南アフリカ共和国のサイの大規模飼育場で35頭のサイが気腫疽の細菌が原因で死ぬ
和訳協力:三尾 美里、校正協力:久保 直子
2014年4月25日 African Conservation Foundation News
南アフリカ最大のサイ飼育場経営者であり、貿易促進を主唱するJohn Hume氏は、この2か月で大打撃を経験した。
自ら経営するElandslaagte飼育場のサイ1,000頭の間で気腫疽が発生し、35頭が死んだのだ。
Hume氏の代弁者であるTerry Bengis氏は、Klerksdorp(地名:クレルクスドルプ)のElandslaagte飼育場に近い牧場や飼育場の全動物に、この細菌(Clostridium novyi、ノーヴィ菌)に対する予防接種がすぐに必要であると語った。
North West Department of Economic Development and Conservation((仮)北西州経済開発・環境・自然保護部門)の広報担当のDumisa Seshabela氏は、その地域のほかの牧場や飼育場経営者に、Elandslaagte飼育場で気腫疽が発症したことに関する警告を発信したところだという。
Bengis氏によれば、この細菌には20~25の変異があるという。
Onderstepoort(地名:オンダースタプアルト)からの獣医師を含む科学者たちは、細菌の特定に成功し、現在この病気に対するワクチンの開発を試みている。
「我々は、これを先駆的な仕事と考えています」とBengis氏は語った。
死んだサイの死骸はすべて、病気のさらなる蔓延を防ぐために焼却された。
生態学者たちは、北西州での最近の大雨の後、動物たちが放牧されている草地で細菌が繁殖したと思われる、と述べた。
また、動物たちがおかれている不自然な飼育状況と、サイの数の多さ(1,000頭)が、発生を可能にした、と彼らは語った。
生態学者たちは、サイの飼育数が飼育場の収容量を超えていると考えている。
Bengis氏によると、病気の症状は、動物の鼻から粘液(鼻水)が流れ出ることから始まる。
4日後には、足で立つのが不安定になり、その後まもなく死ぬ。
Hume氏は現在、ワクチン接種が可能になりしだい、残りのサイに麻酔をかけ、予防接種をするつもりでいる。
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