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2014年8月 3日 (日)

マダガスカル大統領とワシントン条約事務局長、違法木材取引の急増阻止に国際的支援を要請

和訳協力:鳥取 薫子、校正協力:星子 啓子

2014年4月4日  CITES Press release

マダガスカル共和国のHery Marcial Rajaonarimanpiania大統領とConvention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(CITES、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」)のJohn E. Scanlon事務局長は、4月3日ブリュッセルで、マダガスカルの違法木材取引をくいとめるための緊急対策を協議するために会談した。

マダガスカルで違法に伐採されたシタン(紫檀)やpalisander(マダガスカル・ローズウッド)、コクタン(黒檀)が、様々なルートで、これまでにないレベルで国外に密輸されている。
最新の報告によると、コブラII作戦により、タンザニア連合共和国で110tのローズウッドの大規模な押収があったが、この作戦前に既に1,196本の材木がザンジバルから輸出されていた。
この事例などが、この違法取引がいかに大規模であるか示している。

会談の成果についてコメントの中で、Rajaonarimampiania大統領は次の通り宣言した。
「CITESの付属書IIにシタン、palisander、コクタンの掲載を求めるマダガスカルの提案は、第16回ワシントン条約締約国会議(COP16、バンコク、2013年3月)において全会一致で可決されました。我々は今、これらの種の違法取引を撲滅するために、すべてのCITES締約国、中でも特に経由国や消費国に、マダガスカルを救うための全面的な支援を求めます」。

「マダガスカルの森林は守られるべきであり、持続的に、責任を持ち、合法的に、使われるべきなのです。違法木材取引は阻止すべく、私はしっかりと、最大限の努力をします。経由国と消費国には十分な調査を要求し、それが適切な場合には不正取引に関与したものを起訴します。またすべてのCITES締約国に対し、違法に取引された木材を、盗まれた木材の正当な所有者であるマダガスカルへ返還するよう求めます。マダガスカル国民は、この自然の豊かさの恩恵を受けられるべきなのです。」と付け加えた。

Rajaonarimampiania大統領はすでに、違法伐採および違法取引に共同で対抗するため、首相からすべての地方当局に至る、マダガスカル国内のすべての関連当局を動員するための措置をとっており、必要なすべての法的措置を講じる構えだ。
しかし、5,000kmもある長い海岸線を管理するというマダガスカルが直面している課題も併せて認識しており、さらなる違法な輸出防止の強化のための国際的支援および協力を求めている。

これらの対策を歓迎し、Scanlon事務局長は次のように述べた。
「CITES締約国が付属書に種の掲載を決定する際には、輸出国、経由国、消費国を通して、法的に拘束力のある義務を定めます。現在マダガスカルから密輸される木材が急増しており、それはCITESにとっても非常に重大な懸念事項であります」。

また、「認可や許可証の有効性、および取引されている種につけられている種名は、細かい所まで徹底的に調べなければなりません。すべての関係国においては、マダガスカルからのCITESに掲載されている木材の積荷の合法性の確認を、用心深く行うことを決して怠ってはなりません」と付け加えた。

会議では、International Consortium on Combatting Wildlife Crime(ICCWC、野生生物犯罪と闘う国際コンソーシアム)に代わって、CITES事務局長が、ICCWCを通じてマダガスカルへの即時支援を申し出るとともに、適切な法執行活動のフォローアップを指導、促進させるため、INTERPOL(国際刑事警察機構)主導のWildlife Incident Support Team(WIST、 (仮)野生生物事件支援チーム)の迅速な配置を提言した。
加えてICCWCは、World Customs Organization(世界税関機構)を通して、マダガスカルからの違法木材の流出を阻止するための、国際協力および法執行の対応の連携を改善させる共同戦略に合意するため、輸出国、経由国、消費国の税関やそのほかの関係者の会議を開催している。
大統領は支援の申し出を歓迎し、ICCWCの協力者らはさらなる最善策を決定するため、ベルギーのブリュッセルにて、来週会談を行う予定だ。

大統領と事務局長は、マダガスカルに現存する木材の在庫を調査と目録作りをする重要性を認識しており、その点において、World Bank(世界銀行)の支援を受けてマダガスカルが行った現在の努力を評価している。

