ボン条約事務局が国際コウモリ年キャンペーンの成果を発表
翻訳協力:福本 京子、校正協力:坂田 彩
2013年7月1日 CMS News
CMS(「移動性野生動物の種の保全に関する条約」、通称「ボン条約」)事務局は、「世界中のコウモリ」という、コウモリについての電子出版をリリースしたばかりだが、それは一般の人々にこの魅力的な動物について理解を深め、保護に関わってもらうためのものだ。
コウモリについての興味深い事実、種に関するプロフィールや脅威、世界中の組織が行う保護活動などに、今や専門家だけでなく興味を持っている一般人も同様にアクセスができる。
このことが、コウモリについて学んだり、保護したりするきっかけとなるだろう。
読者はこの魅力的な種について知るだけでなく、記事を読んだ後で、コウモリについての知識をテストするクイズもできるのだ!
加えて、「自分のコウモリ箱を作ろう」ゲームでは、読者にコウモリの巣を作るのに必要な手順を選ばせていく。
事務局は、コウモリの保護に関わることによって、多くの読者がこのゲームを現実のものとする動機になることを望んでいるのだ!
CMS事務局のリーダーシップの下で、国際コウモリ年キャンペーンは、特にヨーロッパ以外で新しい保護団体の設立を促し、コウモリ保護の必要性を認識させるために始まった。
キャンペーンを通して、学校、大学、博物館、保護団体や主導権のある人達は、コウモリの保護の状態を改善するために、事務局と共に活動を行った。
「世界中のコウモリ」は、コウモリに関する広範囲の事項について、さまざまな記事を集め、双方向的に編集した書籍のタイトルである。
それは、増え続ける多くのウェブサイトや組織をつなぎ、活動に関わるためのより多くの情報と情報と機会を提供する。
世界中のコウモリについて学ぶために、6つのカテゴリーを選択することができる。
世界地図にはクリックできるフラグが数多くあり、それは大陸をまたがって分布している。
コウモリのプロフィールには、分類群、保護活動、脅威、そしてその種がCMSおよびEUROBATS(欧州におけるコウモリの保全に関する協定)の別添書とIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに載っているかどうかといった総合的な情報が含まれている。
アフリカにおけるコウモリ肉目当ての狩猟から、ヨーロッパの風力タービンの問題まで、5大陸全ての脅威が取り上げられている。
コウモリを守るための激しい議論は、有益性の部門で目立っている。
彼らが提供する生態系サービスは、私達自身にとってもきわめて有益で、経済的な利益を得るためのものである。
「事実とおとぎ話(Facts versus Myths)」の章は、コウモリのことを悪くいうおとぎ話を一掃することを目的にしている。
なぜなら、コウモリを保護するために一番の障害となるのはそのイメージだからだ。
この章には、際立った生物的特徴や、狩りの習性があるコウモリについての興味深い情報が含まれている。
コウモリのコミュニケーション技術についての記述は、最近の研究結果に基づいている。
「保全活動(Conservation Action)」の章では、国家的、地域的、地方レベルの保護と革新的なプロジェクト、教育活動、コウモリ箱プロジェクト、電子ポータルで集めたデータなどが閲覧可能である。
「組織(Organizations)」のページでは、コウモリを保護するさまざまな団体と、その団体がコウモリ保護の何に特化しているかについての情報を見ることができる。
また、興味を持っている一般の人々の需要を満たし、彼らが長期にわたってコウモリの保護に関わるための情報を与えてくれる。
この出版物は、www.cms.int/bats-around-the-world. からアクセスできる。
選択したページの国連の公用言語への訳文は、数週間以内に閲覧可能になる。
この出版の製作は、スイス連邦環境局の豊富な支援によって実現可能となった。
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