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2013年5月27日 (月)

コンゴ紛争でグラウアーゴリラが絶滅の危機に

翻訳協力:蔦村 的子、校正協力:杉山 朝子

2013年3月13日 IUCN News

国際自然保護連合(IUCN)と世界をリードするそのほかの保護団体は、協力して絶滅の危機に瀕しているグラウアーゴリラの存続のための努力を続けてきた。グラウアーゴリラはヒガシローランドゴリラ(学名はGorilla beringei graueri)としても知られる。

グラウアーゴリラは、コンゴ民主共和国(Democratic Republic of Congo/DRC)の山地および中標高地にだけ生息し、ゴリラ4亜種で最大であるばかりか、世界で最大の霊長類である。

「同地域のチンパンジーだけでなく、生き残っているグラウアーゴリラの個体群を守るためには、国家政府から地域コミュニティに至るまでのすべての社会の人々による、活発な取り組みと参加が必要です。」と、ジェーン・グドール研究所のDario Merlo氏は語る。

1996年以来続く紛争で消失した、グラウアーゴリラならびにゴリラと同じくショウジョウ科であるケナガチンパンジー(Pan troglodytes schweinfurthii)の生息地では、その後大半の地域でグラウアーゴリラとケナガチンパンジーの監視が行われなかった。以来、いろいろな情報筋ではさまざまな個体数の推計を呈示してきたが、こうした動物の本当の状況は知られていない。

ジェーン・グドール研究所、ファウナ&フローラインターナショナル(FFI)、野生動物保護協会(WCS)、フランクフルト動物学協会(FZS)、コンサベーション・インターナショナル(CI)、ダイアン・フォッシー・ゴリラ基金(DFGFI)、および地域レベルの自然保護団体は、コンゴ自然保護協会(Institut Congolais Pour la Conservation de la Nature/ICCN)、環境・自然保護・観光省 (MECNT)、国軍・警察当局、および地元コミュニティと提携し、IUCNが最近まとめたコンゴ民主共和国の大型類人猿のための保全行動計画の実施を支援するために協力している。

保全行動計画は、コンゴ民主共和国の大型類人猿を保護するための重要な指標となる。
多数の関係官庁、一般の利害関係者、および大型類人猿の保全に関する専門家委員会と合意し、同地域のゴリラおよびチンパンジーの衰退を防ぐために不可欠なアクションを明らかにしている。

取り組みごとの連携と強化の必要性を認識し、国内チームは今や緊密に協力して、それぞれがほかの組織を専門知識でサポートしながらも、独自に主要な役割も担っている。明らかになった重要なアクションのひとつが、同地域でのゴリラとチンパンジーの実際の状態を評価することである。

グラウアーゴリラの最初の調査は、1950年代後半に野生生物保護学会のGeorge Schaller氏、およびJohn Emelen氏により行われた。グラウアーゴリラがマウンテンゴリラ(学名Gorilla beringei beringei)と、まだ同亜種であると考えられていたときである。この最初の調査では、こうしたゴリラは希少であり、生息地の破壊、狩猟、および収穫物を狙った襲撃に対する人間による報復が原因で急速に減少していると結論づけている。

WCSが、その後1994年に行った調査では、グラウアーゴリラが別亜種であることが確認され、カフジ=ビエガ(Kahuzi-Biega)国立公園及び隣接する森林であるイトンブウェ・マッシフ(the Itombwe Massif)、 およびマイコ国立公園が調査地に含まれている。この調査では、ゴリラは主に狩猟および人間の入植によりなお非常に脅かされた状況にあり、いくつかの貴重な系統個体群が失われてしまったことがわかった。こうした調査の結果からは、当時同地域に約17,000頭のゴリラの生息が示唆された。

IUCNのSSC(種の保存委員会)の中の、霊長類専門家グループに所属するLiz Williamson博士は次のように述べた。「1990年代、この地域で調査を行うのは困難なことでした。ですが、私たちは調査に伴う危険と戦う必要はありませんでした。包括的追跡調査は今に至るまで不可能です。」

また、野生生物保護学会のAndrew Plumptre博士は、次のように語った。
「野生生物保護学会、ファウナ&フローラ・インターナショナル、およびジェーン・グドール研究所は、マックス・ブランク進化人類学研究所(Max Planck Institute of Evolutionary Anthropology)の統計学上の助けを借りて、8万平方キロに及ぶ生息域に住む絶滅の危機に瀕した類人猿を調査するための、新しい科学的アプローチの構想をまとめました。
同時に私たちは、この種のモニタリングを今後改良できる新しい調査技術を、より費用対効果の高い方法で試してみることになるでしょう。この企画のおかげで、コンゴ民主共和国における内戦がグラウアーゴリラの個体数に与えた影響について、私たちはもっと信頼できる調査結果を得ることが出来るようになるでしょう。」

ジェーン・グドール研究所のLilian Pintea博士は、次のように言葉を添えた。「私たちはまた、Google(グーグル)、DigitalGlobe(デジタルグローブ)、およびEsri(エスリ)を活用して、革新的で最先端のモバイル・マッピング、衛星画像、およびクラウドに基礎を置く技術を応用し、調査チームに高解像度の基本地図を与え、かつ、地域コミュニティが類人猿モニタリングを行う活動に貢献できるようにしました。」

2003年以降、グラウアーゴリラ生息域を調査する試みが何度か行われてきている。こうした予備調査の結果、ゴリラが今なおいくつかの主要な生息地に生息していることがわかった一方で、1990年代以来、ゴリラの頭数が50~80%の割合で深刻な減少を続けているらしいことが明らかになった。

ファウナ&フローラ・インターナショナルのStuart Nixon氏は次のように述べた。「今日、残存するグラウアーゴリラの個体群は、小規模で極度に違法性の高い採掘活動の行われている危険地帯にその生息域が限定されています。私たちがこの非常に重要な調査を完全に終えることができるまで、希望的観測では、2,000頭から10,000頭のゴリラが14の個体群に分かれて残存していると思われます。献身的な努力なしでは、今後10年間は、この忘れられたゴリラが地域的に絶滅し続けた年月と記録されるでしょう。」

グラウアーゴリラは、IUCNレッドリストにおいて絶滅危惧IB類に分類されている。その保護状況が変化したかどうかの評価のため、また保護の努力を集中し、長期にわたるモニタリングを行うべき、最重要な個体群を特定するためにも、新しい調査が必要不可欠である。
野生生物保護学会およびファウナ&フローラ・インターナショナルは、今月から調査を実施する。

http://www.iucn.org/news_homepage/?12625/Gorillas-caught-in-the-crossfire-of-conflict

 

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