また、CITES事務局長はマダガスカルに対し、ITTO-CITESプログラム*での将来的な支援の可能性を含む、法的、科学的支援も申し出ている。
CITES事務局からの使命は、2014年5月下旬にマダガスカルを訪問し、すべての合意された行動の実施を支援することである。

CITES事務局長は最後に次のように述べた。
「天然資源の窃盗の増加により、マダガスカルの環境および経済が大規模かつ緊急な脅威にさらされているという事実に、世界の関心を集めるためには、緊急な対策をとることが必須です。これを阻止するには力を合わせるほかありません。CITESとICCWCは、天然資源の略奪を阻止するための、大統領からの国際支援要求にお応えします」。

Rajaonarimampiania大統領は、マダガスカルの森林を破壊し、経済および法の支配を弱体化させている違法な木材取引に対抗するため、マダガスカルを支援するCITES事務局とICCWCの強力な支援を歓迎した。

ワシントン条約 付属書IIにおけるシタン掲載の背景

第16回ワシントン条約締約国会議(COP16、バンコク、2013年)において、「丸太、製材品および薄板」に限定するという注釈つきで、マダガスカルのDalbergia(ツルサイカチ属)およびDiospyros(カキノキ属)個体群を、付属IIに含めることに同意が得られた。

同会議で締約国はまた、マダガスカルのコクタン(カキノキ属)とマダガスカルのシタン(ツルサイカチ属)に関する16.152決議および関連行動計画も採択した。
2013年3月にCITESで採択されたCITES行動計画の迅速な実施は、これらの貴重な木材の長期的保全と、持続的利用のために重要となるだろう。

2013年8月13日に、マダガスカルのCITES当局は、CITES事務局に対して、2014年2月13日までの6ヵ月間、マダガスカルのコクタン、シタンおよびpalisandersの木材の輸出停止の公表を求めた。
マダガスカルはその後、2014年4月14日までこの輸出停止期間を延長した。
輸出停止はこれら木材の在庫すべてに適用される。
CITES行動計画によれば、常任委員会が在庫監査の結果および、合法的に備蓄するか、輸出できるかといった、在庫の構成を決定するための用途計画を承認するまで、この輸出停止は継続されるべきだろう。

CITES事務局は、行動計画を含むCITESの持つ対策の十分な実行を通じて、マダガスカルの自然の遺産の保護を援助するために、締約国、協力者、献金してくれる見込みのある人々に働きかけている。

ICCWCのパートナーは、これらの森林犯罪との闘いに関与する国を援助するため、情報を交換と協力を行っている。
大量のシタンの丸太が、この数か月の間に北東マダガスカルの倉庫から消えたと認識されている。
小型ボートを使用して丸太を持ち出し、沖で待つ大型船へと積み替える手法が、密輸業者の疑わしい手口の一つであると考えられている。

Operation COBRA II(コブラII作戦)は、Lusaka Agreement Task Force(LATF、ルサカ協定タスクフォース)、中国、南アフリカ、アメリカ合衆国、Association of South East Asia Nations Wildlife Enforcement Network(ASEAN-WEN、アセアン野生生物法執行ネットワーク)、South Asia Wildlife Enforcement Network(SAWEN、南アジア野生生物法執行ネットワーク)によって組織され、ナイロビとバンコクにある国際調整チームにより運営されている。
コブラII作戦は、違法取引の対象となる主要な種に着目し、数多くの密輸業者を検挙し、チーター、ゾウ、サイ、センザンコウ、ヒョウ、シタン、ヘビ、トラ、カメ、そのほかを含む、多くの種の標本を押収している。

2007年には、ユネスコのWorld Heritage Committee(世界遺産委員会)が、アツィナナの熱帯雨林を世界遺産に登録した。
この地区に6つある国立公園のうち2つの国立公園で、ツルサイカチ属やカキノキ属の種の違法伐採が行われている。
世界遺産委員会は、法執行や環境が悪化した地域の復旧、備蓄の清算などの是正措置を講じることを推奨している。

*CITESリストに掲載されている熱帯木材種要件実施のためのプログラム

http://www.cites.org/eng/Madagascar-president-CITES-Secretary-General-call-for-international-support-to-halt-surge-in-illegal-timber-trade

 

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