中国で大がかりな密猟を阻止
吉林省で過去最大の密猟への法執行が行われた
WCSは中国当局の迅速な処置を歓迎する
WCSが密猟防止パトロールと技術共有を支援
翻訳協力:井村 春菜、校正協力:久保 直子
2013年12月18日 WCS Press Releases
Wildlife Conservation Society(WCS、野生生物保護協会)は、最近行われた吉林省でのかつてない大がかりな密猟者5名の逮捕について、当局に歓迎の意を表した。
逮捕はHunchun Municipal Forestry Bureau(HMFB、琿春市林業局)のForestry Police(森林警察)によって行われ、ジープ2台で、猟犬18頭を連れた密猟団が、トラの餌となる動物を含む20匹以上の動物を殺したことを認めたと語った。
逮捕に加え、ジープと猟犬が押収された。
HMFBは、2011年にWCSが設立したLaw Enforcement Cooperation Framework(LECF、(仮)法執行協力フレームワーク)に所属する組織ひとつである。
HMFBはWCSの援助を得て、去る1月から、SMART(Spatial Monitoring and Reporting Tool、(仮)空間監視記録装置)を利用したパトロールおよび、わなの撤去活動を行うのと同時に、Hunchun National Nature Reserve(HNR、琿春国立自然保護区)の外側の田園地帯に設置した自動撮影カメラも管理している。
この7月にHMFBは、密猟防止や野生生物保護を強化するため、特別にWildlife Conservation Section(野生生物保護部局)を設立した。
SMARTを使った今回の逮捕は、野生生物に関する法の執行を改善する間に、森林警備隊の任務範囲を広げ、保護区内およびその周辺での違法行為に対する彼らの仕事の効果を最大限に高めるために重要な、達すべき過程の一段階である。
2008年、琿春国立自然保護区は中国で最初にSMARTを導入した保護区だった。
それ以来、その実施は、Wangqing and Changbaishan Nature reserves(汪清および長白山自然保護区)にも広まり、琿春の森林警察にも採用されている。
これまでに収集した証拠と活動の経験が、この方法の有効性を証明している。
この方法をなおいっそう広めることによって、中国の保護地域内およびその周辺の自然保護を推進することができるだろう。
WCSは、U.S. Fish and Wildlife Service(米国魚類野生生物局)およびLiz Claiborne and Art Ortenberg Foundationの支援を受け、10年以上の間、中国北東部でAmur tiger(アムールトラ)およびAmur leopard(アムールヒョウ)の保護に取り組んできた。
2001年12月、我々は中国のHunchun Tiger Leopard Reserve((仮)琿春トラ・ヒョウ保護区)の設置を援助した。
それ以来、地方政府やほかの団体と共に、トラとその餌となる動物の密猟といった脅威に立ち向かうため、そして、この重要な景観にトラやヒョウが戻るようにするための環境改善を推進していくために、活動を続けている。
WCSのChina Program(中国プログラム)は、先ごろ、その活動がFord Green Motor Companyに認められ、2013 Ford Green Pioneer Awardを受賞した。
この夏、WCSの自動撮影カメラが琿春に生息するトラのメス成獣の存在を記録し、そしてつい先日、子連れのメスのトラの足跡が報告された。
これは中国北東部のトラ個体数が回復の兆しにあることを示す。
先月WCSは、吉林省汪清自然保護区の自動撮影カメラが、中国で絶滅の危険性が極めて高いこのネコ科動物の初めての繁殖記録となる、2匹の子ヒョウを連れたアムールヒョウのメスの映像を記録したことを確認した。
これらのカメラは、中国・ロシア間の国境のロシア側にある主要なアムールヒョウ個体群から約30km(18mile)離れた場所に設置されており、Forestry Bureau of Jilin Province(吉林省林業局)が実施している地域全体の自動撮影カメラプロジェクトの一環として設置されたものである。
http://www.wcs.org/press/press-releases/major-poaching-arrest-in-china.aspx
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