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2014年3月28日 (金)

マナティー過去最悪の記録更新

翻訳協力:二之方 わかさ、校正協力:花嶋 みのり

2013年10月31日 Save the Manatee Club Opinion-Editorial

執筆:Katie Tripp博士
Save the Manatee Club(セーブ・ザ・マナティー・クラブ)科学・保全ディレクター

フロリダマナティーにとって、2013年は記録的な年となっている。
残念ながら、記録を更新し続けているのは、沿岸地域で海岸に打ち上げられている死骸の数である。
マナティー生存にとって非常に困難を極めた年となったのは、2013年上半期のフロリダ南西部における「史上最悪の」赤潮現象と、同東海岸のIndian River Lagoon(インディアンリバー・ラグーン)で続く異常大量死のためである。

「個体数が多いから、死亡数も多い」と主張する人々は、そこまでだ。
我々が目の当たりにしている死亡数は、マナティーの個体数の規模とはまったく関係のないものである。
これらの死亡数は、個体数増加に伴う自然制御ではない。
人間の生活水路に問題があることを示す、大きな、そして明確な警鐘なのである。

2010年は、重大かつ恐ろしく、悲しいことに、マナティーの死亡統計が766頭となった年であった。
それまでの年間記録よりも死亡数が数百頭以上多く、その大半は、長引いた寒波の影響を受けたためで、稀有な現象、つまり異常現象だと考えられた。
今再び、3年も経たないうちに、2010年の記録をたった10カ月で更新してしまったのである。
2013年12月31日の時点で、829頭のフロリダマナティーが死亡していた。
そのうち123頭が死産、赤ちゃんマナティー、もしくは体長5フィート未満の子どものマナティーであり、これも新たな記録となった。
またそのうち49頭は、多種の藻類の異常発生と、2010年以来の47,000エーカーにおよぶ海草の喪失に関連して起きた、異常な大量死の中心地であるブレバード郡で見つかった。

インディアンリバー・ラグーンでの人間の暴挙が、2010年から次々に発生している悲惨な出来事に影響を与えていることに、ほとんど疑いの余地はない。
南西海岸において、赤潮のピーク期間中、マナティーの死亡は急速であったため、科学者たちはマナティーの死体を埋葬する前に、すべてのマナティーの検死解剖を実施する時間や資金がなかった。
赤潮は、人間が沿岸の栄養素を流出させて、文字通り火に油を注いでいるもう一つの自然現象である。

もし、インディアンリバー・ラグーンの赤潮や藻類の異常発生の影響を見たり、実感したりしていないのであれば、この記事もあまり意味がないかもしれない。
我々人間は、自分自身を見つめないことに気づかないふりをするすぐれた能力を持っている。
自分たちが問題の一部であり、さらに重要なことには、自分たちが解決策に不可欠な一部であることを、我々すべてが、そして一人ひとりが認めない限り、残念ながら、警告を発する炭鉱のカナリア、すなわちマナティーとその危険にさらされた生息地に、希望はほとんどないのだ。

Tripp博士は、2008年5月から、セーブ・ザ・マナティー・クラブの科学・保全ディレクターを務めている。
博士はマナティーの生理学の研究を行ったフロリダ大学で、獣医学の博士号(Ph.D)を取得した。

http://www.savethemanatee.org/news_oped_mortality_record_10-13.html

 

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