国際司法裁判所が禁止の判決を言い渡して数週間で日本の捕鯨船団が出港
和訳協力:成田 昌子、校正協力:小林 恵
2014年4月26日 WDC NEWS
国連の司法機関である国際司法裁判所(ICJ)が先月、日本に対して南極海での捕鯨を止めるよう判決を下して以降初めて、日本の捕鯨船団が厳重な警備の中、出港した。
2013年の夏、オーストラリア政府が日本に対して訴訟を起こし、日本側が言うところの「科学的」調査プログラムの名のもとに、これまでに南極海に生息するクジラ7,000頭以上の命を奪ってきたことの実態を明らかにしようとした。
聴聞会では、日本の調査捕鯨が、科学的にはどんなに何の意味もなさないかについて、オーストラリア政府代表団が大筋を述べた。
先月国連の主要司法機関であるICJ(国際司法裁判所)により、この件に関する判決が下された。
南極海における日本の「科学的調査捕鯨」を強く非難し、調査を装った商業捕鯨による虐殺との理由から、捕鯨の中止を命じた。
日本政府は判決を甘受すると言ってはいるものの、ほかの海域での捕鯨を中止するつもりはないようだ。
そしてまた4隻の調査捕鯨船が東北の宮城県鮎川港を出港し、今シーズンの沿岸捕鯨の幕が開けた。
おそらく日本政府は、ICJが下した判決が暗に意図するところや、ほかの形態でのいわゆる「調査捕鯨」への拡大した適用について、十分に検討しなかったのかもしれない。
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