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2014年9月 6日 (土)

ハミルトンガメを救うべき時

和訳協力:立田 智恵子、校正協力:榎本 まなみ

2014年5月25日 Countercurrents.org By Marianne Furtado de Nazareth

魅力的で人をくぎづけにする、顔がまだら模様のハミルトンガメ(Geoclemys hamiltonii)が絶滅の危機に瀕している。
エキゾチックペット市場だけでなく、食肉の市場や、怪しげな代替薬の市場でハミルトンガメの需要が跳ね上がっている。
この事実はTRAFFIC(The wildlife trade monitoring network、野生生物の取引を監視・調査するNGO)の研究報告書で明らかになった。
同報告書では、これらすべてのさまざまな理由により、突然需要が高まったのだとしている。

TRAFFICが公表した数値によれば、2008年1月から2014年3月の間に、1,960匹超の動物が押収された。
そのうちの95%が最後の15か月間に押収されている。
あらたに230匹のカメ類が5月14日に押収されたことが、危機的状況の深刻さをはっきり示している。
スワンナプーム国際空港のタイ王国税関職員は、インドのコルカタ発の飛行機に乗った持ち主不明の鞄に、カメが詰まっているのを見つけた。

押収に関する情報を調べると、カメがバンコクなどの東南アジアの中心を経由してバングラデッシュ、インド、パキスタンから東アジア、特に香港へ輸送されている。
押収されたのは、大半が民間航空を利用して荷物に動物を隠した乗客からである。
捕まった密売人のほとんどが逮捕されたが、記録されている22事例のうち僅か2件しか起訴できていない。

「執行当局の密輸業者の発見と逮捕に対する努力は称賛に価するが、その後の捜査、起訴ができないのであればすばらしい仕事は台無しです」と、東南アジアのTRAFFICの地域責任者であるChris R Shepherd博士は言う。
「今こそ野生生物の犯罪者が犯した重大な罪を正しく罰すべき時です」。

ハミルトンガメは生息国の法律で守られ、Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Flora and Fauna(CITES、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」)の附属書Iにリストされている。
この種の国際的な商業取引はすべて違法である。

報告書では多国間および複数の機関で連携し、法執行と起訴について改善することを勧めている。
CITES事務局とメディアに対して、起訴の成功報告とともに、タイムリーかつ詳細な押収についての報告もまた、強く求められている。

「野生生物法執行ネットワークは南アジアと東南アジアにすでにありますが、彼らが直面している国境を越えた犯罪ネットワークを考えると、彼らの活動に対して、十分に連動した世界規模の法執行を確実に行うことが課題です」と、東アジアおよび南アジアのTRAFFICの地域責任者であるYannick Kuehl博士は言う。

「TRAFFICが望んでいるのは、対象の密売ルートの分析を、地域の野生生物法執行ネットワークによる、需要と供給を断ち切るための法執行活動の計画に役立てることです」と、Shepherd氏は言う。

「カメ類は深刻な脅威に晒されています。もっとも深刻なのはアジアで、IUCNのレッドリストに載っている25種の最も危機に瀕している陸ガメと淡水ガメのうち17種がこの地域で見つかっています」と、アジアでの、IUCNの種プログラムおよび、天然資源グループのプログラム高官であるJames Tallant氏は言う。

「IUCNは、TRAFFICを含むアジアのパートナーと、生物多様性の損失を食い止める取り組みを行っていま す。世界カメの日に、世界の関心がカメ類の窮状に集まることを大変うれしく思います。これによって理解がさらに深まり、世界中に効果的な保護活動が広がることを願っています」。

Chng S.C.Lの2014年の論文「Escalating Black Spotted Turtle Geoclemys hamiltonii trade in Asia: a study of seizures(アジアにおけるハミルトンガメの取引の増大:押収についての研究)」によれば、過去2年間で、アジアのハミルトンガメ(Geoclemys hamiltonii)の違法取引は増大した。

次の地域で法執行と起訴を支援する取り組みが推奨されている。

この問題の認識を高め、ハミルトンガメの密漁と違法輸出対策に取り組むために、South Asian Wildlife Enforcement Network(SAWEN、南アジア野生生物法執行ネットワーク)の8か国間での地域協力が望まれる。
特にバングラデッシュ、インド、ネパール、パキスタンの優先順位が高くなっている。

国境を越えた法執行を向上させるため、取引ルートとなっている国や領土(領海を含む)―バングラデッシュ、インド、パキスタン、タイ、香港、台湾―の政府間で、正式な了解覚書を交わすことが強く求められている。

南アジア野生生物法執行ネットワークの地域プラットフォーム、Association of Southeast Asian Nations Wildlife Enforcement Network (ASEAN-WEN、アセアン野生生物執行ネットワーク)やINTERPOL(インターポール)は一丸となって、犯罪ネットワークを壊すための国境を越えた取り組みを進め、連携するべきだ。


