グローバルマーチで、ライオンのキャンド・ハンティングに抗議!
和訳協力:高橋 哲子、校正協力:東海林 洋子
2014年3月14日 African Conservation Foundation News
2014年3月15日、ライオンを守るためのデモ行進が世界中で行われる。
南アフリカ共和国で行われているcanned hunting(キャンド・ハンティング(注1))産業について、人々にもっと関心を持ってもらうことがデモの目的である。
「キャンド・ハンティング」の習わしは、南アフリカ共和国では合法行為である。
この国ではライオンが飼育場で繁殖されているのだ。
(生まれた子供は)幼獣ペット産業で使うために飼育される。
飼いならされたこのようなライオンが充分に大きくなると、莫大な金を手にするため、しばしば薬物により弱らされ、柵の中に放されて射殺される。
世界中の人々が南アフリカ政府にキャンド・ハンティングの禁止を訴えている。
「私たちの目標はtrophy hunting(トロフィーハンティング(注2))とキャンド・ハンティングを禁止させることです。具体的には、ライオンが絶滅危惧種リストに載っていることを理解させること、中国へのライオンの骨の輸出を阻止すること、ライオンの身体部位(頭・毛皮など)を記念品としてUSAやEU諸国に輸入させないこと、です」と、このデモの発起人であるChristine Jordaan氏は言う。
アフリカの野生ライオン個体数は急激に減少している。
現時点では、南アフリカで殺されているライオンの数はサイの数よりも多い。
このペースで行くと、我々のライオンは今後20年間で絶滅してしまうことになる。
大司教Tutuと彼の娘のReverend Mpho Tutuが、世界中での祈りを導き、世界のライオンの窮状を救う祈りとともに、ライオンのためのグローバルマーチの口火を切るだろう。
特に南アフリカの、深刻な絶滅の危機に晒されたホワイトライオンの窮状を訴える。
ライオンたちは自然の生息地においてこそ生存する権利を持つのだ。
この祈りは事前に録音され、デモが開催される全ての都市で、デモ開始前にデジタル映像でスクリーンに映し出される。
カリフォルニアの大型ネコ科動物の保護区であるシャンバラ禁猟区の支援活動をしている女優のTippi Hedren氏も、グローバルマーチに参加する予定である。
世界40都市と連携した、大型ネコ科動物ブリーダーに抗議する、ロサンゼルスでの動物の権利擁護活動の一環としてである。
「真夏のアフリカから真冬の北半球まで、世界各地の人々に、南アフリカのライオンと世界中のライオンのために立ち上がり、彼らの救援に声をあげてもらいたいのです」とChristine氏は言う。
「私たちの支援者の多くは海外からで、抗議デモはこれまで次の各都市で計画されています。ロンドン、バーミンガム、エディンバラ、ブリュッセル、サンフランシスコ、ニューヨーク、ロサンゼルス、オースティン、フロリダ州タンパ、ブリティッシュコロンビア州バンクーバー、アデレード、パース、メルボルン、シドニー、テルアビブ、エルサレム、そしてモンバサ。さらに日々新しい都市が参加を表明しています」。
南アフリカの参加都市は、ダーバン、ヨハネスブルク、プレトリア(ツワネ市都市圏内)、ケープタウン、ホエドスプルート、グラハムスタウン、ポートエリザベス、イーストロンドンなどである。
抗議デモについてもっと知りたい方、参加の方法を知りたい方は、下記のウェブサイトまで。
http://www.globalmarch4lions.org
注1)キャンド・ハンティング:動物を柵内などの限られた土地に入れて、狩猟者が殺せる確率を高めて行うトロフィーハンティングのこと。
注2)トロフィーハンティング:個人の記念品(トロフィー)として剥製などを持ち帰る、合法的に趣味として行う野生動物の猟のこと。
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