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2013年10月27日 (日)

IUCNレッドリスト―世界で最古・最大の種が衰退を迎える

翻訳協力:立田 智恵子、校生協力:蔦村 的子
 
2013年7月2日 IUCN International News Release
 
IUCN(国際自然保護連合)レッドリストの最新版によれば、針葉樹―世界最古かつ最大の生命体―と淡水エビ、イモガイ類とYangtze Finless Porpoise(ヨウスコウスナメリ)が懸念されるほど減少している。
Santa Cruz Pupfish(カダヤシ科の魚の一種)、オオスベトカゲと淡水エビの一種は絶滅したと宣言された。
 
今回のデータ更新で、4,807種がIUCNのレッドリストに加えられた。
これで、評価対象数合計は70,294種となり、このうち20,934種が絶滅に瀕している。
 
「IUCNのレッドリストのおかげで、今、世界の生物多様性の状況がこれまで以上にわかるようになりました」と、IUCN生物多様性保全グループのグローバルディレクターであるJane Smart氏は言う。
「でも全体的に警報が発せられています。地球上のすべての生命を脅かし続けている絶滅の危機を真剣に食い止めようとするならば、この知識を最大限に利用し、保全の取り組みが上手く的が絞られ、効果的になるようにしなくてはいけません」。
 
今回の更新には、針葉樹の最初の世界規模再評価も含まれる。
その結果によると、現在、世界のcedars(ヒマラヤスギ類)、cypresses(イトスギ類)、firs(モミ類)、その他の球果の生る植物の34%が絶滅の危機にある。
1998年に行われた前回の完全な影響評価から4%増加である。
 
針葉樹の33種の保全状態が悪化している。
それにはカリフォルニア州のMonterey Pine(Pinus radiata、モンテレーマツ)―世界でもっとも多く植林され、成長の速さと高品質なパルプで高く評価されている松―が含まれる。
この木は軽度懸念種―比較的絶滅のリスクが低い区分―から外され、絶滅危惧IB類に加えられた。
主な脅威には、ノヤギや、侵襲性病原体の攻撃等がある。
前回軽度懸念種に分類された他の針葉樹の種、Atlas Cedar(Cedrus atlantica、アトラススギ)―アルジェリアやモロッコのアトラス山脈に自生―は、現在、過剰開発で絶滅の危機に瀕している。
数を減らした個体群は様々な病害虫に脅かされている。
 
一方で、保護活動によってLawson's Cypress(Chamaecyparis lawsoniana、ローソンヒノキ)の状況が改善された。
かつて盛んに取引きされたこの種も、現在は準絶滅危惧種に指定されている。
これは、カリフォルニア州やオレゴン州で、病害に強い親株を植えるなど、管理方法が向上したためである。
保全活動が継続すれば、10年以内には軽度懸念種に指定されるだろう。
 
「ローソンヒノキの保全の取り組みとその成果は心強いです」と、IUCN SSC(IUCN種の保存委員会)Conifer Specialist Group(針葉樹専門家グループ)の議長であるAljos Farjon氏は言う。
「でも、まだ十分でないことは明らかです。多くの種の状態および分布の一層の調査が早急に必要とされています。調査結果を記されるのを待っている新たな種が多々あると思われますが、森林伐採の割合やアブラヤシの植林などにより生育環境が変化したために、まったく発見できない可能性があります」。
 
針葉樹は地球で最も古く大きな種である。
例えばBristlecone Pine(Pinus longaeva)は約5,000年生きるし、Coast Redwood(Sequoia sempervirens、セコイア)は110mの高さまで伸びる。
湿地を除けば、針葉樹林はほかのどのバイオームよりも炭素を固定する―温帯林と熱帯雨林の三倍の量の炭素が固定されている。
その経済的価値は非常に大きい。
針葉樹は木材や紙生産に利用される。
抗がん剤のタキソールは、多くのYew(イチイ類)の樹皮からとられている。
 
今回のIUCNレッドリストの更新作業では、淡水エビの最初の世界規模の影響評価の結果が提供されたが、そのうち28%が絶滅の危機に直面している。
そのうち、Giant River Prawn(Macrobrachium rosenbergii、オニテナガエビ)を含む10%が食用となり、淡水エビは淡水の食物網で重要な役割を果たしている。
環境汚染、生息環境の変化、水族館での売買といったことが直面する主要な脅威となっている。
 
熱帯海域に棲んでいるイモガイ類の初めての影響評価が行われ、8%が絶滅の危機にあることがわかった。
捕食者であるイモガイ類は海洋生態系で重要な存在で、難治性の痛みを治療する新たな薬の開発に使われる致死毒素で高く評価されている。
また何世紀もの間蒐集されてきた美しい貝殻を持ち、珍しい種類は数千ドルで取引きされる。
生息地の消失と環境汚染は、この種にとって最大の脅威となっている。
 
「この影響評価は、貝殻売買人と科学の専門家との革新的な協力による画期的出来事です」と、IUCN種の保存委員会Mollusc Specialist Group(軟体動物専門家グループ)のメンバーである、ヨーク大学のHoward Peters氏は言う。
「彼らの共同作業によって、それぞれの種が直面している流通・販売、取引、脅威の新たな見識を得ました。これは我々の今後の保護活動の鍵となります」。
 
同じく影響評価が行われたヨウスコウスナメリ(Neophocaena asiaeorientalis asiaeorientalis)は、Narrow-ridged Finless Porpoise(スナメリ)の亜種で、世界にほぼ残っていない淡水クジラの一種である。
中国の揚子江、それと隣接した二つの湖、は陽湖と洞庭湖で生息が確認されている。
その個体数は2006年に約1,800頭と推測され、1980年代から毎年5%を超えて減少し、絶滅危惧IA類に評定されている。
このスナメリにとっては、密漁、激しい船の往来、砂の採掘、汚染等が一層大きな脅威となっている。
 
