新しいCITES掲載種チェックリストがオンラインで利用可能に
CITES(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」)に登録されている35,000以上の種の把握が、オンラインデータベース型のCITES掲載種チェックリストの開発により簡単にできるようになった。
翻訳協力:野田 千鶴、校正協力:椿 範子
2013年10月30日 CITES News
この最新の電子リソースを利用すると、ユーザーは直感的なインターフェースによって学名や一般名だけではなくCITESの附属書や国、地域、およびそれらの組み合わせによる照会をすることができる。
シノニム注)や著者名などの基準を選択すれば、結果表示の精度をさらに高めることも可能だ。
このようにしてユーザーは目的に合ったCITES掲載種の目録を作ることができる。
例えば、特定の国に生息しているすべてのCITES掲載種のリストを作成する、という具合である。
リストにした掲載種の履歴はそれぞれの分類群ごとに画面に表示され、あらゆる分類群を網羅した1つの書類として出力することができる。
Checklist of CITES species(CITES掲載種チェックリスト)のデータは、異なる情報システム間でのデータ変換に対応するためいろいろな形式でダウンロードすることができる。
この新しい形式のおかげでCITESの関係当局は、例えば、附属書Ⅲへの修正が締約国会議で行われる際に、自国のチェックリストを簡単に、かつ必要に応じて更新することができるようになる。
条約締約国はCITES掲載種に関する情報を必要とする電子リソースの開発の際にもこのデータを使うことができる。
さらに、より従来的な形式での情報表示を好むユーザーのために、PDF形式のCITES掲載種目録の作成も可能にしている。
2016年の第17回締約国会議を前に、チェックリストの大幅な強化が計画されている。
この強化策の1つは、CITESの関係当局が掲載種の名前とそれらが記載されている附属書を引き出して、CITESの電子許可もしくは電子証明書に直接取り込めるようにすることである。
この機能は誤謬の軽減におおいに役立ち、取引の監視と追跡を簡単にすることにつながるであろう。
CITESのJhon E. Scanlon事務局長は、チェックリストの使用開始にあたり以下のようにコメントしている。
「このデータベース型の新しいCITES掲載種チェックリストにより、CITES条約締約国は合法的かつ継続的な野生生物の取引をより確実に行えるようになります。ほかの情報システムで利用される場合も、CITES掲載種を保護する方法についてより優れた洞察が得られ、かつその内容を持続的に利用するような新しいツールをつくりだすことができるでしょう」
このデータベース型チェックリストは、CITES掲載種データベースからの情報を使い、UNEP-WCMC(国連環境計画・世界自然保全モニタリングセンター)によってCITES用に開発された。
CITES事務局はチェックリストのデータを利用する別の最先端情報ツールについてもUNEP-WCMCと協力して活動している。
注:学名の別名のこと
http://www.CITES.org/eng/news/sundry/2013/20131030_checklist.php
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