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2014年10月20日 (月)

タイのタイガーテンプル―偽りの寺院

和訳協力:蔦村 的子、校正協力:日原 直子

2013年 Care for the Wild International blog

今日の話は、ここタイにある悪名高いタイガーテンプルへ、引き続き訪問した時の一部始終である。
2008年にCare for the Wild(ケア・フォー・ザ・ワイルド・インターナショナル)は、「寺院」への秘密潜入の報告書を発表し、その中で、動物福祉(動物の享受すべき幸福)についての懸念、治安問題、違法なトラの取引およびそのほかの違法行為を含む、一連の問題を提示した。
我々の報告書は世界中のメディアで報道され、現在、Lonely Planet(ロンリープラネット)で紹介されている(ロンリープラネットは、結果としてもはや旅行での訪問を勧めてはいない)し、また、タイガーテンプルの話が再び出る時にはいつも、今日なお、この報告書が引用されている。
そのことを念頭に、もう一度潜入して秘密調査を行い、我々の懸念する問題のいずれかが取り組みを受けているかどうかについて、確かめてみる時が来た。

タイガーテンプルへの道は長かった。
私は1日かけて、バンコクからタイガーテンプルに出かけたが、どの道をとっても通うのに3時間半ほどかかる。
タイガーテンプルの一帯に近づくにつれて、私は、あまりに多くの「elephant parks(ゾウ園)」が大通りで看板を掲げて宣伝されているか目のあたりにして、唖然とした。
看板にはすべて、陸上や川の中でゾウに乗った観光客が描写されていた。
そして、ここで交通手段を探したときに、私は、多くのタイガーテンプルのツァーに、ゾウ園への立ち寄りと、そこでゾウに乗ることも、今や追加料金1,000バーツ(約3,300円、1バーツ3.30円:2014年7月19日現在、以降、同率換算)で組み込まれていることに気づいた。
きっとどの観光客にとっても、動物虐待の長い一日になるだろう。

我々は向きを変えて、巨大なトラのアーチ道を抜けてタイガーテンプルへ入り、そして巨大なトラの彫刻を通り過ぎた。
運転手が待っている間、私は一般入場料として、600バーツ(約1,980円、約12ポンド)を支払った。
たいした金額ではないように思われるかもしれないが、私が道すがらコーラ1本を12バーツ(約40円)で買ったことを念頭に置けば、それはイギリスでは最低でも約1ポンド(約175.58円:2014年7月19日現在、以降、同率換算)であること、600バーツはこの地方の条件では実際の意味合いで約50ポンド(約8,779円)かそれ以上に等しいことを想定して欲しい。



当惑したことには、私は入園に当たって、(例えばトラに襲われたなどの)いかなる傷害を負った場合でもタイガーテンプルは賠償責任または責任を負わないとする、免責同意書に署名しなければならなかった。

入園する前に、私は慈善活動の話が多いのに気づいた。
ポスターの1つには、銀行振込の詳細と、支援者がその寄付額の多少に応じて仏教寺院タイガーテンプルがテーマとなったコインを無料で手に入れられることが書かれていた。
我々はタイとインドで多くのトラに関わる仕事をしているし、SSC(Species Survival Network、種の保存ネットワーク)の一員でもあるが、まったくおかしなことに、私の仕事の関係でそのような事例に出会ったことがなかったし、今週行われたCITES(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」)の会議で、僧侶が参加しているようには見受け られなかった。

入口の直前には、小さな籠に入った珍しい鳥が数羽いたが、このことは動物の福祉が十分に行われている基準になっているとは必ずしも限らない。
すでに多くの観光客がいて、彼らはもう朝の「僧侶と朝食を共にする」会に参加して、僧侶の食費のために大金を支払い、そして子トラに餌をやったようだった。
ところで、トラの子は(救護されたのでなければ)一切いるはずはなかった。
というのは、ここは鳥獣保護区とされており、国際的な鳥獣保護区は、専門家による国際的な繁殖計画の一環でなければ、繁殖を禁止されているからである。

