絶滅危惧種のドリルを守るための特別保護区を
翻訳協力:西口 玲、校正協力:金森 麻里子
2013年7月13日 ACF Wildlife News
サンディエゴ動物園のInstitute for Conservation Reserch((仮)保全研究施設)の研究者たちの新たな論文によれば、きわめて絶滅の危機に瀕する大型霊長類のドリル(Mandrillus Ieucophaeus、マンドリルの近縁種)の個体数が急激に減少し、僅かな生息地をカメルーンに残すばかりだと伝えている。
人間の間で起きた暴動によってドリルたちの生息地はかなり分断されたものの、ドリルたちはそれに立ち向かおうとしていると強調した。
それに加えて、生き残ったドリルたちが個体数を伸ばしつつある生息地を中心に、保護の努力をすべきだとも述べている。
サンディエゴ動物園(仮)保全研究施設の科学研究員であるBethan Morgan氏はこう語る。
「ドリルはアフリカで最も絶滅の危機にある霊長類の一つです。これはカメルーンの主だった生息地で、ドリルたちの保護状況を詳細に分析した初めての発表です。我々はドリルが長期的に生き残るために最も適した場所に着目する一方、この研究を通じて、ドリルの個体数が全体的に減少している点を警告したいと思います」。
International Journal of Primatology((仮)国際霊長類学雑誌)の最新号に掲載されたこの研究では、ドリルの生存個体数のじつに80%がカメルーンに集中している。
ドリルの個体数が計測された52か所の生息地のうち、4か所(エボ、エジャガム、コラップ、Nta Ali)でかろうじて、個体数の増加傾向が続いている。
「結果はかなり深刻ですが、エボ国立公園が注目された点は意義深いことです。エボ国立公園では長期的に、今も継続して、研究と保護計画が進められています。それによって、霊長類の保護が進み、ブッシュミート(野生生物を食べる習慣)が減少しつつあります」と、研究論文の共著者であり、サンディエゴ動物園のGlobal's Ebo Forest Research Project((仮)エボ森林包括研究プロジェクト)のマネージャーのEkwoge Abwe氏は述べている。
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