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2014年4月29日 (火)

押収した象牙の破壊イベントでのワシントン条約事務局長のスピーチ

2014年1月6日 中国東莞市

翻訳協力:植林 秀美、校正協力:松永 幸

Administrator Zhao Shucong, State Forestry Administration(国家林業局長)
Vice Administrator Lu Bin, General Administration of Customs(海関総署副署長)
Vice Governor Deng Haiguang, Guangdong Province(広東省副省長)
Vice Administrator Zhang Jianlong, State Forestry Administration(国家林業局副局長)
Ambassador Michael Kinyanjui, Kenyan Embassy in Beijing and members of the Diplomatic corps(在北京ケニア大使館大使、外交団メンバー)
Mr Brian Arroyo, Assistant Director for International Affairs, US Fish & Wildlife Service
(アメリカ合衆国魚類野生生物局国際業務担当副代表)

本日ここにお集まりの皆様。
まず、私を広州へご招待くださった中国政府にお礼申し上げます。
今日は、皆様に簡単ではありますが、幾つかお話しさせていただきたいと思います。

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野生生物犯罪の撲滅については、かなりの尽力が注がれている一方で、今なお世界中で問題となっています。

発達した犯罪ネットワークを通して発生する特定の野生生物犯罪の中には、組織的犯罪集団や、時には反抗的民兵が、今まで以上に関与している強力な証拠が見られます。
これにより、この非常に破壊的な犯罪行為、特にアフリカゾウに関わるような犯罪に立ち向かう傾向が変わりました。

CITES(Conference of the Parties to the Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、通称ワシントン条約)のプログラムであるMonitoring the Illegal Killing of Elephants(MIKE:ゾウ密猟監視システム)が発表した最新の数値によると、アフリカゾウの密猟と象牙の密輸の状況は依然として危機的状況にあり、2012年に違法に殺されたゾウは2万2千頭と推定されています。

MIKEによるこれらの最新データと、アフリカ27か国に渡る42カ所のMIKEが稼働している地域で収集したデータから、アフリカにおける現在のゾウの密猟件数は、変わらず非常に高すぎるレベルであり、もし現状の捕殺ペースが続けば、やがて地域絶滅に至る可能性があります。
この状況は中央アフリカでは特に深刻で、密猟件数の推定は大陸全体の平均の2倍にのぼります。

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2013年3月にバンコクで開催された第16回ワシントン条約締約国会議(CITES CoP16)では、特にアフリカゾウに関して、密猟と密輸を通して、野生生物および人間とその暮らしにもたらされる脅威に対処する、これまでにないレベルでの国際的な協力体制を確認しました。

その会議において、CITESの締約国は皆、アフリカゾウの権益について協力する用意があると表明しました。
締約国は、危険な傾向にある密猟や密売を止める、決定的な措置を実施する必要性に満場一致で賛同しました。
各国とも、密猟の発生地であるアフリカの国から経由国、最終的な消費地および市場である国までの、違法象牙取引ネットワーク地帯全体で、また需要側と供給側の両方に取り組むための、標的を絞り、期間を定めた措置の必要性を認識しました。

CITESの常設委員会は、密猟の発生地域、経由国、消費国になっている違法象牙取引地帯の一部である、アフリカ、アジアの中国などのような主要8か国から、これら8か国が、象牙の違法取引と戦うため取り組む、詳細な緊急対策を含めた、国家的な象牙に関する行動計画を作成することに同意を得ることで、CITES締約国が行う集団的活動をさらに強化しました。

またさらに、CITES CoP16の事前と事後の両方で、しばしば高レベルな政治的公約がなされました。
これらは、野生生物犯罪、多くは違法な象牙取引に焦点をあてた犯罪に、一層効果的に取り組む活動を増やそうとするものでした。
これらには、リオデジャネイロ、ワシントンD.C.、ウィーン、マラケシュ、バリ、ニューヨーク、ハボローネ、パリで開催された会議での公約も含まれ、今年2月に、ロンドンで行われるハイレベル会合も期待されています。

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皆さん、中国は広大な国です。
膨大な人口を持ち、経済は強く、現在も発展を続け、複数の国と国境を接し、国際貿易も大規模に行われています。

中国には世界最大のCITES管理当局があり、2011年には、国内全地域での法執行の共同体制を支援する目的で、National Interagency CITES Enforcement Collaborative Group((仮)ワシントン条約中国政府内法執行調整グループ)が設立されました。
このグループは、2012年初めに、全国規模の野生動物に関する法執行を2件成功させ、大規模な差し押さえと逮捕に至ったことで、同年に事務局長からの表彰を受けました。

少し前の2013年7月に、私は吉林省で行われたNational CITES Retreat and Training((仮)全国ワシントン条約振り返りおよび訓練講習会)で、在中国管理局の21支局と面会する機会がありました。
このイベントは、特にアフリカゾウの象牙取引に関して、CITES CoP16の成果や、中国でCITESを施行するためにとられている措置の強化について議論するためのものでした。

