セルース生態系の野性動物とゾウの2013年の個体数調査を開始
翻訳協力:星野 友子、校正協力:豊田 実紗
2013年10月2日 Frankfurt Zoological Society News
タンザニア連合共和国のMINISTRY OF NATURAL RESOURCES AND TOURISM(天然資源・観光省)およびWildlife Division(WD:野生生物局)、Tanzania National Parks Authority(TANAPA:タンザニア国立公園局)、Tanzania Wildlife & Research Institute(TAWIRI:タンザニア野生生物研究所)、Frankfurt Zoological Society(FZS:フランクフルト動物学協会)、およびGerman Development Cooperation(GIZ:ドイツ国際協力公社)による共同プレスリリース
タンザニアの天然資源・観光省主導のもと、地元および海外からの専門家が集結した。
10月4日に開始される、セルース生態系のゾウに関する調査を実行するためである。
この個体数調査は、タンザニアの資源保護と密猟防止の取り組みを全国的に強化する重要な一歩となる。
2013年10月2日、タンザニア
最近の調査結果から、セルース生態系をはじめとするさまざまな保護区で密猟の増加傾向が推測され、タンザニアの密猟の危機が非常に厳しい情況であることが明らかになった。
セルース鳥獣保護区はユネスコ世界遺産で、1982年以降世界でも有名な観光地であり、アフリカで最も重要なゾウ個体群の生息地の一つである。
また、最も密猟急増の打撃を受けている地域でもある。
この注視すべきニュースを背景に、タンザニアの天然資源観光省がこの問題に先手を打つ取り組みを始めている。
タンザニアでゾウの個体群が現在直面している脅威をより正確に知るために、国内外の専門家たちがセルース生態系のゾウの個体数調査を行う。
象牙を目的とする密猟がタンザニアの野性動物を脅かす代表的な要因の1つとなっているため、この生態系全体におけるゾウ個体群の分布と個体数を把握し、監視することが密猟防止の取り組みの最も重要な事項である。
写真提供と連絡先
Mr. Twaha Twaibu Publicity Officer
Wildlife Division (野性生物局)
+255 784 830 884
twaibu@yahoo.com
Mr. Honori Maliti
Head of Conservation & Monitoring Unit
TAWIRI(タンザニア野生生物研究所)
+255 788 384 678
hmaliti@hotmail.com
Mr. Pascal Shelutete
Public Relations Manager
TANAPA(タンザニア国立公園局)
+255 754 313 248
shelutete@yahoo.com
Mrs. Laura Borner
Africa Communications Manager
FZS(フランクフルト動物学協会)
+255 783 000 431
lauraborner@fzs.org
Mrs. Corinna Coupette
Natural Resources Mgmt Programme
GIZ(ドイツ国際協力公社)
+255 789 282 778
corinna.coupette@giz.de
高解像度の画像が必要な場合は、お申し出ください。
MNRTビルにて、2013年10月18日 午後4時から記者会見を開きます。
最新情報
TWITTER:twitterでの情報発信は、ハッシュタグ #ele2013 を使用します。
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www.facebook.com/fzs.tz および www.facebook.com/mnrt.go.tz
編集者向け情報
- 野性動物局
野性動物局は野性生物と湿地資源の保護、管理、発展、および貧困の解消につながるそれらの資源の持続的利用を実現するための活動を行っている。
- タンザニア国立公園局
タンザニア国立公園局は1959年に、タンザニアの国立公園指定地域の使用を管理、および規制するために設立された。
- タンザニア野生生物研究所
タンザニア野生生物研究所は天然資源・観光省のもとに置かれる半官半民の組織で、野生生物研究の指導と調整を担っている。
- フランクフルト動物学協会
フランクフルト動物学協会はドイツのフランクフルトを拠点とし、国際的に活動する自然保護組織。世界中の重要な生態系における自然の多様性の保護を目的としている。詳細はWEBサイトで:www.fzs.org
- ドイツ国際協力公社
ドイツ国際協力公社は支援組織で、実績豊富な国際開発協力の分野でドイツ政府を援助している。詳細は以下のWEBサイトで:www.giz.de
背景
個体数の航空調査
動物の個体数の航空調査は、ゾウをはじめとする大型動物の個体数を把握する最良の方法と位置づけられた。
そこで2013年10月4日から、セルース-ミクミ生態系で個体数の航空調査が実施される。この調査が、両方の生態系の維持管理を評価できる基本データを確立するだろう。
天然資源・観光省の指示に従い、タンザニアの野性動物調査はすべて、タンザニア野生生物研究所の監督のもとに実行される。
厳格なトレーニング計画を採用したタンザニア野生生物研究所は、この研究を厳しい国際基準のもとで実行するだろう。
調査員は全員、集中トレーニングと認証を受けることを求められる。
飛行機のパイロットも同様に、特別なトレーニングと監督を受けることになる。
セルース生態系
セルース生態系は豊富な野性動物で知られる。
特にゾウの生息地としては、アフリカで2番目に個体数が多い。
セルース生態系に含まれるセルース鳥獣保護区とミクミ国立公園は、野性動物を中心とする観光産業において、タンザニア経済を牽引する重要な役割を果たしている。
観光業はタンザニアに多くの外貨をもたらす主要な産業で、国全体で60万人以上に仕事を提供している。
そのため、セルース生態系を野性動物が支える観光産業の場として保護することは、経済的問題でもある。
協力体制
天然資源・観光省は国中の資源保護の強化に向けて躍進しつつある。
天然資源・観光省の指導のもと、あらゆる野性動物調査の実行を担うタンザニア野生生物研究所、ミクミ国立公園を管轄するタンザニア国立公園局、そしてセルース鳥獣保護区の担当当局である野性動物局は、協力体制をとってタンザニアの密猟の現状を監視および評価している。
セルースでの調査を指揮するため、フランクフルト動物学協会は、物流の組織化、地上支援、および個体調査用の飛行機1機の調達に関して援助を申し出た。
セルース生態系の個体数調査は、ドイツ国際協力公社によってドイツ政府の資金援助を受けた。
海外の専門家および機関は、それぞれの専門的技術でこの個体調査を支えている。
ケニヤのDepartment of Resource Surveys and Remote Sensing(DRSRS:資源調査リモートセンシング局)は、この個体調査に参加するため、調査のエキスパートを送ろうとしている。
同じくケニヤに拠点を置くSave the Elephants(ゾウ保護団体)は、地上での活動支援にその専門技術を提供する。
International Union for Conservation of Nature(IUCN:国際自然保護連合)は、地上での調査を支援するために、アフリカゾウ専門家グループのメンバーを現場に送る。
このような協力体制によって、ゾウの個体数の推定値はより精度の高いものになるだろう。
その結果、タンザニア当局がタンザニアの野性動物を保護し、最高水準の監視とパトロールを維持する際の戦略を最適なものにできるだろう。
この個体数調査は、タンザニア政府、野生生物局、その他の半官半民組織が、現在の密猟の脅威に立ち向かうという熱意と責任を表している。
http://www.zgf.de/?id=61&reportId=283&language=en
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