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2013年2月26日 (火)

オニイトマキエイ属の附属書改正提案(後半)

CITES-CoP16にオニイトマキエイ属の附属書改正提案(ブラジル、コロンビア、エクアドル)
翻訳協力:日原直子  校正協力 松崎由美子
2. 概要
2.1 オニイトマキエイ(Manta Rays)は、成長が遅く、体の大きな移動性の魚類で、個体群は小さく著しく分断化されて、熱帯地域にまばらに分布している。オニイトマキエイは、あらゆる板鰓亜綱の軟骨魚類の中で生殖能力が最も低く、平均10年で成熟期に達した後、通常2、3年毎に1匹の子しか産まない(地域個体群によってはそれより長い周期のこともある)(3節)。地球上にどれくらいの個体群が存在するかは知られていないが、ほとんど全ての同定された地域個体群はかなり個体数が少ないと推定されている。(オニイトマキエイM. birostrisは100~1,000匹、ナンヨウマンタM. alfrediは100~1,500匹、但しモルジブに生息するナンヨウマンタの個体群は唯一の例外で、5,000匹と推定されている。)インドネシア近海のある移動経路上では、オニイトマキエイが相当量捕獲されることから、この地域個体群は恐らく上記の数よりも多いのではないか(或いは、この種に的を絞った漁によって減少する以前はもっと多かったかもしれない)ということが示唆され、或いは、複数の地域個体群がこの経路を利用しているということが示唆される。この密集する集団は、CITESが定義する地域個体群の基準を満たしているかについて遺伝子分析によって確かめられてはいないが、各々の種でこれまでに知られている最長移動経路を記録した衛星捕捉データと密集地間の距離とを考え合わせ、さらに写真鑑定データベースにより集団間の交流を確認するための積極的な努力によって、調査された全個体群(付録Ⅴに記載)は、「個体群中の、地理的またはそれ以外の点で識別可能な集団で、集団間の遺伝的交流が限定されている」という定義を満たしていることが強く示唆される。全世界で調査できたのは、15カ国に生息する24の地域個体群にすぎず(ナンヨウマンタ14、オニイトマキエイ9、推定される第3の種1)、その他15カ国かそれ以上の国で、多くは非常に小さい25ほどの集団が観光事業や漁業を通して確認されており、さらに他の生息国においてはいずれも、オニイトマキエイが目撃されることは大変稀であることなどから考えると、世界全体の個体群数はかなりわずかであることが推測される(4節2項)。オニイトマエキエイの生物学的および行動に関する特徴(極めて低い生殖率、遅い成熟期、わずかな地域個体群、集合する習性)は、この種を漁業における乱獲に対してとりわけ脆弱にし、数の激減から回復する見込みを低くしている。(3節3項)
2.2  鰓前部の付属器(prebranchial appendages)である 鰓板は、オニイトマキエイ属(マンタ)の種が餌のプランクトンを水から濾過するのに使われるが、国際取引において高く評価されている。軟骨組織や外皮もまた国際的に取引されている。成熟したオニイトマキエイ1匹から乾燥鰓が最大で7kg得られる。中国では1kg当たり680米ドル(57,800円、12/25現在1ドル=85円)もの小売値が付く。現在、マンタの種の鰓板に関する具体的な輸出入規約は存在せず、軟骨組織や外皮の取引記録は一般的に種ごとに記載されてはいない。このように、国際取引の水準、パターンや傾向は正確に文書化されていないが(6節) 、DNA検査や視覚識別ガイドはかなり入手可能になり、専門家でなくとも知識があれば取引されるマンタの種やその身体部分や派生製品を他の種から識別することが可能になっている。(付録Ⅱ)
2.3  オニイトマエキエイは、大西洋、太平洋、インド洋など、全世界の温暖な生息水域で商業的漁業や零細漁業において捕獲されている。オニイトマキエイに対象を絞った猟師は、主として銛や網を利用しているが、他の種を獲るためのきんちゃく網、刺し網、底引き網漁業において、オニイトマキエイの深刻な混獲が発生している。鰓板に高い価値があるために、主な生息国においては、マンタの種、とりわけオニイトマキエイに対象を絞った漁業が増加の一途にあり、最大の水揚げ量がインドネシア、インド、スリランカなどで観察されている。その他の国々(ペルー、モザンビーク、中国)でも、相当盛んに漁が行われていると考えられるが、多くの場所で水揚げ量のデータは入手困難である。マンタの鰓が切り取られている(鰓が取り出され、死体が海に捨てられている)という報告がある。(4、5、6節)
2.4  最大の漁場を持つ生息国向けの、マンタの種に対する個体群の評価、公式の監視計画、漁業管理対策などはない。地域漁業管理機関(RFMOs : Regional Fishery Management Organizations)は、マンタの種に限定した拘束力のある対策をなんら採択しておらず、偶発的な水揚げや廃棄が種のレベルで記録されることは稀である。マンタの種は、少数の国やいくつかの小さな海洋保護地区においては法的に保護されており、オニイトマキエイは2011年に移動性野生動物種の保全に関する条約(CMS : Convention on the Conservation of Migratory Species of Wild Animals)の附属書ⅠおよびⅡに掲載された。(7、8節)
2.5 過去の基準データはないものの、マンタの種の主要生息国では6~8年間で、つまり1世代25年よりはるかに短い期間に、個体群の「最近の衰退率」が56~86%になったと科学者らは記録している。一方専門家らは、特定の地域で乱獲による絶滅や局地的根絶があるのではないかと考えている。現在の漁獲圧のレベルで、この「最近の衰退率」であれば、個体群は10年以内に「商業利用される生産性の低い水生動物種」が附属書Ⅰへの掲載適格(基準値の15~20%)になる「過去の衰退度(historical extent of decline)」ガイドラインにまで衰退することが予期できる。(4節4項)
2.6  オニイトマキエイは、海洋観光産業では高く評価されている象徴的な種であり、ほとんどの生息国では漁業の対象とは考えられていない。マンタの密集地が出現することで知られる沿岸コミュニティーの多くは、この自然を破壊することのない持続可能なマンタの種の利用に参加して利益を享受している。マンタの種の鰓板の国際取引に煽られる持続不可能な漁業は、主に取引業者の小集団に利益をもたらしてはいても、エコツーリズム事業に重大な脅威を与えている。エコツーリズム事業には、多数の生息国の沿岸コミュニティーに長期にわたり、より多大な利益をもたらす潜在能力がある。(6節5項)
2.7  オニイトマキエイ属(マンタ)の附属書Ⅱへの掲載は、国際取引が持続不可能な漁業を継続的に押し進めないことを保証するために必要である。附属書Ⅱへ掲載されなければ、これらの種は近い将来、その個体群が附属書Ⅰへの掲載に適格となる可能性があり、種の存続が危うくなる。附属書Ⅱへの掲載は、国際取引への供給が、野生の個体群に有害ではない漁業によって行われることを保証するのに大いに役立つであろう。ワシントン条約の下では、取引許可が出される前に、野生個体群に害を与えないことの認定が必要になる。ワシントン条約による措置は、これらのとりわけ脆弱な種のための漁業管理対策を強化し補足することができ、ひいては、国連食糧農業機関(FAO)によるサメの保護および管理に関する国際行動計画(IPOA-Sharks)の実施や、移動性野生動物種の保全に関する条約(CMS)の附属書ⅠおよびⅡへの掲載に貢献することができるであろう。(11節)

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