多くのシカやイノシシが濃い緑色の水で水浴しているのを通り過ぎると、私はまもなくトラを見つけた。
7頭が展示されていたが、すべて鎖につながれ、観光客の幾人かが騒ぐのに身構えていた。
それぞれのトラのそばにスタッフ(そのほとんどは西欧人のボランティア)と僧侶が一人ずつ立っていて、人々はトラと一緒に写真を撮るために列を作っていた。
私はこうしたことには賛成ではなかったが、観光客に混ざって、パッケージ旅行の全行程を経験する必要があり、僧侶によって7頭のうちの1頭のトラの背後に手早く案内され、写真を撮った。
私の心臓は高鳴った。
ほかの観光客の皆とは違って、トラの成獣に噛み付かれ裂傷を負わされる距離内に入るリスクについて、よく知っていたからである。

私はまた、トラに触りたくもなかった(一つにはトラを苛立たせたくなかったし、二つに私が怪我をするリスクを抑えたかったからだ!)が、私は無理やりトラに 触らせられ、そして教えられた通りに「トラに乗りかかる」のを拒否するためには、非常に激しく抵抗しなければならなかった。
それは明らかに勇敢なことではないと思われたし、リスクを考えると遠くからでさえ心配だった。

この頃までには、一帯に少なくとも80人の観光客がいたが、観光客の流れは引き続き写真を撮るために列をなしていた。
しばらくして、我々は移動するように頼まれた。
スタッフがトラを鎖から解き、その日のプログラムの一環で「トラと一緒に歩く」ための準備をさせるためである。
その時には、観光客はもう一つの写真撮影場所である「トラの峡谷」までトラと連れ立って歩き、その同じトラはもう一度、人と一緒に写真を撮るために、鎖に繋がれることになる。

合計22人が4つに分かれたグループで、人々は、この写真撮影の機会を求めて列を作った。
私はタイガーテンプル側がトラを準備するのを見ていたが、かなり強くトラを引っ張る様子がたくさん見られた。

トラたちは、穏やかすぎるほどに落ち着いていた。
観光客として、私はトラたちが薬剤を投与されていたかどうかを言える立場にはなかったし、個人的には、よくわからなかった。
た だ、トラたちは完全に感情的に壊れてしまっていて、しばしば諦めていたと思う(人々はこれを「調教」と呼ぶかもしれないが、行儀が悪いと繰り返し罰を与え ること、またトラが助けを求めて発するかすかな声を絶えず無視することによって、動物の意志を打ち砕く、negative reinforcement(消極的な反応の強化)と呼ばれている)。

鼻や頭を(ひどく強くではないが十分に強く)棒で叩いたり、軽く音を立てて打ったり、ゲンコツで打ったりする、トラへの支配性を強化する行為が数多く行われていた。
また、トラの日々の仕事-観光客を楽しませ穏やかそうにみせる-のために、無理やり頭や体をつかんで、何度もトラを動かし、押しやっていた。

トラと一緒に歩く催しが(後で述べる遊び時間の催しと同様に)、私の見た最大の健康上かつ安全上の問題だった。
ここでの基本的な問題は、トラの制御ができていないことだった。
文字通り1秒、または2秒後に、僧侶は列の次に並んだ観光客に写真を撮らせるため、トラを連れて行き、そしてまた次の観光客に、と繰り返し移動していく。
ここでの主な問題は、見知らぬ相手はトラに対する優位が確立していないということである。
トラが何か計画から外れたことをしでかした場合、見知らぬ人間は遥かにパニックに陥りやすく、またすぐに鎖を放してしまいがちでもある。
さらに、観光客の体重とハンドラーとしての能力も大問題なのである。
私がかつて働いていたBattersea Dogs Home(バタシー野犬収容所)では、我々はただ単に犬を歩かせるためだけに、スタッフの経験と調教能力を犬のタイプに合わせていた。
これは決して犬ではない。
若いトラでさえ信じられないほど強く、危険であるのに、ましてやこのトラたちは成獣である。

