チンパンジーの『メガ・カルチャー』コンゴ奥地の森で記録される
翻訳協力:山本 真麻、校正協力:榎本 まなみ
2014年2月7日 Yale360 digest
研究者たちが、コンゴ民主共和国にて、チンパンジーの巨大な群れ―数万頭にもおよぶチンパンジーからなる独自の文化や慣習を持つコミュニティ―を記録に収めたと英紙ガーディアンが報じている。
ほぼ手付かずの森に5万km2にわたって広がる「メガ・カルチャー」とは、Biological Conservation誌上の科学者らの発表によるところでは、アフリカ大陸で最大のチンパンジーの群れであり、絶滅を免れている野生のチンパンジーの最後の群れのひとつでもあると言われている。
研究者たちが初めてこの群れについて報告したのは2007年のことだが、今回の報告書には、群れの繁栄とこの群れに独特な慣習について詳細を録画した映像も付けられている。
独特な習慣として、ヒョウを捕食する様子、道具を使用して巨大なアフリカのカタツムリ類や昆虫の群れを獲る様子、ほかのチンパンジーよりもかなり高い頻度で地上に寝床を作る様子などが収められている。
チンパンジー保全の観点からすると喜ばしい発見である一方、研究者や野生生物保護団体は、生息地の消失や、ブッシュミート(野生動物の肉)売買で多大な利益を得ている密猟者によって、群れで大量死がおこる可能性を恐れている。
チンパンジーはコンゴ民主共和国の法によって守られてはいるものの、この群れの生息する区域は情勢が不安定なことで知られており、軍や政府役人には賄賂が横行している。
http://e360.yale.edu/digest/chimpanzee_mega-culture_documented_in_remote_forest_in_congo/4070/
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