ヨーロッパの大型肉食動物:驚くべきサクセスストーリー
翻訳協力:北澗 由香、校正協力:島田 貴子
2014年1月28日 IUCN Red List News Releases
IUCN(国際自然保護連合)欧州版ニュースレター最新号の特集は、ヨーロッパの大型肉食動物である。
彼らが直面する脅威や、大型肉食動物の保全活動の成功事例が示されている。
ヨーロッパには、5種類の大型肉食動物が生息している。
Wolf(Canis lupus、タイリクオオカミ)、Eurasian Lynx(Lynx lynx、ヨーロッパオオヤマネコ)、Iberian Lynx(Lynx pardinus、スペインオオヤマネコ)、Brown Bear(Ursus arctos、ヒグマ)、Wolverine(Gulo gulo、クズリ)である。
過去何世紀にもわたって、これらの動物は人間にひどく苦しめられてきた。
理由はさまざまだが、結果として、20世紀半ばにはその分布と個体数密度は史上最低水準まで落ち込んでしまった。
しかしそれ以降、これらの種はヨーロッパ各地で劇的な復活を遂げてきた。
「大型肉食動物は魅力的な動物ですが、人間との共存関係は常に複雑でした。私たちは、IUCN's Large Carnivores Initiative for Europe((仮)IUCNの欧州大型肉食動物イニシアティブ)とともにプロジェクトを実施しています。実践的な方策を見いだすことで、ヨーロッパに生息する主な大型肉食動物種にとって望ましい保全状態を確保するのに役立てたり、動物と人間との利害関係を改善することで共存を可能にしたりするためにプロジェクトを進めています」と、IUCNのEuropean Union Representative Office(ヨーロッパオフィス)ディレクターのLuc Bas氏は、欧州版ニュースレターの社説の中で述べている。
今号のニュースレター記事の一部を紹介する。
‐ヨーロッパの大型肉食動物が向き合う脅威
‐EUのPotocnik委員インタビュー:大型肉食動物に注目
‐タイリクオオカミが意外な場所に戻ってきた
‐バルカン半島諸国で最も絶滅が危ぶまれるヨーロッパオオヤマネコ亜種の保護
ヨーロッパでIUCNが取り組んでいる大型肉食動物の保全活動やそのほかの関連する活動について詳細を知りたい方は、欧州版ニュースレター2014年1月号(英語のサイト)へのリンクをクリックしてください。
http://www.iucnredlist.org/news/european-large-carnivores-a-surprising-success-story
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