メキシコ湾の象徴レッドスナッパーの復活-マグナソン・スティーブンス法による取り組み
翻訳協力:酒井 典子、校正協力:立石 ゆりか
2013年6月27日 Ocean Conservancy Press Release
House Natural Resource Committee(アメリカ合衆国下院天然資源委員会)が監督する『The Management of Red Snapper in the Gulf of Mexico under the Magnuson-Stevens Fishery Conservation and Management Act(マグナソン・スティーブンス漁業資源保存管理法(MSA)に基づくメキシコ湾のレッドスナッパーの管理)』に関する公聴会に応じ、Ocean Conservancy(オーシャン・コンサーバンシー)の対政府関係部門の副責任者のEllen Bolen氏は以下のような声明を発表した。
「わが国の漁業にとって朗報です。MSAは効果をあげています。乱獲の根絶と激減した漁獲量の回復に向けて、わが国はめざましい進展をみせており、この成功例としてメキシコ湾のレッドスナッパー(フエダイ属の一種)があげられます」。
「先ごろ完了したレッドスナッパーに関する資源評価によると、レッドスナッパーの個体数は回復し、この20年間で類を見ないほどの高い漁獲量を持続的に維持できるようになりました。科学的根拠に基づいた漁獲制限の成果がはっきりと示されたのです。そして今、議会はMSAを継続的に運用する必要があります。漁業を活力ある、持続可能な、生産性の高い産業に立て直し守っていくことは、湾岸地域の環境および経済の健全性を取り戻す手助けとなるからです」。
「議会は、将来に向けて持続可能な漁獲割合を確保できるよう維持しつつ、こうした進展、そして商業漁業や食べるために魚を釣ることと、レジャーフィッシングとのバランスを取るという課題について検討する際、MSAにはそれらの諸問題に対処できる手段と柔軟性が備わっていることを知っておくべきです。喜ばしいことにGulf of Mexico Fishery Management Council(メキシコ湾漁業管理委員会)は、適切なバランスを保ち、かつ確実にレッドスナッパー漁業の回復を成功させる新たな管理方法を積極的に検討しています」。
「今、効果的な漁獲管理はかつてないほど重要です。BP社(イギリスに本拠を置くエネルギー関連企業)の石油掘削施設『Deepwater Horizon』によるメキシコ湾原油流出事故が、レッドスナッパーとその餌となる生物に与えた影響がどの程度のものか、わたしたちにはまだわからないのですから」。
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