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2014年2月26日 (水)

ヨーロッパの生物多様性を脅かす野生生物の病気

翻訳協力:橋村 吾土子、校正協力:小林 玲子

2013年10月8日 IUCN Redlist News Release

野生生物の重い伝染病が増加しているが、その主な原因は、貿易のグローバル化により侵略的外来種などを含む病原菌の移動が増えたことにある。
こういった病気が流行すると、生物多様性は深刻に脅かされ、生態系の機能は低下してしまう。

BiodivERsAの出資によるRACE project((仮)ヨーロッパの両生類生物多様性に対するツボカビのリスク評価プロジェクト)が行なった病原菌Batrachochytrium dendrobatidis(カエルツボカビ)に関する調査は、ヨーロッパにおいてこのカビがどれだけ脅威となっているかを明らかにした。
このカビは世界中で両生類の減少や絶滅を引き起こしてきた。
研究の結果から、カエルツボカビ菌がヨーロッパの多種の両生類の減少に関係していることがわかる。
広範囲にわたって大量死を被っている種もあり、その結果、これらの種の自然個体群の著しい減少を招くことにもなる。
こういった例証は、スペインとポルトガルの本土(Common Midwife Toads(サンバガエル)とFire Salamanders(ファイアサラマンダー))や、マジョルカ島(Mallorcan Midwife Toad(マジョルカサンバガエル)など)、サルデーニャ島(Tyrrhenian Painted Frog(ヌマガエル科イロワケガエル属の一種)などで確認されている。
研究によると、現在カエルツボカビはEU17か国以上に存在し、仏領ギアナなどの海外領でも認められている。

両生類が主として貿易目的で大陸間を移動することが、世界中にカエルツボカビが広がった主な原因だ。
世界規模の両生類取引によって、年間何百万ものカエルが食用やペット、生物医学研究など様々な目的で移動している。
さらに詳しい情報を知りたい場合は、BiodivERsAのPolicy Brief(政策提言)で見ることができる。

RACEプロジェクトによって明らかにされた危機的なデータからもわかるとおり、2020年までに生物多様性の喪失を阻止するためには、EU Biodiversity Strategy(EUにおける生物多様性戦略)が呼びかけているように、様々な種に影響を及ぼす野生生物の病気の広がりを抑えるための活動が必要だ。

EUのいくつかの政策(野生生物取引、侵入種、動物の健康などについて)や政策同士のよりよい協調によって、この問題への取り組みが助長され、2020年の目標達成が促進される可能性がある。
例えば、EU Wildlife Trade Regulations(EU生生物取引規則)は、貿易によって保全状況が脅かされそうな種や、持ち込まれたらヨーロッパの在来種に対して生態学的脅威を引き起こす可能性のある種をリストにしているが、病気を運ぶ種は、この規則の対象種として追加すべきかを評価するために、もっと詳しく研究する必要がある。
さらに、やがて始まるEU Regulation on Invasive Alien Species((仮)EU侵略的外来種規則)は、野生生物取引に関する規則などの現行の方策と足並みをそろえなければならない。
またそのほかの手段として、野生生物の病気はEU Habitats Directive(EU生息地指令)のもとで種の保全状況をレポートする際にもっとよく反映されるべきだ。
EU生息地指令では保全策が必要な種をリストにしている。

注:ヨーロッパの生物多様性の保全と持続可能な管理に関する研究を推進するための国際的な助成組織のこと

http://www.iucnredlist.org/news/wildlife-diseases-threaten-europes-biodiversity

 

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