ユニークな模様

ハミルトンガメは、そのユニークな模様ですぐに見分けることができる。
税関の職員や警察官は、確認のための識別ガイドを参照することができる(たとえば、http://www.asean-wen.org/index.php/factsheets/category/4-species-idで、種の識別シートがさまざまな言語で提供されている)。
監視の一層の強化が、主要な空港、特にダッカ、バンコク、香港などの国際空港では必要である。

生息国以外でのこの種の販売はCITESで一切禁じられ、違反者は適宜国の法律で罰されなければならない。
また、CITES事務局がインターポールやWorld Customs Organization(世界税関機構)と協力し、監視を強め、度々違法な取引を見逃している関係者をフォローアップすることが望まれる。

法律や起訴の制度によって起訴の手続きを向上させたり罰則を強化したりすることが、有効な防止策として求められている。
近年、事例の準備や証拠入手だけでなく、アジアのハミルトンガメの違法な国際取引の増加を認識させることや、流れを断ち切るための早急な行動などが求められている。

生息国のCITESの管理当局と、押収が行われた国の司法組織が協力して、IUCNの種の再導入ガイドラインに従い、押収した動物を、それらが捕獲された、元々いた自然集団に戻すことができるよう、原産国への送還手続きを容易にする必要がある。

インターネットが野生生物の違法取引の主要な市場になるに従って、今後、オンライン取引のモニタリングを行い、CITES の加盟国がその結果を検討するべきだろう。

航空会社や空港のスタッフといったターゲットとなる聴衆と一般市民の双方が、この問題に対する認識を高めることが望ましい。
それぞれの国で、野生生物犯罪の直通電話の番号を、取引が頻繁に行われている場所、たとえば空港などに貼り出すべきだ。
そうすれば、疑わしい動きがあれば一般市民たちが関係当局に報告できる。

国の法律による保護

CITESの附属書Iにリストされているだけでなく、ハミルトンガメはすべての生息国で以下の法律により保護されている。

インド:Wildlife Protection Act(1972年、野生生物保護法)の別表Iで保護されている。CITESの違反は輸出入政策の違反と見なされ、関税法によって処理される。1976年にCITESを批准。

バングラデシュ: Wildlife (Preservation) Act(1974年、野生動物保護(改定)法)の別表Ⅲで保護されている。1981年、CITESを批准。

ネパール:1992年以降、すべての野生生物および野生動物の部位の輸出は禁じられている。CITESの違反は、Export and Import (Control) Act (1957年)および関税法(1962年)の違反と見なされる。1975年にCITESを批准。

パキスタン:NWFP(北西辺境州)のWildlife Act(1975年、野生生物法)およびPunjab(パンジャーブ州)の野生生物法(1974年)の別表Ⅲによって保護されている。Export Trade Control Order(1981年、輸出貿易管理令)によって、すべての野生の哺乳類、爬虫類、保護された固有の鳥類の輸出は、連邦政府から禁止されている。1976年にCITESを批准。

ハミルトンガメは、東パキスタンから、北インドとネパールを経由して、バングラデッシュや北東インドに分布している。
毎年、2回の産卵で18個から30個の卵が産み落とされる(Das and Bhupathy、2010年)。
現在、生息国におけるこの種の合法的な商業目的での繁殖について、CITESの記録はない(CITES、2014年)。
インドでは、Central Zoo Authority(中央動物園管理局)からの許可を得ないで固有の野生生物を繁殖させることは禁じられている。

報告によれば、この種はペットや食用として求められてきた。
ハミルトンガメはかつてペットとして、米国や西ヨーロッパの収集家たちのために広く取引されていた。
しかし最近では、東南アジアや東アジアのペット市場での取引が記録されている。
2006年から2009年の市場調査で、何十というハミルトンガメが、バンコクのチャトチャック市場で記録されており、2006年8月の2個体から、2009年6月の28個体という高い数字に上がっている。
マレーシアのクチンの別の調査では、生まれたばかりのハミルトンガメが1匹およそ800マレーシア・リンギット(243米ドル、換算レート:1マレーシア・リンギット=0.3035米ドル、日本円で約25,00円(2014年6月14日付、換算レート:1マレーシア・リンギット=31.698円))で売られていることがわかった。
またかなりの数が肉を食べるために生息地で捕らえられている。
肉の消費は従来東インドに集中していたが、近年では中国の都市部の肉市場でも見られるようになった。

この報告は、ハミルトンガメの取引を関係当局に知らせ、その不法取引の重大さとその変遷を強く訴えるために発表された。

http://www.countercurrents.org/nazareth250514.htm

 

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