CITES、生物多様性戦略フェーズ6(GEF-6)を歓迎
和訳協力:グリーン、校正協力:山本 麻知子
プログラム3は絶滅危惧種の絶滅を防ぐことを目指し、野生生物の不法取引が生物多様性喪失の新たなけん引要素となっていることを認識した。
2014年5月28日 CITES and GEF JOINT PRESS RELEASE
今週、第5回GEF(地球環境ファシリティー)総会で、GEF信託基金の第6次財源補充のもと、生物多様性戦略フェーズⅥ(GEF-6)の実施が承認された。
生物多様性戦略には4つの目的があり、10のプログラムからなる。
フェーズⅥ(GEF-6)生物多様性戦略の第2の目的(BD2)は、世界的に重要な生物多様性にとっての脅威を減らすことにある。
この目的のもとに、プログラム3は既知の絶滅危惧種の絶滅を防ぐことを目指す。
またこのプログラムでは、「野生生物やその体の一部の不法取引が、生物多様性喪失の新たなけん引要素となっていること」、および「現在の規模で密猟が行われれば、法による支配や経済が広範囲でむしばまれること」を認識している。
この文書は、ゾウやサイの密猟や、そこから派生して起こる象牙や犀角の不法取引について、CITES(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」)を情報源としている。
CITES事務局長John E. Scanlon氏は第5回GEF総会の結果についての演説で、「この生物多様性戦略フェーズⅥ(GEF-6)は、世界中の既知の絶滅危惧種の存続のため に、密猟や密輸により引き起こされている差し迫った脅威に対応します。こうした密猟・密輸は、多国籍犯罪組織によって、ますます産業規模で行われるように なってきています。追加資金を得てこのような傾向を覆すことが非常に重要で、CITESは野生生物、人間、経済、安全保障を脅かすこういった危機に対す る、GEFの時宜を得た革新的な対応を称賛します」と付け加えた。
プログラム3に準じ、「GEFは、法律の制定やその実施、戦略計画などを含む、意思決定プロセスの強化を支援し、また、象牙や角、その関連製品の不法取引や密猟を減らす取組みを行うアフリカの国家機関の能力を支えるものである」。
さらにGEFは、アジアにおけるサイやゾウ、そのほかの野生生物の原産地で行われているのと同じような介入を通して、アフリカの反密猟活動を補完していく。
こ
のプログラムでは、さらなるGEFを求めるにふさわしい締約国が、生物多様性行動計画や愛知ターゲット12、NBSAPs(生物多様性国家戦略および行動計画)を背景にして、野生生物犯罪への取組みや、野生動植物の持続可能な利用を確保するための活動に必要な資金
を得られるようにすることとしている。
CITES事務局はこの点について、締約国を今後さらにどのように支援していくかGEF実施機関と協議中である。
CITES事務局長は、CITESの優先事項について演説するために、2011年11月8日から11日に行われたGEFの第41回評議会に招かれた。
その演説を受けてGEF評議会は、「フェーズⅥ(GEF-6)プログラミング戦略にある可能なものの優先度の調整を促進するため、GEF事務局が、生物多様性条約事務局と共に生物多様性関連の会議を組織する」ことを決めた。
この会議は、2013年9月2日から3日にかけてジュネーブで行われた。
そして、CITES締約国の要請を受け、2013年3月に行われたCITESの第16回締約国会議の後、CITES事務局長はCITESの優先事項をまとめ、GEFのCEOに提出した。
http://www.cites.org/eng/CITES_welcomes_GEF-6-biodiversity-strategy
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