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2014年7月12日 (土)

ワシントン条約事務局とビジネスの専門家が野生生物取引追跡の新天地を開拓

ヨーロッパの実業家が消費者と自然をつなぐモバイルアプリを開発。
ニシキヘビのハンター、なめし革業者、高級ブランド、規制する側、そして消費者が価値やデータを共有できるようになるだろう。
(2013年11月26日、国連環境計画(UNEP)より初発表)

翻訳協力:村田 幸代、校正協力:石野 精吾

2013年11月27日 CITES Press Releases

あなたが持っているヘビ革の鞄はどこからきたものだろうか?
ヨーロッパの40人の起業家とビジネスコーチ(企業の経営コンサルタントと社員の能力開発に携わる人のこと)、野生生物の専門家が、丸5日間にも渡って協力しあい、野生生物製品の原産地を知りたい、という簡単な質問に答える新しいシステムを開発した。
このシステムを使えば、例えばヘビ革のコレクションから、貴重なヘビ革を使った贅沢品といったものまで、その元をたどることができる。
「ASKING(アスキング)」と名付けられたこの新しいスマートフォンアプリによって、食糧、医療、服飾に用いられている多くの種を持続可能な形で利用できるようになるだろう。

Creative Wallonia社の起業支援プログラムNEST'upは、UN Environment Programme(UNEP、国連環境計画)の管理下にあるConvention on International Trade in endangered species of wild fauna and flora(CITES、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」)事務局の職員たちに、無償で協力した。
ヘビの革の生産過程をたどり、それが合法的に生産されているかを確認し、ヘビの種が長期的に生き残ることを保証する、費用対効果の高い実践的な方法を見つけ出そうと、二つのチームは一つの目標に向かって団結した。

CITESののJohn E. Scanlon事務局長は、このイニシアティブの予備的な結果を分析してこう述べている。
「この事業は、CITES事務局スタッフの専門知識と民間セクターの実業家的なセンスを融合しようという、かなり特殊な共同事業です。今回見出だした極めて実用的な方法には興奮しました。この方法は非常に重要な野生生物を守ることと、現地の人々の仕事を支援することを同時に叶える可能性を持っています」。

両方の専門家グループが知恵を寄せ合った作業期間は短かったが密だった。
その期間にNEST'upのStartup Heroes(起業支援の専門家達)は、ヘビおよびヘビ革製品を遡って追跡し、それらの起源の合法性を確認することができるスマートフォンアプリを開発した。
ハンターが捕らえたヘビの写真を撮ると、そのヘビの追跡ナンバーが発行されるというものだ。
そして追跡ナンバーは中央のデータベースに自動的に登録される。

ハンターはスマートフォンから体重、体長、捕獲地、すでにデータベースに自動的に組み込まれているそのほかの関連データを入力する。
するとIDナンバーが発行され、ヘビの革にただそれを書くだけだ。
ハンターからなめし皮業者まで、取引に関わるすべての人がデータベースにアクセスできるため、関係者ならどの段階でもヘビ革の色、場所といった情報や、新しい写真などを足すことが可能だ。

NEST'upの担当取締役であるOlivier Verbeke氏は、「ロックンロール」と呼んでいるこの取り組みが大成功であることを証明できて、とても満足している。
試験結果に際してのコメントではこう述べていた。
「私たちはこれを1か月未満で完成させました。約束していた通りにできたことを誇りに思っています。私たちが採用している起業支援のための特殊な手法がうまく機能し、野生生物保護運動を支援したのです。開発者たちが、革新的な解決をもたらすことができると証明するために全精力を注ぎ、午前3時までコーディングする様子などの例を見て、感動しました。こういった開拓的な事業が今後も行われることを願っています。企業の支援・促進技術は必ず国際的組織や大企業の力にもなりますから」。

これまで以上に商品の履歴をしっかりと追跡することは、CITESの許認可システムの信頼性と正確性のレベルを上げ、そのことが、消費者が商品の合法性・違法性を判断する手助けとなる。
さらにこのアプリは、税関当局の業務も円滑化するだろう。
税関職員が、国境でより的確に積荷の合法性を確認し、また違法な業者を摘発する能力を高めることにつながる。
もっと重要なのは、強固なシステムは種の保存活動の役に立ち、地域社会の生計が守られ、法を遵守している企業が報われるということだ。

CITES事務局は、革新的技術や最先端技術を有効活用することで、様々な国がワシントン条約の約定の履行を支援するよう努めているが、今回の先進的な取り組みは、まさにCITES事務局のそのようなすべての努力に非常に合うものだ。
World Economic Forum(世界経済フォーラム)が刊行した最新の冊子――Global Agenda Council on Governance for Sustainability((仮)持続可能性のためのガバナンスについての世界的課題協議会) 'Green Light'――にも、今後発展が期待される解決策の企画がある。
(http://www.cites.org/eng/news/sundry/2013/20131104_wef_greenlight.php参照)

「企業とCITES事務局のこの先駆的な協力事業から、われわれが目標を達成するためには技術革新と新技術がいかに重要であるかがわかります。毎日70億人が野生生物を利用しています――大抵はそれと知らずに。我々の子供たちに最も貴重な野生生物からの恩恵を確保するためには、CITES事務局によるしっかりとした規制が不可欠なのです。今回の共同事業に感謝し、野生の動植物から作られる商品の消費パターンが、より持続可能な方向へ急速にシフトすることを確約する、さらなる前進に期待が持てました」と、Scanlon氏は締めくくった。

*NEST'upは、起業を支援するプログラムで、Global Accelerator Networkのメンバーである。
Fostering Ideas asbl社とCreative Wallonia社が共同で設立したもので、アメリカの企業支援組織TechStarsをモデルにしている。

http://www.cites.org/eng/news/pr/2013/20131127_python_app.php

 

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