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2013年10月17日 (木)

地中海沿岸地方のニシハイイロペリカンと湿地

翻訳協力:植林 秀美、校正協力:こばやし めぐみ
 
2013年8月1日 CMS Project of the Month
 
湿地は世界中でもっとも生物学上特に多様であると同時に不安定な生態系である。
湿地帯にはニシハイイロペリカン(Pelecanus crispus)などの水鳥が著しい数生息する。
地中海沿岸地方では、これまでに226カ所のラムサール条約湿地が指定され、「国際的に重要な湿地」と位置付けられている。
さらに、バードライフ・インターナショナルによりラムサール条約の基準を満たすと認められた、196カ所の湿地が他に存在する。
これらの数字は地中海沿岸地方が湿地保護の重要地域であることを示すものである。
 
依然として、地中海沿岸地方の湿地は生態系上重要な役割を担っている。
ところがそれらの湿地はまた特にもろく、農業の拡大などといった地域的な状況が脅威になり被害を受け、多くは危機的な状況にあるか、すでに消滅してしまっている。
 
地中海沿岸地方の湿地では荒廃が広がり、ニシハイイロペリカンにも影響を及ぼしている。
CMS(Convention on the Conservation of Migratory Species of Wild Animals:「移動性野生動物の種の保全に関する条約」、通称「ボン条約」)のロゴとしても採用されているこのペリカンは、CMSの附属書Iと附属書IIのリストにも記載されている。
また、IUCN(国際自然保護連合)により危急種に指定されており、またAEWA(African-Eurasian Waterbird Agreement:「アフリカ・ユーラシア渡り性水鳥の保全に関する協定」)、Bern Convention (「ヨーロッパの野生生物及び自然生息地に関するベルン条約」、通称「ベルン条約」)の附属書II、CITES(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora:「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」、通称「ワシントン条約」)の附属書I、ならびにthe European Birds Directive(EU野鳥指令)の附属書Iに記載されている。
 
この象徴的な鳥がこれほど多くの多国間環境協定により保護されているのには理由がある。
17世紀以降、この鳥の80%の繁殖地が消滅しているのだ。
今日、ヨーロッパにおける繁殖地はバルカン諸国とコーカサス地方の13カ所の湿地に限られている。
保全の努力を継続しなければ、繁殖地の減少により、やがては地中海沿岸地方からニシハイイロペリカンが絶滅すると予測されている。
 
それをふまえて、CMSの(仮)少額補助金プログラムでは、地中海沿岸地方のニシハイイロペリカンと湿地を保護するプロジェクトに資金を提供している。
このプロジェクトはフランスの保護団体であるNoe Conservationと、地中海沿岸地方の湿地を専門とした研究所センターであるTour du Valatとの連携により実施されており、科学的研究と知識によりプログラムを支援する予定だ。
IUCNのSpecies Survival Commission(種の保存委員会)とWetlands International(ウェットランドインターナショナル)、Society for the Protection of Prespa((仮)プレスパ湖保護協会)などの代表者からなるPelican Specialist Group((仮)ペリカン専門家グループ)は、専門家集団を駆使したさらなる支援を提供している。
その他の支援提供者にはモンテネグロのシュコダル湖国立公園、モンテネグロのCentre for Protection and Research of Birds((仮)鳥類保護研究センター)、モンテネグロ自然歴史博物館、ドイツの財団法人EuroNatur、アルバニアのAssociation for Protection of Aquatic Wildlifeが挙げられる。
また、Critical Ecosystem Partnership Fund(クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金)、EuroNatur,Tour Du Valatも共同出資している。
 
このプロジェクトは、モンテネグロ国内唯一のニシハイイロペリカンの繁殖地であるシュコダル湖国立公園に焦点を当てている。
また、このプロジェクトは次の4つの要点からなる刷新的なアプローチを用いている。
 
(1)ニシハイイロペリカンとその環境に関する科学的知識を向上する。
(2)特定の場所に的を絞った行動プランを立てることにより、繁殖地を効果的に管理する。
(3)地域社会の継続的な天然資源の管理と使用を支援する。
(4)政策立案者や地元住民との対話を確立し、ペリカンにより優しい付き合い方に関する意識を高め、促す。
 
このプロジェクトの結果はチラシやポスター、毎年発行される機関紙、文化行事、Noe Conservationのホームページなどに掲載される予定である。
 
Noe Conservationの国際部マネージャーのPeggy Poncelet氏は次のように語る。
「我々のプロジェクトは複数の目標を掲げる戦略を取っています。アンブレラ種として、ニシハイイロペリカンを保護することは、ほかの湿地の植物や動物、またこの地域全体の管理にとっても利益になります。我々は地元の地域社会やプロジェクトへの投資者たちを巻き込んで、プロジェクトへのより広範囲の参加と長期に渡る持続性を確実にしたいと考えています」。
Peggy Poncelet氏はまた、この取り組みはプロジェクトが掲げる保護の目的に沿った、持続可能な地元経済発展に貢献すると説明している。
 
このプロジェクトのもう一つの重要な特徴として、ネットワークを特に重視していることが挙げられる。
関係諸団体間の連携に加えて、このプロジェクトは、ニシハイイロペリカンの保護区のネットワークを構築し、注目すべき湿地の管理を行うことを目的としたNoe Conservationの新たな取り組みに統合されている。
その取り組みは、例えば相互訪問、共通のペリカンに関するデータベース、管理ツールの共有などのネットワークを構築している。
このネットワークは、モンテネグロのシュコダル湖、ギリシャのケルキニ湖、アルバニアのカラヴァスタラグーンの3カ所の保護区を対象にしている。
 
その結果として、保護努力は国境を超えている。
これはCMSの信条と使命に合致する取り組みである。
長期的な保護努力の継続を確保するために、プロジェクトパートナーたちはモンテネグロとアルバニアの両国において、ニシハイイロペリカンの国家としての行動計画や現場の管理計画の改訂や作成に取り組んでいる。
 

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