私はこれには参加しなかったが、少なくとも私が82名を数えた参加者は5つのグループに分かれた。
実際には、参加しない者はみな、参加を強要された。
中には、2人の子持ちの1組のカップルもいた。
みんながカップルに勧めるのを辞めるまで、彼らは優に3回か4回は断らなければならなかった。

「トラの峡谷」に降りて行った後、同じトラたちはすべて、そこにある古い石切場で再び鎖に繋がれ、もう一度、何時間も観光客と写真を撮るために服従させられた。
我々が報告して以来、今や日除けが設置されたようだが、その一帯はなおも暑く、トラたちは明らかに不快そうであった。

私は、極度の疲労、または気持ちの乱れの確かな表れを見た。
トラがとるしぐさからわかる感情は明らかであった。
多くのトラは尾っぽでパタパタと音を立て、体をこわばらせて、ぜいぜいと喘いでいた。
最も明らかに心を乱していた1頭のトラが、立ち上がって抗議した。
1分もしないうちにその雄トラは引き戻されて座らされると、観光客と一緒に写真を撮るために元の場所に戻された。
観光客の一人はその直後、文字通りトラの背中に腰掛けるのに加わった。
これは、最も純粋な形態での完全な動物虐待である。

無料写真か特別写真かの2つのオプションがあった。
ほとんどの観光客は、トラの背に座ったり、自分の膝の上にトラの頭を載せたり、あるいはおよそ虎が噛みつける範囲内にいたりする、特別写真の方にお金を支払った。
さらに、前には気づかなかったことだが、特別写真にはグループ写真も含まれていた。
それぞれのトラが興奮した後に、つまり、こうした写真の1枚をいったん撮り終えると、観光客はそれからその場を離れて別のトラのところへ連れてゆかれ、終えるとさらに別のトラへと、誰もが十分満足するまで移動を続けるのである。

これは、それぞれのトラが、わたしがその場に居合わせた間だけでも、100人前後の観光客から虐待を受けるのと同じである。
午後の特別アクティビティーもあった。
観光客がいかに虐待に鈍感で、トラが明らかな疲労困憊と不快感を体で示しているのに気づかないことに、私は衝撃を受けた。
これが搾取以上のものでないことがあり得るのか、そして誰も気づかないということがあり得るのか。
大勢のスタッフが、トラに飲み物としてなにか水のようなものを与えているのを目にしたが、一人の僧侶が特別のボトルを持って、いろんな機会に、トラの肛門に噴きかけているのも見た。
このボトルは別に取っておかれたが、私はこれがトラの尿で、トラを制御するための手段として使われていると想像する。
また、明らかに「寄付(お布施)」のために、タイガーテンプルはまがいもののトラの歯のネックレスを売っていた。

次は子トラ区域で、私はそこで2番目に非常に危険なものを見た。
観光客が、「トラの丘」で払ったのよりさらに多額の金を払った後で、幼獣たちを「教育」している姿である。
これには、水の張った小さな池で、プラスチックの袋や靴などを結びつけた、大きな棒を持ってトラをいじめることが、含まれていた。
観光客とスタッフが参加し、トラの鎖は外されていた。
スタッフがそばに立っていて、トラが飛び上がるたびごとに、金切り声を上げたり叫んだりすることで、その場の雰囲気を盛り上げていた。

ここでも再び明らかなことは、トラたちが嫌がっているということだ。
その時間のほとんどは、トラたちは自分の仲間内で遊びたがったのに、棒と袋で絶えず嫌がらせを受けていた。
トラたちは、観光客のすぐそばで飛んだり跳ねたりしていたが、トラから攻撃を受けても、止める能力を持つ者は誰もいなかったのだ。