White-lipped Peccary(Tayassu pecari、クチジロベッカリー)―中央および南アメリカに生息している豚の仲間の一種―はコスタリカで89%、メキシコとグアテマラで84%減少し、現在、絶滅危惧II類に指定されている。
減少の一因として狩猟と生息地の消失が挙げられる。
この種が原因不明の消失をたどった多くの例が、いくつかの地域で詳細に記録されているが、主な原因は病気だと憶測されている。
 
三種が絶滅したと報告された。
1912年に最後に姿を確認された、オオスベトカゲ(Chioninia coctei)―ひとつの島とそれよりも小さなふたつの小島にのみ生息していたトカゲ―は持ち込まれたネズミやネコによって絶滅に追い込まれた。
Santa Cruz Pupfish(Cyprinodon arcuatus)はかつてアリゾナ州のサンタクルーズ川流域に生息していたが、現在は水の枯渇によって絶滅した。
そして淡水エビ(Macrobrachium leptodactylus、テナガエビ属の一種)は生息環境の悪化と都市開発の犠牲となった。
 
「さらに、IUCNレッドリストの更新によって、わたしたちは不穏なニュースを知りました」と、IUCN種の保存委員)の議長であるSimon Stuart氏は言う。
「しかし、成功した例もあります。たとえば、コスタリカでの調査活動が増えたことで、Costa Rica Brook FrogとGreen-eyed Frogの新たな小集団が見つかりました。悲しいことに、多くの種が全体として絶滅に向っているため、はるかに多くの取り組みが必要です」。
 
2013年1月 IUCNレッドリストの絶滅危惧種の世界数値
 
査定された種の合計 = 70,294
(絶滅危惧種の合計 = 20,934)
 
絶滅= 799
野生絶滅 =61
絶滅危惧IA類 = 4,227
絶滅危惧IB類 = 6,243
絶滅危惧II類 = 10,464
準絶滅危惧種 = 4,742
低リスク/保全対策依存 = 241(これは古い区分でレッドリストから廃止されつつある)
軽度懸念種 = 31,846
データ不足 = 11,671
 
IUCNレッドリストのパートナー団体からの引用
「Baiji(ヨウスコウカワイルカ、珍しい淡水イルカ)はつい最近、揚子江で絶滅しました」と、ロンドン動物学会の保全プログラムの指導者であるJonathan Baillie教授は言う。
「もし今わたしたちがヨウスコウスナメリを失えば、将来の世代は間違いなくわたしたちが、無知か無能か、その両方だったと思うでしょう」。
 
「植物は地球上の生命の基礎であると同時に、価値ある生態系サービスを作ります。針葉樹についての最近の影響評価で、経済や人間の利益となる種を含む多くの種が、より大きな絶滅の脅威にさらされていることがわかりました」と、Texas A&M University(テキサスA&M大学)の准教授であるThomas Lacher博士は言う。
「IUCNが影響評価の範囲をよりはるかに多くの植物グループに広げれば、保全活動がすべての生命が生き残るのに役立つ種やエコシステムの保全に注力できるようになります」。
 
「それぞれのIUCNレッドリストの更新によって、世界の種の保全状態のより包括的な実態がわかります」。
Microsoft Research(マイクロソフトリサーチ)の保全科学者であるLucas Joppa氏は言う。
「再評価によって、これらの種の状況が時の経過とともにどのように変化したのかがわかります。種の保存の取り組みにおける照準点―何が効果的で、何が非効果的だったか―をまとめています。ローソンヒノキの例では、どうすれば成功を成し遂げられるのかがわかり、レッドリスト作成過程の計り知れない価値の例示となっています」。
 
「レッドリストの最新更新は、わたしたちが世界の危機に瀕している生物多様性に影響を及ぼしている更なる証拠です」と、Wildscreen(NGO団体)の最高責任者であるRichard Edwards氏は言う。Edwards氏はIUCNと協力して、野生生物の画像の力を通じて、世界の絶滅危惧種の世間での認知度を上げるために力を貸している。
「絶滅が現実だというもうひとつの証拠です。そして、世界のよりはるかに多くの種のために、この最も悲劇的な現実を阻止する気があるなら、今、わたしたち全員が行動しなければならないとう証拠なのです」。
 
Conservation International(コンサベーション・インターナショナル)の会長であり、IUCN種の保存委員会のPrimate Specialist Group(霊長類専門家グループ)の議長でもあるRussell Mittermeier博士は言う。
「最新データ更新によって、いくつかの新しい、とても重要な種に関する非常に有益な情報が得られました。その情報は、もう一度、わたしたちが絶滅の危機を食い止めたり、世界の生物多様性を維持したり、非常に意欲的な国連の生物多様性保全の12の目標(2020年までに絶滅危惧種の絶滅を阻止するため)を達成し、そしてまったくのところ、その他20の愛知目標の多くにも到達するうえで、IUCNレッドリストが最も基本的なツールであることを実証しています」。
 
「ラテンアメリカの同僚による不屈の努力のおかげで、気候の変化と病気のワンツーパンチが原因で激減したいくつかのカエルの種の個体数が安定しつつあるという明るい兆しがあり、いくつかの例では、緩やかに回復している兆候が見られます」と、NatureServe(NGO団体)の会長兼CEOであるMary Klein氏は言う。
「しかし、淡水エビのデータは、他の動物グループの分析からわかっていることを再度裏付けています。淡水に棲む種は、ダム、運河、水上滑走路、汚染、これらのエコシステムに持ち込まれる外来種が原因になって、最も絶滅の危険が高いもののひとつのです」。
 

 

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