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2013年2月25日 (月)

アカシュモクザメ・ヒラシュモクザメ・シロシュモクザメの附属書改正提案(前半)

CITES-CoP16にアカシュモクザメ・ヒラシュモクザメ・シロシュモクザメの附属書改正提案(ブラジル、コスタリカ、ホンジュラス)
翻訳協力:鹿島光江 校正協力:杉山朝子
A. 提案
ワシントン条約第2条2(a) 項ならびに決議 9.24(CoP14で改正)付記2a項に規定された掲載基準Aに従い、附属書ⅡにSphyrna lewiniアカシュモクザメ(英名:scalloped hammerhead shark)を追加する。 ワシントン条約第2条2(b)項ならびに決議9.24(CoP14で改正)付記2b項に規定された掲載基準Aに従い、附属書ⅡにSphyrna mokarranヒラシュモクザメ(英名:great hammerhead shark)とSphyrna zygaenaシロシュモクザメ(英名:smooth hammerhead shark)を追加する。
次の注釈を付けて附属書Ⅱに掲載:
これらの種のCITES(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)附属書Ⅱへの掲載にあたっては、それに関連する技術上、管理上の問題を締約国が解決できるよう、その発効を18ヵ月延期する。

付記2a基準A
近い将来、附属書Iへの掲載が適格となる事態を回避するため、当該種の取引の規制が必要であることが判明しているか、推測可能または予測可能である。
アカシュモクザメは、ヒレが大きく、鰭条の数が多く、取引で高値がつけられるため、乱獲されていることから、この基準Aに従い附属書Ⅱへの掲載基準を満たすとみなす。また繁殖率の低いこの種は世界中の漁場で混獲されてもいる。世界的にもこの種を脅かす最大の脅威はヒレの国際取引と混獲に起因しており、多くの海洋盆の長期時系列の基準値から少なくとも15%~20%の歴史的減少につながった。また生まれたてや子ザメの育つ水域の小規模な漁場で捕獲されている(Dudley & Simpfendorfer 2006; Hayes et al. 2009; Jong 2009; Harry et al. 2011)。
1970年代半ば、1980年代、そして1990年代初期から近年にかけての衰退は、北西大西洋で、それぞれ、98%、89%、そして76%~89%に及ぶ。地中海でさまざまな手段を使い、複数回連続で行なったメタ分析では、19世紀初期以来、最大99.9%のアカシュモクザメの減少を含むhammerhead shark シュモクザメ全体の減少が示唆された。漁獲率に基づくと、無害ならびに捕獲に関する法的な所見に関し基本原則を定めるために監視方法および管理方法の導入または改善にインセンティブを与えない限り、この種は絶滅の危険にさらされる恐れがある。
付記2b基準A
取引される形態でのその種の標本が、第Ⅱ条2(a)項または附属書Iの規定に基づき、附属書Ⅱに掲げる種の標本に似ており、CITES掲載種の標本を見た執行官がそれらを区別できそうもない。
2.概要
アカシュモクザメは、沿岸の暖温帯や熱帯沿岸の海に生息し、地球全体を回遊するサメの種である。アカシュモクザメは、他の種と比較すると、繁殖力がもっとも低い種の中に入る。FAO(国際連合食糧農業機関)第3条第3項の通り、太平洋と大西洋に生息する個体数に対して確定された個体数の成長率は低く(r=0.08-0.10 yr-1)、繁殖率の低いカテゴリー(r<0.14)に分類される。アカシュモクザメ及びヒラシュモクザメとシロシュモクザ
メを含めたアカシュモクザメ全体の捕獲率データの生息量傾向分析では、ここ数年で生息量が60%~90%大幅に減少したことが報告されている。北西大西洋のアカシュモクザメに特有の捕獲情報、生息量の経口、及び生態についての情報を用いた資源評価では、1981年から2005年までに83%の衰退が示されている。ブラジル沖合の南西大西洋の沿海漁場のCPUE(単位(漁獲)努力量当たり漁獲量catch per unit effort)では、成体のメスのアカシュモクザメが、1993年から2001年までに、60%~90%減少したことが示されている。地中海でさまざまな手段を用い、複数回連続で行なったメタ分析では、19世紀の初期以来、最大99.9%のアカシュモクザメの減少を含むシュモクザメ全体の減少が示唆された。
コスタリカの排他的経済水域に生息する遠洋のサメ(種特異的情報は無効)の標準化された捕獲率の比較では、1991年から2000年までに捕獲率が60%減少したことが示された。別の研究では、ココス島国立公園は、1992年から2004年まで、「禁漁区」に指定されていたにもかかわらず、アカシュモクザメの個体数が71%に減少したことがわかった。オーストラリアのクイーンズランド州サメ管理プログラムのサメ捕獲に関する独自の評価では、シュモクザメの捕獲率が、44年間にわたって85%以上減少したとしている。
1978年から2003年までの間に南西インド洋の南アフリカのビーチに設置されたサメの侵入を防ぐ防御網にかかったサメの捕獲情報によると、アカシュモクザメに関してはおよそ64%の減少が示されている。インド洋では、1978年から2003年までの間に南西インド洋の南アフリカ共和国のクワズール・ナタール州に設置されたサメの侵入を防ぐ防御網にかかったサメの捕獲情報を有効とする。
アカシュモクザメのCPUEは、25年間にわたって、およそ64%の衰退が見られた。西オーストラリア北海岸のサメ漁場ではシュモクザメ全体のCPUEは1997年~1998年と2004年~2005年の間に50%~75%の減少があったことが観測された。
比較的繁殖率の低いこの種は、世界的に絶滅危惧種としてIUCN絶滅のおそれのある生物種のレッドリスト(セクション4)に掲載されている。
アカシュモクザメは国内でも公海における多国間の漁場と同様、直接的に捕獲されるか偶発的に捕獲される。アカシュモクザメという捕獲物は、しばしば、シュモクザメ属として混合されたり、あるいはアカシュモクザメやシロシュモクザメとして、特別に報告されたりする。FAOのデータベースでは、シュモクザメは、「シュモクザメ」、「シロシュモクザメ」、あるいは「アカシュモクザメ」という三つのカテゴリーの一つに報告される。多くの捕獲物は公表はされないが、ヒレ取引の分析によると、アカシュモクザメとシロシュモクザメはフカヒレ取引のために4万9千トン~9万トン(個体数にして130万頭~270万頭)が毎年捕獲されている(セクション5)。フカヒレの国際取引の規制を促進することで、附属書Ⅱへの掲載はこれら動物の野生集団に有益な効果をもたらすだろう(セクション6)。
シュモクザメはUNCLOS(国連海洋法条約)の附属書Ⅰに記載されているため、国際水域における漁業管理に関する規定に従わなくてはならない。多くの国々で排他的経済水域内のサメ漁を禁止してきた(セクション7)。パラオ、フランス領ポリネシア・モルディブ、ホンジュラス、バハマ、マーシャル諸島は、最近、排他的経済水域の海洋生息地内でのすべてのサメの漁獲を禁じた。ほかの地域では、数国ならびにRMFOs(地域漁業管理機関)が、フカヒレ漁やフカヒレの保持を禁止する法を施行した。
ICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)は、ICCATの漁場内で捕獲されるシュモクザメ(Sphyrna tiburoウチワシュモクザメを除く)の保有を禁止した(セクション8)。
その結果、付属書Ⅱへの掲載とそれに関連する合法的な捕獲の条件は、これらの基準遵守の保証に向けて、上述の州、国内で禁止を定める国、及び地域漁業管理機関に関係する締約国を支援することになるだろう。

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