深刻な絶滅の危機にさらされているロロウェイモンキーがガーナへ帰郷
翻訳協力:山崎 有起枝、校正協力:久保 直子
2013年5月29日 African Conservation Foundation Wildlife News
ロロウェイモンキー(Roloway Monkey)のFergus(オス、7歳)が本日、ガーナの首都アクラにあるコトカ国際空港へ到着すると、ガーナのWildlife Division of the Forestry Commission((仮)林業委員会野生生物局)が発表した。
現在、フランスのLa Vallee de Singles(モンキー・パーク)にいるロロウェイモンキーは、ガーナではかつて普通種だったが今では絶滅寸前で、野生ではガーナ西部とコートジボワールでごく少数が生息するのみとなった。
これは昨日、アクラにあるGhana News Agency(GNA、ガーナ通信社)に送られた発表の抜粋である。
「現在のところ、アフリカ全土で人間の保護下にあるロロウェイモンキーは、アチモタ森林保護区内にあるアクラ動物園のEndangered Primate Breeding Center (EPBC、(仮)絶滅危惧霊長類繁殖センター)にいるSweet Peeという名のメスが一匹だけです」。
絶滅が懸念されているこのサルの個体数を増やし、国内のもともとの生息地へ再導入するためFergusをSweet Peeと交配させることになるだろう、とも発表された。
また、委員会とWest African Primate Conservation Action (WAPCA、(仮)西アフリカ霊長類保全活動)が、絶滅が懸念されている霊長類を管理、訓練した後に野生へ戻しているアクラ動物園のEPBCが管理している、この種の保護の試みの一助となっている、とも述べられた。
そしてFergusは、ドイツのハイデルベルク動物園で生まれた、とも述べられている。ハイデルベルク動物園は、種の保存のための世界最大規模の繁殖集団を維持している動物園であり、またガーナの絶滅危惧霊長類の保護に財政的支援を行っている他のヨーロッパの13の動物園とともにWAPCAの運営も行っている協力団体でもある。
メスのロロウェイモンキーは、ガーナで野生状態で生まれてから2005年に保護され、霊長類繁殖センターに連れて来られるまでペットとして飼われていた。
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