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2013年11月26日 (火)

気候変動で危険に晒される予期せぬ種

翻訳協力:松永 幸、校正協力:シュルモリ国岡 なつみ
 
2013年6月12日 IUCN International news release
 
気候変動により重大な危険にさらされている種の大半が、現在、優先的な保全の対象となっていないことが、IUCN(国際自然保護連合)による研究から明らかになった。この研究には、種の気候変動に対する脆弱性を評価する、これまでにない方法が採用されている。
 
雑誌 PLoS ONEに発表されたこの研究は、同種の研究において最大規模の一つであり、世界中の鳥類、両生類、サンゴ類のすべてを評価している。
5年かけて100人を超える科学者の研究を参考にしたものである。
 
鳥類の83%、両生類の66%、サンゴ類の70%に上る種が気候変動の悪影響を非常に受け易いことが確認されたが、現在のIUCNレッドリストでは絶滅危惧種に指定されていない。そのため、こうした種は目的に応じた保全対策を受けていない可能性が高い。
 
「研究結果から、憂慮すべき予期せぬ事実が明らかになりました」と、この研究のリーダーである、IUCN Global Species Programme(グローバル種プログラム)のWendy Foden氏は語る。
「予想外なことに、以前は懸念されていなかった非常に多くの種や地域が、気候変動に対して極めて影響を受けやすいことが分かりました。私たちが気候変動を考慮せず、これまでのような保全活動を続けていれば、最も保護が必要な多くの種や地域を救うことはできないでしょう」。
 
気候変動の影響を極めて受けやすいことが分かった種は、全鳥類の9%、全両生類の15%、全サンゴ類の9%にも上り、すでに絶滅の危機に瀕している。
研究提唱者によれば、こうした種は、過剰な森林の伐採や農業拡大に脅かされており、気候変更に向き合った早急な保全活動を必要とする。
 
研究の新たな取り組みとして、気候変動に対する敏感性や適応性に影響する、種の生物学上および生態学上の特性を調査中である。
これまでの方法は概ね、種が影響を受ける可能性のある変動量を計測することが中心であった。
気候変動などを理由に、国際自然保護連合はこの取り組みと結果を利用して、引き続き確実に、絶滅の危険に関するできる限りの評価をIUCNレッドリストで提供していくであろう。
 
この研究の共同提唱者であるIUCNグローバル種プログラムの副代表Jean-Christophe Vie氏はこう語っている。
「これは保全にとって飛躍的な前進です。気候変更により鳥類、両生類、サンゴ類のどの種がどの程度の危険にさらされているのかが非常に明確になったたけでなく、気候変動に対して弱点となる生物学上の特性も把握できるようになりました。このような知識は保全の必要性を満たす上で大きな利点となります」。
 
研究では、評価対象の種のグループに関して気候変動に対する脆弱性を示す初の世界規模の地図も提供している。
地図によると、気候変動の影響を最も受けやすい鳥類や両生類が集中しているのはアマゾン川流域で、インド洋-西太平洋サンゴ礁三角地帯には、やはり気候変動に脆弱なサンゴ類の大半が生息する。
 
「将来を見越すことは常に不確実な作業ですから、目の前のリスクを把握するための様々な方法が必要となります。この研究は、今日まで私たちが用いてきた典型的方法を完璧に補うものです。様々な方法で驚くほど同じ結果が出た場合、そうした結果にならないよう注意して行動することがとても必要です」。
そう語るのは、IUCNのSpecies Survival Commission(種の保存委員会)の委員長であり、この研究の共同提唱者のSimon Stuart氏。
 
この新しい取り組みは既に、中央・東アフリカにある多様な種が生息するアルバーティーン地溝帯で応用されており、私たちは、人間にとって大いに役立つにもかかわらず、気候変動によって減少してしまう可能性のある植物や動物について把握することができる。
その中には、燃料や建築資材、食物、薬として使われる33種の植物や、食物や収入の大切な資源である19種の淡水魚、主に食物源として消費される24種の哺乳類が含まれている。
 
アルバーティーン地溝研究の中心的提唱者である、IUCNのグローバル種プログラムのJamie Carr氏は次のように語る。
「研究が示しているのは、この地域の人々がいかに野生種に頼って暮らしているか、ということ、そして、その生活は気候変動によって間違いなく崩壊してしまう、ということです。今の状況は、最低限の必要を満たすために野生種に直接依存して生活する最も貧しい最僻地の地域社会にとって特に重大なのです」。
 
=支持者の声=
・Elizabeth Chadri氏:MacArthur Foundation(マッカーサー基金)のプログラムオフィサー
「影響を受けやすい種と人間の両方双方が気候変動に適応する必要があるでしょう。生態系を健全でそのままの状態に保つことが、人間社会が変動する気候に適応するのを助ける際に重要な役割を果たすでしょう。この研究は、最も緊急な対応を必要とする種を強調することで、世界のどの地域に保全の焦点を定めるべきかを示す役割を果たします」。
 
・Georgina Mace氏:University College London(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)の保全科学の教授で、研究の中心的調査員
「この新しい取組みの採用を歓迎します。気候変動のリスクを評価する際に種の生物学上の特性を入れることで、私たちは更に広範囲に渡る影響の可能性を調査し、気候変動の下で生物多様性がいかに成り立っていくかについて、より広い知識が得られることを望んでいます」。
 
・Stuart Butchart氏:BirdLife International(バードライフ・インターナショナル)のHead of Science((仮)科学長)であり、研究の中心的調査員
「研究結果に満足している余裕はありません。気候変動に極めて影響を受けやすい種には、現在、また将来においても変動し続ける気候に適応するための手助けを目的とした活動が必要です。影響を受けやすい種は、既に、生息地の消滅、過剰な消費、侵略種といった驚異による大きな絶滅の危機に直面しているのです」。
 
・Thomasina Oldfield氏:TRAFFIC(トラフィック)の調査・分析のプログラムリーダーで、アルバーティーン地溝研究のプロジェクトパートナー
「アルバーティーン地溝の野生動物は、食物、薬、燃料、木材、取引可能な資源を提供することによって何百万もの人々を支えています。こうした種がどのように気候変動の影響を受けるのかを理解することは、人と生物学的多様性双方にとって効果的な気候変動への適応戦略を押し進めていくために欠かせません。この取り組みを他の地域にも展開できることを期待します」。
 

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