アイスランドの捕鯨業者、今期に入って初のミンククジラ捕獲
翻訳協力:佐藤 周平、校正協力:佐々木 美穂子
2013年5月14日 Whale and Dolphin Conservation Latest News
アイスランドの捕鯨業者が今季初のミンククジラを捕獲した。5月9日に体長9m、体重7tのミンククジラが、Faxafloi湾のホエール・ウォッチ・ゾーンと呼ばれる所から離れた場所で、捕鯨船のHafsteinn SKによって捕獲されたのだ。
アイスランドは2013年度のミンククジラの捕獲は216頭までと自主規制枠を設けている(アイスランドは捕鯨の漁獲量の調整等を行うIWC(国際捕鯨委員会)に対して不服を申し立て、承認保留のまま捕鯨を続行している)。Hafsteinn SKのオーナーであるGunnar Bergmann氏は、会社の本年のミンククジラ捕獲目標は50から70頭であると述べている。Gunnnar氏によると昨年52頭のミンククジラを捕獲したが、国内市場の需要をまだ満たしていないと主張している。
WDC(Whale and Dolphin Conservation、クジラ・イルカ保護協会)の公表によると、残念なことにアイスランド国内のクジラ肉の需要の多くは地元住民によるものではなく、むしろ旅行者によってもたらされている。旅行者の多くはクジラ肉をアイスランドのありふれた伝統的料理の一つという誤解をしており、地元住民の代わりに残酷な産業の存続を助長している。
もしあなたが今年アイスランドに訪問するのであれば、どうか捕鯨業者ではなくホエールウォッチング産業の支援をしてあげてください。そして死んだクジラによって利益を得ているレストランや販売店の支援はしないでください。
http://www.wdcs.org/news.php?select=1456
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