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2013年12月20日 (金)

人間による影響がアルゼンチンの森林に変化をもたらす――寄生虫には恩恵、野鳥には試練

Wildlife Conservation Society(野生生物保護協会、WCS)の研究がヒツジバエ科のハエによる感染病の主要要因を明示する。
降水量の増加および森林破壊が成長過程にあるひな鳥の寄生虫感染増加を導く

翻訳協力:菊地 清香、校正協力:久保 直子

2013年7月15日 WCS Press Releases

WCSおよびアルゼンチンのUNL-CONICET(リトラル国立大学-科学技術研究委員会)が管轄するInstituto de Ciencias Veterinarias del Litoral(ICIVET LITORAL、(仮)リトラル獣医学機構)のDisease Ecology Laboratory((仮)疾患生態学研究所)による新たな報告は、アルゼンチンの森林における降水量増加および植生構造の変化―この地域での気候変動と森林破壊に起因する―が、ヒツジバエ科の一種であるPhilornis torquansの幼虫による巣の中にいる若鳥の寄生虫感染の増加を導いていることを示した。

アメリカ大陸全体の温帯そして熱帯の地域では、野生のひな鳥が寄生バエの標的である。寄生バエの幼虫は餌をもらうひな鳥たちの皮膚の下に潜り込み、皮下ハエウジ症として知られる疾患を引き起こす。
この研究では、科学者たちがこれら寄生虫の個体数状況を調査し、降水量や植生構造のわずかな変化、巣の密集が重なると、ひな鳥一羽あたりの寄生虫の数が大幅に増加することを発見した。

『森林の鳥類スズメ目における寄生バエ感染症の多層的決定要素』の記事が、オンライン学術雑誌PLoS ONE(http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0067104)の最新版に掲載された。
執筆者は、WCSのGlobal Health Program((仮)全世界保健プログラム)および(仮)疾患生態学研究所所長のPablo Beldomenico、そしてDario Ezequiel Manzoli、Leandro Raul Antoniazzi、Maria Jose Saravia、Leonardo Silvestri、David Rorhmannは、ICIVET LITORAL, UNL-CONICET所属である。

野鳥のハエウジ症について疫学調査が行われた6年の間、繰り返し観察した4,000羽以上のひな鳥が記録された。
Philornis torquansの幼虫は調査した鳥57種のうち22種に寄生し、最も高い罹患率がgreat kiskadee(キバラオオタンチョウ、41.2%)、greater thornbird(オオアレチカマドドリ、12.6%)、そしてLittle Thornbird(10.6%)で確認された。

寄生虫の個体数の変動要因について、多様な観点(まだ巣立たないひな鳥たちの各個体、同じ母鳥から生まれ同時期にかえったひな鳥たち、特定の週齢の群れ、および特定の年齢の群れ)から考察したうえで、研究者たちは下記の結論を出した。

・まだ巣立たないひな鳥の各個体の分析結果は、感染が宿主の種および日齢で決まることを示した。研究者たちは、寄生バエの成虫は宿主としてキバラオオタイランチョウを好んで狙ったが、キバラオオタイランチョウに会えなかった時は、他種にも順応したことを発見した。平均幼虫個体数はひな鳥一羽あたりの幼虫の数で明示され、最高数になるひな鳥の日齢は宿主の種によって異なっている。
・微小生息域の観点で考えられる寄生虫個体数の変化の主な要因は、周囲の森林の高さの平均である。巣の高さでは違いはなかったが、森林の高さがわずかでも高いと平均幼虫個体数が大幅に減少する結果になった。なぜこのようになるかは不明だが、同じ樹種で高さの異なる森林の湿度と気温を測定する研究が予定されている。
・群れの観点において、気候変動すなわち降水量や気温は、明らかに幼虫数に関係していた。激しい雨の1か月後には、平均幼虫個体数がかなり増加した。総じて、雨の多い年は鳥たちにヒツジバエ科のハエの寄生数が多くなった。
・加えて、宿主の密集度も主要な要因であった。1haあたりのひな鳥の数が増えると、ひな鳥一羽あたりの幼虫の体内総数も増加した。

WCSおよび(仮)疾患生態学研究所が共同で行った先の研究では、寄生している幼虫が多いひな鳥ほど、成長率および死亡率に対する影響が大きくなることを指摘している。
例えば、幼虫10匹に寄生感染したひな鳥は、3日以内に死ぬ可能性が2倍となる。

調査はまた、森林の崩壊の結果、同じ母鳥から生まれ同時期にかえったひな鳥たちが過密状態になっている証拠を示した。
著者たちは、気候変動や森林破壊が続いたことから来る降水量や気温の上昇が、もっと深く関係している原因であると信じている。

「先行研究の内容とこれらの結果をあわせて分析すると、寄生虫にとっては理想的な、鳥たちにとってはひどく悪い状況になる見通しです」と、Pablo Beldomenico博士は語る。
「この地域の気候変動予測では、降雨量の増加および気温の上昇が懸念されます。鳥たちが巣を作る森林の生息地は不足し、そしてその結果、同じ母鳥から生まれ同時期にかえったひな鳥たちは過密状態になります。この起こり得る筋書は、寄生虫の増殖を促進し、そしてひな鳥たちがその犠牲に苦しむのです」。

「気候を変え、原生林の伐採や破壊を続るならば、それらの行動による影響が野生生物の健康に影響を及ぼすのを見続けることになります。いつかは、それらが私たち人類にも影響を及ぼすことになるでしょう」と、ICIVET LITORALの獣医師Dario Manzoli氏は語った。

研究者たちは、この寄生虫による病気の拡大の傾向を調査し、そして観察した結果に隠された構造を明らかにする新しい研究を計画している。
この研究によって得た知識は、寄生虫の適切な時期の予防処置や活動軽減の決定的な情報になるだろう。

この調査は、Morris Animal Foundation(モリス動物財団)とアルゼンチン科学技術研究委員会の多大なる支援により実現した。

http://www.wcs.org/press/press-releases/impacts-of-human-driven-change-on-argentine-forests.aspx

 

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