和国農業部漁政局長官)のZhao Xingwu氏、そしてCITES事務局長のJohn E. Scanlon氏が開会のあいさつをした(CITES事務局長のコメントを参照)。

代表らは、各国の海域や隣接する公海におけるサメ類の状況や、サメ漁に関する法規制、管理や運営の体制などを見直し、サメ類が新しくCITESリストに掲載されたことがもたらす課題やチャンスを評価した。

アモイ宣言には、サメ類およびオニイトマキエイ類のCITESリストへの新規掲載の施行を成功させようという参加国の強い意志と、優先的に実施すべき取り組みのリストへの合意が示された。
その内容は、まもなく公開される、地域協議ワークショップの報告書「(仮)サメ類およびオニイトマキエイ類のCITESリスト掲載の施行に向けたアジア諸国におけるキャパシティ・アセスメント」に記載されている。

2013年3月にバンコクのタイで開催されたCoP16(第16回締約国会議)にて、加盟国はサメ5種:oceanic whitetip shark(Carcharhinus longimanus、ヨゴレ)、scalloped hammerhead shark(Sphyyna lewini、アカシュモクザメ)、great hammerhead shark(Sphyrna mokarran、ヒラシュモクザメ)、smooth hammerhead shark(Sphyrna zygaena、シロシュモクザメ)、porbeagle shark(Lamna nasus、ニシネズミザメ)と、オニイトマキエイ属全種(Manta spp.)の条約附属書Ⅱへの掲載を決定した。
これは、上記の種のいかなる国際取引においても、種の存続を考慮し、合法的に捕獲されたものであることを証明する、CITES許可書が必要になることを意味する。
また、これらの取引はCITES事務局への報告も義務付けられることになる。

これらの種のリスト掲載の施行には、ある程度の準備が必要であることを考慮し、加盟国は附属書Ⅱ掲載に関する効力の発効の時期を、18か月後の2014年9月14日とした。

CITES事務局は、これらのサメ類およびオニイトマキエイ類の種の付属書Ⅱへの新規掲載を支援するため、EU(ヨーロッパ連合)から120万ユーロ(約1億7000万円、1ユーロ:138円、2014年6月19日現在)の助成金を受けている。
その一部は、FAO(食糧農業機関)およびFAOが推薦するコンサルタントたちに提供され、CITES加盟国によるCoP16決議の履行を支援し、サメの漁獲や取引を行う主要国の漁業担当当局とCITES管理当局の連携の支援に役立てられている。
この協力の一環として、新しい海洋生物のCITESリストへの掲載の施行のための能力評価について、地域ごとに協議するためのワークショップが召集されている。

アモイ宣言にて、ワークショップの参加者らが合意した事項は以下のとおり。
・サメの漁獲および取引を行うアジア注)各国が、サメ類およびオニイトマキエイ類に関するCITES規制の履行に向け、この会合で合意された優先的に実施すべき取り組みの利用を検討することを推奨する。
・必要な改善点として次のことを認識した;データ収集、国内の法整備・法施行と国際的協力の強化、保全と管理の対策の強化、トレーニング、能力構築・人材開発の改善の強化、資金の確保
・すべての国が緊密にRegional Fisheries Bodies(地域漁業管理機関)と協力し、CITESリストに掲載されている海洋生物に関する地域の既存の野生生物対策のネットワークを最大限に利用することを奨励する。
・サメ類およびオニイトマキエイ類に関するCITES規制の履行手法を改良するための、アジア各国による努力を支援するよう、政府および支援者・団体に訴えかける。

今回のワークショップは参加者に高く評価された。

注:原文はアフリカとなっているが、内容からアジアの誤記と思われるため、アジアとした。

ニュースソース
http://www.cites.org/eng/FAO-and-CITES-support-Asian-countries-with-implementation-of-recent-shark-listings

 

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