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2014年10月 6日 (月)

各国政府、象徴的なサルガッソー海の保全のために団結

和訳協力:影山 聡明、校正協力:長井美有紀(Myuty-Chic)

2014年3月12日 IUCN International news release

バミューダ、アゾレス諸島、モナコ、イギリスとアメリカ合衆国の各政府は、サルガッソー海の保全に誓約する宣言に署名した。
サルガッソー海は大西洋中部の広大な区画のひとつで、その特有な流れ藻が生物多様性を豊かにしていることで知られている。
この独特な海洋生物の安息の地を保護するために、国際的な同盟が結成されたのは、これが初めてである。

昨日バミューダの首都ハミルトンで署名された協定は、Sargasso Sea Alliance((仮)サルガッソー海同盟)の一環である。
このイニシアティブはバミューダの政府主導のもので、資金提供団体のひとつであるIUCN(International Union for Conservation of Nature、国際自然保護連合)が、会議を主催した。

『(仮)サルガッソー海の保全協力に関するハミルトン宣言』― またの名を『ハミルトン宣言』という ― は、政治的拘束力のない声明である。
それは、International Maritime Organization(国際海事機関)や地域の漁業当局、Convention on Migratory Species(「移動性野生動物の種の保全に関する条約」、通称「ボン条約」)などの、国の管轄を超えた地域を調整する国際機関を利用して、サルガッソー海の保全を求めるものである。

「これは、本当に歴史的な出来事です」と、Sargasso Sea AllianceのDavid Freestone事務局長は述べた。
「既存の法律上の国際的枠組みを利用しながら、象徴的な公海の生態系を保護するために、国際的な同盟が結成されたことは、初めてのことなのです」。

サルガッソー海は、大西洋の生物たちが交わる場所の一つとなっている。
そこで浮遊するSargassum seaweeds(ホンダワラ属の海藻)は、多種多様な種を守る。
Sargassum anglerfish(ハナオコゼ)のように、何種類かはこの地域の固有種である。
約30の種のクジラ、イルカ類とネズミイルカ類は、サルガッソー海で繁殖し、生息するか、もしくはサルガッソー海を移動時に利用する。
同様に、マグロ、ウミカメ、サメ、エイ、ヨーロッパウナギとアメリカウナギなどの動物も利用している。

この海域は、長期的な生物の生存や健康を脅かす、多数の脅威に直面している。
それは、船からの廃水の排出、汚染物質、漁業、肥料やバイオエネルギー生産のためのホンダワラ属藻類の収穫、海底採掘、気候変動や海洋酸性化などである。

「我々が広大な青い外洋を調査するほどに、私たちが陸地を安心して生活できる地としていると同様に、そこに野生生物が安心して生存できる地があることを、実感せざるを得ません」と、IUCNのWorld Commission on Protected Areas(世界保護地域委員会)の海洋担当の副議長であるDan Laffoley氏は述べている。
「しかし陸地とは違って、我々には、これらの貴重な場所を保護するのに適切な、法的な仕組みがないのです」。

地中海、北東部大西洋または南極海とは異なり、サルガッソー海は、保全の責任をもつ地域機関がない。
ハミルトン宣言は、サンガッソー海委員会設立のための土台となるだろう。
委員会の目的は、再調査のもと、この海域の健全性・生産性・回復力を保ちつつ、航海や漁業への反対勢力を最小限にすることである。

スウェーデンやタークス・カイコス諸島、英領ヴァージン諸島、オランダ、バハマ、南アフリカの政府代表は、この宣言への支持を表明した。
IUCN、 隣接する北東大西洋海域のOslo and Paris Commission(オスロ・パリ委員会)、International Seabed Authority(国際海底機構)、Inter-American Convention for the Conservation of Sea Turtles(米州ウミガメ保護条約)、ボン条約の、5つの国際組織も共に支持するものである。

「ハミルトン宣言は、この公海の宝石を保護する共同のボランティア活動で、貴重なオアシスとなるものです」と、IUCNの公海政策シニアアドバイザーのKristina Gjerde氏は述べている。
「サルガッソー海を保護し、管理する強力なリーダーシップから、国際社会に向けて、我々の共有する海洋に存在する野生生物を保護するために、今こそ団結する時であるという、重要なメッセージを送らなければなりません」。

このような誓約は、海洋保護区の面積を現状からほぼ3%増やし、2020年までに海の10%を保全するという目標に到達するための国際的な取り組みの中で、重要な役割を持つものである。
この目標の進展状況は、2014年11月12日から19日までシドニーで開催されるIUCNのWorld Parks Congress(世界公園会議)で議論される。

http://www.iucn.org/news_homepage/?14546/Governments-unite-to-conserve-iconic-Sargasso-Sea

 

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