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2014年8月31日 (日)

Born Free USAが委託した最新の報告書で、組織犯罪、政府の腐敗、および民兵によるゾウの密猟・象牙の不法取引のつながりが発覚

和訳協力:蔦村 的子、校正協力:岩崎 友理子

2014年4月21日 Born Free USA Immediate Release

「象牙の呪い:アフリカにおける密猟の軍事化およびプロフェッショナル化」は、テロリズム、武器、人身売買を可能にしている不法取引ネットワークと、象牙の商品化ネットワーク間の類似性を暴いている。

今日、Born Free USA(ボーンフリーUSA)とC4ADSは、「象牙の呪い:アフリカにおける密猟の軍事化およびプロフェッショナル化」を発表した。
これは、ゾウの密猟および象牙の不法取引に関する、現在までで最も衝撃的で正確、かつ徹底的な分析の一つである。
この報告書は、暴力的民兵、組織犯罪、政府の腐敗と、アジア向けの象牙の不法取引の間のつながりを調査している。
さらにこの報告書は、象牙移動システムに深く絡み合った、広く蔓延する多国籍の不法な関係者の存在を暴露している。
この報告書の全文は、www.bornfreeusa.org/ivoryscurse.で入手できる。

ボーンフリーUSAの最高経営責任者で、野生生物保全および動物福祉における世界的リーダーであるAdam Robert氏によれば、「象の密猟による危機は、歴史的レベルにまで達していて、恐ろしいことに、いくつかのゾウの個体群は、私が生きているうちに絶滅に直面します。ボーンフリーUSAは、アフリカを股にかける組織犯罪ネットワークと同様に、政情を不安定化させる、腐敗した個人個人が、人間の安全保障を危険に陥れ、屠殺した動物からとった象牙を取引しているかを、よりしっかりとした方法で理解しようと努めてきました。象牙の呪いは明らかに、防衛、軍事、国家の安全保障、そして外交政策の指導者が、大陸全域にわたるゾウの大殺戮をやめさせるため、役割を果たさなければならないことを示しています」とのことだ。

Robert氏はまたこう説明する。
「私たちの発見は、ほとんど刑罰を受けることなく国境を越えて動き回る密猟者が、無関心にゾウたちを屠殺し、 アフリカ大陸全域にわたる暴力活動に資金を供給するために象牙を利用している、ジンバブエ、モザンビーク、タンザニア、スーダン、そしてケニアに、明るい 光明をもたらしました。世界のリーダーたちが、人類の悲劇と密猟による危機が続いているのに、傍観しているはずはありません」。

C4ADSの上級アナリストでボーンフリーUSAの委託を受けた報告書の共同執筆者でもあるVarun Vira氏は語る。
「象 牙は、激しい人間活動の影響による、紛争、犯罪、そして腐敗問題です。象牙は、ちょうど中央アフリカにおけるblood diamond(紛争ダイヤモンド)かコルタンのように、何十年もの間の、紛争のもとでした。ただ、その同じレベルまで地球上の関心を集めることはありま せんでしたが」。

1頭のゾウからは、象牙20ポンド(約9.072kg)が取れ、その推定額は約3万ドル(約3,059,700円、2014年6月11日レート:1ドル101.99円、以下同じ)にのぼる。
2013年には、35,000頭から50,000頭が殺されてしまったかもしれないと、推定される。
この割合でいくと、象牙の不法取引は、年に10億ドル(約1019億9000万円)相当の価値を持つ可能性があり得るし、急上昇している象牙の小売価格とともに、おそらくさらに上昇するだろうと思われる。

「象牙の呪い」は、象牙取引に関する詳細な地域事例研究を提供しており、以下が含まれている。

・スーダンでは、ダルフール虐殺で共謀した、政府に緊密に結びついた民兵たちが、スーダンの北の国境から外側何百マイルものところでのゾウ密猟により、その活動資金を得ている。

・コンゴ民主共和国では、国家治安部隊が、本来なら自身が戦うはずの反乱軍に、象牙と交換に武器を供給し、支援することで、反乱軍を保護している。

・ジンバブエの政界のエリートは、国際的な承認がいる場所も含めて、密猟活動を隠すために現在利用されているか、あるいは今後すぐに利用されるかのどちらかである、野生生物の生息地を把握している。

