世界的な保護種の新しいデータベース、Species+が利用可能に
翻訳協力:椿 範子、校正協力:加藤 慶子
2013年11月13日 CITES News
Species+は、世界的に保護されている種に関して包括的な情報を提供する新しいオンラインリソースである。
このリソースには、Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora(CITES、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」)およびConvention on the Conservation of Migratory Species of Wild Animals(CMS、「移動性野生動物の種の保全に関する条約」、通称「ボン条約」)が対象とするすべての種、ならびにEU Wildlife Trade Regulations(欧州連合野生生物取引規則)が適用される種が含まれる。
Species+へは、www.speciesplus.net(英語のページへリンクします)からアクセスすることができる。
Species+とは?
Species+は、multilateral environmental agreements(MEAs、多国間環境協定)に掲載される種とその分類、分布、一般名、およびその種に影響を与える取引の制限に関する最新のリストを提供するウェブサイトである。
これにより初めて、CITESおよびCMS関係者、取引業者、学術機関、そして一般市民が、多国間環境協定に係る生物種リストの加工やダウンロードをできるようになる。
例えば、どの種のサメがCITES附属書のリストに登録され、CMSによる保護種とどのような相違があるかを特定することも可能である。
各国政府は、国内に生育・生息している種で、これらの条約が対象としているものを速やかに把握することができ、またCITESの当局者は、同条約に基づく取引の一時停止や輸出割当量に関する最新の情報を、単一のウェブサイトからダウンロードすることができる。
Species+は追加機能の提供と同時に、UNEP-WCMC Species Database (国連環境計画・世界自然保全モニタリングセンターの種に関するデータベース)、CITES Species Database (CITESの種に関するデータベース)、およびEU Wildlife Trade Regulations Database(欧州連合野生生物取引規則のデータベース)の三つのデータベースの情報も引き継ぐ。
これらのサイトにアクセスすると、自動的にSpecies+へアクセスされ、種に関する最新の情報が得られるようになる。
CMS対象種の新しいデータベースについても、今後リリースされるSpecies+のウェブページで統合される予定である。
Species+を利用することで、政府当局による取引許可の発行や移動性の種の管理に必要な情報へのアクセスが容易になる。
これにより、一層適切な種の管理と、CITES対象種の取引に係る合法性、トレーサビリティ、持続可能性を保証するための活動の支援が可能となる。
Species+に関する今後の開発予定
2014年および2015年には、さらなるシステムの強化が予定されている。
今後の開発では、CITES取引データの取り込み、CITESの関係者が種に関する情報を「引き出す」ことが可能となるコンピューター間接続の提供、ならびにほかのデータソースやマッピングツールへの接続を目指している。
協賛および出資
Species+は、CITES事務局との共同プロジェクトにおいて、同事務局、EUならびにCMS事務局へのサービス提供を目的として、UNEP World Conservation Monitoring Centre(UNEP-WCMC)により開発された。
当該プロジェクトはCITES事務局、EU、UNEPおよびWCMCの出資によるものである。
データ提供各者のこれまでの、そして将来にわたる支援なくして、このプロジェクトは成立し得ないであろう。
http://www.cites.org/eng/news/sundry/2013/20131113_species+.php
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