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2014年3月18日 (火)

ブラジルでクチジロペッカリーの通り道から考古学的発見

WCSの研究者が4千~1万年前の洞窟画を発見

翻訳協力:桂 康子、校正協力:佐々木 美穂子

2013年11月7日 WCS Press Releases

ブ ラジルのパンタナール湿原とセラード高原の生物群系をつなぐ森林で、Wildlife Conservation Society(WCS、野生生物保護協会)と現地協力NGOのInstituto Quinta do Solの研究者チームが、white-lipped peccaries(クチジロペッカリー)の追跡および環境データの収集をしていた際に、数千年前の狩猟採集社会の人々が描いた古代の洞窟画を発見した。

その洞窟画は、考古学者Rodrigo Luis Simas de Aguiar氏とKeny Marques Lima氏が、雑誌Revista Clio Arqueologicaで最近発表した調査研究の主題となっている(*下記のリンク参照)。
著者らによると、洞窟画の表現の多様性は、パンタナールとの境界部分のセラード高原地帯から出た岩の芸術に関する我々の知識を、大幅に増やすものである。

「我々は、WCSの仕事としては、重要な野生生物種とそれらの生息地を保護するのに役立つ、持続可能な土地利用の促進に専念しています」と、WCSのブラジルプログラムの研究者のAlexine Keuroghlian博士はいう。
「よく僻地で活動するので、時々驚くような発見をすることがあります。今回の発見は、この地域での文化史を理解する上で重要なものだと思います」。

その発見は、2009年のブラジルのセラード高原でのことであり、この時、Keuroghlian氏とそのチームは、クチジロペッカリーの調査をしていた。
クチジロペッカリーとは、ブタに似た群れをなす動物で、長距離の移動をし、健全な森林の環境的指標である。
ペッカリーは森林伐採や狩猟といった人間の活動に脆弱で、メキシコ南部からアルゼンチン北部の従来の広い生息地域から姿を消しつつある。
同チームは無線機つき首輪をつけたクチジロペッカリーからの信号とペッカリーの群れのエサ探しの道を辿っていくうちに、突出した砂岩層の連なりに行き当たり、そこにある洞窟で動物や幾何学的な形の壁画を複数発見した。

Keuroghlian博士は洞窟画のこの地域での専門家であるAguiar氏に連絡を取った。
Aguiar氏は、それらの洞窟画は4千~1万年前に洞窟に住んでいた、あるいは、特に芸術活動のために使用した、狩猟採集社会の人々によって描かれたものであると断定した。
Aguiar 氏の述べるところでは、壁画のいくつかの様式は、考古学者がプラナルト(ブラジル中央高原)伝統と呼ぶものと同様であり、驚くべきことに、とりわけノルデ ステ(ブラジル北東部)あるいはアグレステ(ブラジル北東部の森林から乾燥地への変わり目)様式の壁画にはもっとよく似ているというのだ。
洞窟画には、アルマジロ、シカ、大きなネコ、鳥、爬虫類などの動物の集まり、また、人間のような姿や幾何学的な記号が描かれている。
意外なことに、この地域でのWCSの調査の対象であったペッカリーは描かれてはいない。
Aguiar氏は洞窟画を完全に解釈するために、洞窟の床の発掘と地質学的年代決定を行うことを望んでいる。

「洞窟画の発見は、セラードとパンタナールの生態系の保全が、文化遺産と自然遺産両方のために重要であることを、強く主張するものです」と、WCSのラテンアメリカ・カリブ海プログラムの責任者であり、マヤ考古学の専門家であるJulie Kunen博士は述べる。
「我々の願いは、地域の土地所有者達と協力して、これらの洞窟画の遺跡とその周辺の森林を保護することです。そして文化遺産と洞窟画に描かれている野生生物を、未来の世代に渡って守ることです」。

*研究報告はこちら(スペイン語のページが別ウィンドウで開きます)

http://www.wcs.org/press/press-releases/cave-drawings-discovery.aspx

 

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