中国は常設委員会と同意した通り、包括的な全国象牙行動計画の用意を整え、すでに遂行しています。
この計画は委員会と共有されており、委員会は今年7月に、この計画と他の7種の計画を議論することになっています。

中国は、コブラ作戦として知られる、初の大陸横断型の、野生生物に関する法執行活動を主導し、ほかのイニシアティブがある中で、米中戦略・経済対話を通して法の執行に関する提携的イニシアティブを承認しています。
直近では、中国(香港特別自治区)は押収した象牙とサイの角を、南アフリカに返還しました。
中国はまた、African Elephant Fund(アフリカゾウ基金)とMIKEに資金を提供し、密猟が発生しているアフリカの国々に現物支援を行いました。
こうした支援は、この先強化されると理解しています。

中国が実施している対策が、国内における法執行の一層の強化だけでなく、ゾウの密猟地域となっている国や、経由国やその他の消費国との協力を強化して、象牙やそのほかの野生生物の違法取引を阻止することも目指しているということを、大変嬉しく思っています。

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皆さん、今日、押収した6.2tの象牙を公開破壊をすることで、中国は主な違法象牙消費国として、国内外に、違法取引を許さない、という明確なメッセージを送っています。

今日のメッセージは、中国での押収件数、起訴件数、有罪判決件数が増加していることで、強化されています。
最近、私たちのホームページで取り上げた、違法象牙取引で有罪となった者に高額の罰金が課され、拘留判決が下されたこともその一例です。

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皆さん、昨年のCITES CoP16ですべての締約国により認知されたことは、今日さらに重要な問題になっています。
象の密猟と象牙の密輸における不安な動きを逆転させるためには、継続した集団的な活動を必要とします。

そして、CITES CoP16の終了からほんの10か月で、密猟地域、経由国、消費国で対策の強化が行われています。
例えばケニアでは、ケニヤッタ大統領が、野生生物犯罪に関わった者に、かなり厳しい罰則を課する新しい野生生物法を承認しました。
また、マレーシアでは野生生物・国立公園局で、法執行および起訴を行うために、新たに43のポジションを補充しました。

法執行活動はほかの消費国でも強化されています。
例を挙げると、米国ではオバマ大統領が発した野生生物の取引に取り組む2013年大統領令があります。
また欧州連合は、アフリカ大陸における反密猟活動を支援するために、MIKEを土台に確立する新しいプログラム、Minimizing Illegal Killing of Endangered Species((仮)絶滅危惧種の密猟最小化プログラム、またはMIKES)への資金提供を発表しました。

幾つもの国が、International Consortium on Combatting Wildlife Crime(ICCWC:野生生物犯罪と闘う国際コンソーシアム)に資金を提供しており、国や地域で行う法執行の活動を支援しています。
これは、アフリカやアジアの全域で法執行する担当官の技術を強化して、革新的かつ専門的な捜査技術の使用を通して、国を超えて組織化した野生生物犯罪に、より効果的に立ち向かうための資金を含みます。

この集団的な活動の強化が明確に意味することは、国際レベルであっても国家レベルであっても、各国で違法象牙取引は重大犯罪だという認識が一層高まっているということです。
今では益々多くの国で、違法象牙取引が露見し、起訴され、有罪判決を受けるのリスクが格段に高くなっており、罰金、拘禁刑、財産の没収といった、罰金を含むより厳格な罰則が課されています。

このような取り組みの強化や集団的活動の継続を通してこそ、アフリカゾウの密猟や密輸の、憂慮すべき現在の流れを反転させ、ほかの野生生物犯罪により効果的に取り組むことができるのです。

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皆さん、新年にあたり、今日東莞(とうかん)で、押収した象牙の公開破壊を行うことで、根底にあるメッセージが、この非常に破壊的で違法な活動に関与するいかなる人々にも、十分大きく明瞭に届くことを希望します。

象牙の違法取引は、アフリカゾウに破壊的な影響を及ぼし、また人間とその生活にも脅威をもたらします。何としても止めなければなりません。

中国、そして国際社会は、この違法取引を断固として終結させます。

ご存じのように、違法に象牙を取引した場合、逮捕、起訴され、厳罰に処せられるリスクがこれまでより高くなっています。
象牙の違法取引への『投資』の見返りとして得るのは、懲役、重い罰金、資産の押収ということになります。

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最後に、本日のこの重要なイベントにつきまして、中国政府にお礼申し上げます。
野生生物取引が、特にアフリカゾウにどのような影響を及ぼすかということについて、社会の意識を高めるのに役立ちました。

http://www.cites.org/eng/news/sg/2014/20140106_china_ivory_crush.php

 

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