・東アフリカでは、Al-Shabaab(アル・シャバブ、ソマリア南部を中心に活動するイスラーム勢力のこと)やソマリアの犯罪ネットワークが、地元の治安部隊から横流しされた武器を使って、密猟者により殺されたケニアのゾウから利益を得ている。

・モザンビークの組織犯罪は、サイの角のために、南アフリカ陸軍やよく訓練されたを受けたレンジャー部隊と戦うつもりで、軍事化され、強化された。

・ガボンおよびコンゴ共和国では、十分に規制されていない森林開発により、東アジアの移民労働者および東アジアの組織犯罪が、中央アフリカの最後のゾウたちと接触する事態となっている。

・タンザニアでは、政界エリートが、東アフリカで最大のゾウ個体群の産業規模での損失を援助してきた。

Vira氏は説明する。
「最 低限の生活の糧としてのゾウの密猟は、もはやほとんど存在しません。貧困化した地域の住民はトリガーを引くかもしれませんが、組織犯罪の原因となるだけ で、密猟の規模やほとんどすべての収益は組織犯罪によって制御されています。ゾウと地域コミュニティの両方を救うには、国境を越えた犯罪利益に狙いを定め るため、アフリカの奥地出て、国際的不法ネットワークの世界へと踏み込むことが求められます。象牙でいっぱいのコンテナの存在よりも、銃を肩に担いで、ゾ ウを殺そうとするアフリカの若者の数の方が、はるかに多いのです」。

Robert氏はこう結論づける。
「誰も が象牙を買うべきでないのはもちろんのこと、現場のレンジャーたちの備えを支援をしているボーンフリーUSAのような組織に財源を与え、政治的指導者たち にその腐敗を終わらせるための行動を起こすよう圧力をかけるべきなのです。象牙の供給網が組織として整ったまま残り、消費者があくなき需要を持ち続ける限 り、密猟者は市場に品を供給するため、その命懸けの不法取引に精を出すことでしょう」。

ボーンフリーUSAのチームは、20年以上の間、野生生物の取引に焦点を当ててきた。
そ して、1989年のConvention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora (CITES、「絶滅の恐れのある野生動植物の国際取引に関する条約、通称「ワシントン条約」)の附属書Iにアウリカゾウを載せるよう声高に提唱してき た。
従って、象牙の商業的国際取引は禁じられた。
組織は、地球規模の野生生物取引プログラムを継続しており、象牙、サイの角、トラの骨、ライオンの頭部のはく製、およびクマの胆嚢の取引を含む、絶滅危惧種を保護するためのキャンペーンの最前線に立っている。

訴訟、法制化、および一般教育を通じて、ボーンフリーUSAは、動物を見世物にすること、野生生物の「ペット」化、罠かけおよび毛皮、ならびに野生生物の破壊的な国際取引に反対する、極めて重大なキャンペーンを率いてきた。
ボーンフリーUSAは北アメリカに、「思いやりのある保護」のメッセージをもたらした。
このメッセージは、イギリスに本部のあるボーンフリー財団が掲げる構想である。
この財団は、「野生のエルザ(原題Bone Free)」という伝説的映画で主役をつとめたBill TraversとVirginia McKenna、加えて息子のWill Traversが1984年に設立したものだ。
ボーンフリーUSAの使命は、捕獲された野生動物の苦しみを終わらせること、脅かされている種および絶滅危惧種の保護、ならびに地球的な規模で「思いやりのある保護」を促進すること、である。
詳細は以下を参照のこと。
www.bornfreeusa.org
www.twitter.com/bornfreeusa
www.facebook.com/bornfreeusa

C4ADSは、世界中の紛争および安全保障問題の、データ駆動型分析と証拠に基づく報告にひたむきに取り組む、501条(c)項(3)号団体のNPOである。
C4ADSの取り組みは、非伝統的な捜査技法および発展段階にある分析技法を、強化するものだ。
この組織は、野外の現場での作業、地元の知識の入手、分析情報のための独自データの収集と、同様にデータの管理分析のための最先端技法の使用の価値を認識している。
その結果は、紛争の防止と緩和に対する、革新的分析による取り組みである。
詳細はwww.c4ads.orgを参照のこと。

http://www.bornfreeusa.org/press.php?p=4223&more=1

 

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