もう一つ注目すべきことは、このタイガーテンプルのある孤立した丘は、基本的に小さな池のある一種の荒地であり、はぐれて迷子になったトラ以外は一切、すぐに、池に追い返されるということだった。
ほかのトラと一緒になって暴れたトラや、観光客に近づきすぎたトラは、強制的に移動させられる。
私は、一人のスタッフが繰り返し棒で叩いたり突いたりして、一匹のトラを押し戻すのを目撃した。
私の気づいた最大の危険は、いったんイベントが終わって人々が歩き去り、トラたちを置いて離れた時のことだった。
観光客は、今や非常に感情的になった、そして非常に興奮してじゃれたがり、歩き回っているトラたちの群れに、その背を向けて歩き去っていったのだ。
信じがたいほど、危険である。

このすぐ近くにあるのが「トラの滝」である。
その名にふさわしくないほど小さな場所で、そこには、またも別料金で観光客に絶えず写真を撮られ、嫌がっているトラの幼獣が2匹いた。
このトラの幼獣たちもまた、鎖につながれて非常に長い時間、戸外にいたのだ。

私はまた、「舞台裏」を歩き回って、トラが飼われている場所を見つけた。
私はあるスタッフから、ここには104頭のトラがいると聞かされていた。
そして、英語がより堪能なスタッフからは、114頭いると耳にした。
私はまた、別の観光客が114頭と言っているのを小耳に挟んだから、この数字で行こう。
公式の政府記録は104頭いると述べている。
タイ政府発行の公式リーフレットでは、・・・17頭である。
やや不正確だ。

数グループの檻で共有している共同運動場が複数あったが、閉鎖していて、どこにもトラはいなかった。
トラはすべて、檻の中に閉じ込められていた。
すべての檻はとても狭く、私が確認できたところでは、最大でも20~30㎡くらいだった。
コンクリートと柵、それにバケツ1杯の水だけで、装飾は一切まったくなかった。
運動場もまた、そこに置いてある空の袋や、また、からっぽのドライドッグフードの包みで、汚らしかった。
このことは、トラが適切に餌を与えられていないことを示した、我々の最初の報告書を裏付けるものだ。
控えめに見積もっても、このアトラクションは年間1000万ドル(10億3820万円、2014年8月21日レート、1ドル103.82円)を超える利益を上げているに違いない。
いや、それ以上という可能性もある。

出る途中で装飾のない大物の檻のそばを通り過ぎた。
Asiatic Black Bear(Moon Bear、ツキノワグマ)の成獣がいた。
1匹だけだった。
隣の小さな檻には、3ヶ月になるツキノワグマの子が1匹いて、ボランティアが、檻の中で付き添っていた。
ボランティアはタバコを吸っていた。
動物がすぐそばにいるときや、当番の者にはよく見かける仕草(保護上および動物福祉上では通常の慣行でない!)だった。
子クマは何かの果物を食べていた。
私がクマはどこから来たのか尋ねると、警察が見つけたか、捕まえたかして連れてきたのを檻に入れたばかりだ、ということだった。
私は、檻から出されるだろうかと聞いた。
ボランティアは、「いや、それは危険すぎるでしょう」と答えた。

さらに突っ込んで、私はトラが解放されることはあるのかと尋ねた。
またもボランティアは、「いいえ、ここのトラは囚われた生活しか知らないですから」とい答えた。
しかし、ここのトラはIndo-Chinese tigers(インドシナトラ)であり、野生では300頭しかいない、と彼は述べた。
(事実はそうではないく、このトラは雑種だ)。
ボランティアは、保護上の利点から、トラがここにこんなにたくさんいることが良いことだとみなしていた。
注目すべきことに、世界中で何千頭ものトラが捕獲され、飼育されているが、野生絶滅および減少に対する闘いの点で、保護効果を増すことはない。

長くつらい1日であったが、決してむだではなかった。
自宅に帰ってからしなければならないことはさらにたくさんあったが、事実(タイガーテンプルの実態)は何も変わっていなかった。
実際、トラの頭数は劇的に増加したのだが…。
私は、我々の報告書を仕上げるのを、つまり、もう1度世界の人々に「タイガーテンプル」の裏側の真実について語るのを楽しみにしている。

http://www.careforthewild.com/press/blog/temple-of-lies/

 

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