中央インドの野生スイギュウ保全計画
2013年1月18日 IUCN News
翻訳協力:立田 智恵子 校正協力:木田 直子
インドで行われた三日間に渡るワークショップに参加したIUCN SSC(国際自然保護連合 種の保存委員会)のアジア野生牛専門家グループが、野生のアジアスイギュウ(Bubalus arnee)を守るための方法を明確化した。アジアスイギュウは 国際自然保護連合のレッドリストでに絶滅危惧種として指定されている。
インド国内の家畜のスイギュウの遺伝子源として、野生のアジアスイギュウは経済的に重要な動物だと見なされている。アッサム州の野生アジアスイギュウは、密猟と生息地の減少によって脅かされ、約3,000頭しか残っていない。
マハラシュトラとチャティスガルの州政府、インド野生生物トラスト(Wildlife Trust of India、サトプーダ財団(Satpuda Foundation、IUCN SSCアジア野生牛専門家グループが主催した保全計画のワークショップは、2012年11月5日から7日まで開かれた。参加者たちは、中央インドの野生アジアスイギュウを共に保護する方法を明確にし、スイギュウの生息数を増やす必要があるというということで意見が一致した。ほかに、新しいコラマルカ(Kolamarka)自然保護区を効率的に管理する方法についても焦点が当てられた。
ワークショップが閉幕し、これから参加者たちは「インドの野生スイギュウに関する現状と国家回復プログラム」と題した行動計画を立てる。ワークショップ期間中に集められた野生のアジアスイギュウの現状と分布についての情報は、IUCNのレッドリストのデータ更新のためにも使われる。
このワークショップは、マハラシュトラ政府、インド野生生物トラスト、IUCN SSCの種の保全計画小委員会、アブダビ環境庁(Environment Agency Abu Dhabi)、ギヴスクッド動物園(Givskud Zoo)、チャティスガル政府、サトプーダ財団、Earthwatch(アースウォッチ)などの支援により実施された。
« レバノンにおける海洋環境保護の前進 | トップページ | スマトラサイの保護 »
「35 レッドリスト 絶滅危惧種」カテゴリの記事
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 陸棲脊椎動物の絶滅が加速していることが調査により判明(2021.12.14)
- キツネザル類のほぼ3分の1とタイセイヨウセミクジラが絶滅危惧IA類に―IUCNレッドリスト(2021.11.16)
- クロマグロ産卵場における致命的な漁具に対するトランプ政権による許可の差し止めを求め複数の団体が提訴(2021.11.02)
「19 アジア」カテゴリの記事
- 香港市場に出回る絶滅危惧種であるハンマーヘッドシャークのフカヒレは、主に東太平洋地域産であることが判明(2022.04.12)
- スリランカがゾウ保護のためプラスチック製品の輸入を禁止へ(2022.01.25)
- 絶滅寸前のヨーロッパウナギが香港のスーパーマーケットに流通(2021.10.26)
- ガラパゴス諸島の貴重な海洋生物を中国の巨大漁船団からどのように守るか(2021.09.21)
- 増大する中国漁船団により世界の海洋資源が枯渇(2021.09.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント