太平洋のアカウミガメ保護計画を作るために専門家が集まる
和訳協力:佐野 かおり、校正協力:佐々木 美穂子
2014年3月27日 CMS News
2014年3月27日、オーストラリアのブリスベンに15人の専門家が集まり、太平洋のLoggerhead Turtle(caretta caretta、アカウミガメ)を保護するため、Single Species Action Plan(単一種行動計画)を立てた。
この計画を推進するため、オーストラリア、チリ、フィジー、エクアドル、ニューカレドニア(フランス)、ペルー、アメリカといった国々の政府代表者および専門家は、CMS(「移動性野生動物の種の保全に関する条約」、通称「ボン条約」)に任命された委員、事務局およびSPREP(南太平洋地域環境計画)に加わった。
この会議は、クイーンズランド州政府の環境・遺産保護省、Conservation and Sustainability Services((仮)保全・持続可能性局)のTamara O'Shea次長によって開催された。
彼女によれば、オーストラリアの東海岸は分布域の広いこの種の主な繁殖地となっているという。
同省の絶滅危惧種部門の主任科学者であり、CMSによって任命されたウミガメ専門の委員でもあるColin Limpus博士によれば、ウミガメは大規模な移動を行っているという。
彼らは生涯をかけて、オーストラリアの東側から広大な太平洋を渡って南アメリカの東海岸まで行き、そしてまた同じコースを戻るのだ。
太平洋のアカウミガメを脅威にさらしている主な理由として、漁の最中に誤って捕獲してしまうこと、網などに絡まり身動きが取れなくなってしまうこと、さらに海のゴミを食べてしまうことなどであると、会議の参加者は意見が一致している。
すべての生息国と協議しながら、今後数か月の間に上記を含めた様々な脅威にへの対処法の概説する行動計画の草案を仕上げ、2014年11月のCMSのCOP11(第11回締約国会議)で提示、採択する予定となっている。
アカウミガメは、CMSおよびCITES(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」)の付属書Iに載っており、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストの絶滅危惧IB類に指定されている。
この会議はオーストラリア政府の資金提供により開催された。
http://www.cms.int/en/news/experts-meet-develop-plan-conserve-pacific-loggerhead-turtle
★ニュース翻訳を続けるためにご協力ください!
→JWCSのFacebookでページのイイネ!をして情報をGET
→クリックで守ろう!エネゴリくんの森でゴリラの保全に協力
→JWCSの活動にクレジットカードで寄付
※日本ブログ村の環境ブログに登録しています。よろしければクリックしてください。
にほんブログ村
« CITES、生物多様性戦略フェーズ6(GEF-6)を歓迎 | トップページ | アジア各国の指導者とIUCNが保護地域のために新たなパートナーシップを設立 »
「35 レッドリスト 絶滅危惧種」カテゴリの記事
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- キツネザル類のほぼ3分の1とタイセイヨウセミクジラが絶滅危惧IA類に―IUCNレッドリスト(2021.11.16)
- クロマグロ産卵場における致命的な漁具に対するトランプ政権による許可の差し止めを求め複数の団体が提訴(2021.11.02)
「10 カメ」カテゴリの記事
- ウミガメと陸ガメの受難(2021.08.10)
- 最新の調査により、ウミガメの違法取引がインドネシア、マレーシアおよびベトナムで長年横行していることが判明(2020.08.18)
- 海洋野生生物の複雑な地球規模の密売ネットワークの歴史的発展(2019.10.01)
- 欧州最大の不法なカメの養殖場、閉鎖へ(2018.12.04)
- 警察がマヨルカ島の違法なカメ養殖場を閉鎖(2018.11.22)
「17 海洋生物」カテゴリの記事
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- ガラパゴス諸島の貴重な海洋生物を中国の巨大漁船団からどのように守るか(2021.09.21)
- 増大する中国漁船団により世界の海洋資源が枯渇(2021.09.14)
- ウミガメと陸ガメの受難(2021.08.10)
- 国際的規制当局の世界最大のマグロの売り尽くし方(2021.07.20)
「32 ボン条約」カテゴリの記事
- 混獲(ボン条約第12回締約国会議改訂版決議)(2018.06.14)
- ジュゴン保護のためのジュゴン生息国の協定 (COP12改訂版)(2018.05.12)
- 持続可能な開発と移動性野生動物種の保全に関するマニラ宣言(2018.05.10)
- ユキヒョウを絶滅の縁から救え(2018.01.30)
- 絶滅寸前のアフリカノロバの保護への道が拓かれる(2017.10.19)
「40 保全対策」カテゴリの記事
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の先にある未来には地球の健康の再生が必要(2021.12.28)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- クロマグロ産卵場における致命的な漁具に対するトランプ政権による許可の差し止めを求め複数の団体が提訴(2021.11.02)
- ディスコライトでパニック:ボツワナのチョベ地区におけるアフリカゾウの侵入を防ぐ太陽光発電ストロボライト(2021.10.19)
この記事へのコメントは終了しました。
« CITES、生物多様性戦略フェーズ6(GEF-6)を歓迎 | トップページ | アジア各国の指導者とIUCNが保護地域のために新たなパートナーシップを設立 »
コメント