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2013年2月26日 (火)

ミドリヤモリ属全種の附属書改正提案

CITES-CoP16にミドリヤモリ属全種の附属書改正提案(ニュージーランド)

翻訳協力:野中 祐子、校正協力:神田 美恵

2.概要

この提案は、Naultinus(ミドリヤモリ)属全種をワシントン条約附属書Ⅱへ掲載するための申請である。

2003年5月28日にワシントン条約附属書Ⅲに掲載された時点でのニュージーランドの動物相におけるヤモリは、2属(Hoplodactylus/コモチヤモリ属全種、およびミドリヤモリ属全種)であった。
現在、ニュージーランドのヤモリは、適応放散的種分化固有種7属、少なくとも40種(Nielsen et al.2011)が確認されており、今後も新たな種の発見とさらなるワシントン条約への掲載の見込みが高い。
ヤモリはニュージーランドの自然環境のほとんどで見ることができる(Hitchmough 1997; Nielsen et al.2011)。
およそ1000年前、人間とともに害獣が移住してくる以前は、ヤモリの種の多くが非常に豊富に生息していたはずであった(Wilmshurst et al.2008参照)。
農地化のための焼畑や外来植物の増殖による森林、低木地、草むらの消滅、移入された害獣による捕食被害などがもたらす生息域の消失の結果として、ヤモリの個体数に非常に大きな影響が出たのである。
近年にあっては、生息域の消失は大きな問題ではないが、ニュージーランド本島および周辺諸島のいくつかで、害獣によるヤモリの捕食がその生息数を脅かし続けており、附属書Ⅱに掲載されているNaultinus全8種および未掲載のNaultinus「North Cape」の生息状況は、the New Zealand Threat Classification System(Hitchmough et al.2010)に基づき、「At Risk」と見なされている。

すべてのNaultinusにはヤモリの愛好家を惹きつける様々な特徴がある。
非常に色鮮やかで美しく、胎生種といった稀な生態を持ち、昼行性で寿命が長い生き物である。
全種とも生殖年齢に達するまで数年を要し(最暖地の生息域での成熟期は、最も早くて2年~4年)、出産数も少ない(成熟メス1匹あたり、年1匹~2匹)。
こうした特徴が非常に人気を呼んでいるのはもちろんのこと、ヤモリを確実に保護するニュージーランドの厳しい国内法ゆえに、愛好家たちはヤモリの密猟や密輸に手を染めてきたのである。

ニュージーランドでのすべての違法取引が、ヤモリに対する需要の増加をいまだ満たしていていないことが十分に考えられる。
少なくともN.gemmeus(アカジタミドリヤモリ)のある野生個体群は14年間にわたって95%以上減少しており、そのある部分においては、おそらく密猟が原因である(Lettink 2011)。
ニュージーランドのヤモリの個体数が回復する可能性については、その生殖能力の低さゆえに限界がある。
わずかな違法取引であっても、ヤモリの野生種の個体数への影響は大きいのである。

ニュージーランドのヤモリを保護する国内法と附属書Ⅲに掲載することによって、ヤモリの野生種の密猟および国際違法取引の減少に、ある程度成功してきた。
2009年以降毎年、密猟されたヤモリの所持で、野生生物関連の犯罪者がニュージーランド警察当局に逮捕されている。
さらに、ニュージーランド国内で密猟されたヤモリの標本が、のちに国外向けの爬虫類関連のウェブサイトで宣伝されていたという複数の事案を把握している(付記1参照)。
原産国の法律を犯して輸出または再輸出された標本(附属書Ⅲに掲載済み)の国際取引を取り締まる国内法が整備されている国ばかりではない。
これらの標本の価値の高さを考えると、密輸や密猟された標本が捕獲・飼育されたものとしてまかり通ることに対する抑止力は、たいていが弱いものであるか、場合によっては無効である。
とりわけ、CITES附属書Ⅱに掲載されているこれらのヤモリについては、適当な科学当局がワシントン条約第4条に従い、これを当該標本の種の存続を脅かすことがないと認める必要があり、適当な管理当局がワシントン条約第4条に従い、当該標本は違法に入手されたものではないことを認めなければならない。
あるいは、適当な管理当局がワシントン条約第7条に従い、当該標本の輸出につき、それが捕獲、飼育された国において、その旨の証明書(輸出許可書)を発給する必要がある。
再輸出については、再輸出国の管理当局がワシントン条約の定めるところに従い、当該標本が自国に輸入されたと認めなければならない。
国によっては、附属書Ⅱへの掲載が、違法取引の対処により高いレベルの法的根拠を与えてもいる。
こうした国際的な規制の拡大によって、より厳しい取締りが認められることで、野生動物関連の犯罪に対する強い抑止力がもたらされ、野生のヤモリの長期的な存続に相当な保証となっている。

ニュージーランドでは、決議9.24(CoP15で改正)付記2a基準Bが、Naultinusのいくつかの種、特にN.gemmeusに適用される。
絶滅の危機に瀕しているヤモリ、とりわけN.gemmeusに対する国際取引目的の密猟が、個体数の少ないN.gemmeusの長期的な野生での生への深刻な脅威となっているのだ。
過去4年間、いくつものヤモリの密猟や密輸が行われ、子を宿したヤモリのメスを狙ったものもあった。
このような密猟行為はヤモリの生息数に悪影響を及ぼし、最大95%が減少した。爬虫・両生類相の専門家(Lettink,2011)が提出した、逮捕されたある密猟業者の訴訟の成功に関する影響報告において、「Otago Peninsula(オタゴ半島)だけでも、100匹から200匹のJewelled gecko(N.gemmeus)が密猟された可能性があり、地域的な観点で考えると、この密猟された100匹から200匹のヤモリは、jewelled geckoの生息数として知られる数値の7%から14%の減少に相当する」と指摘している。
最新の証拠や事例情報から、愛玩動物の国際市場に出回っているニュージーランド産のヤモリの数が、法律上保護される以前に全世界で捕獲された、わずかなヤモリが産めるこどもの数をはるかに上回ることが判明した。

ニュージーランドでは、決議9.24(CoP15で改正)付記2b基準Aの「LOOK-LIKE」基準が、Naultinus全種に適用されるということである。
ヤモリは主として側所的に分布し(Hitchmough 1997)、個体によって色調が相当に異なるため、特にその生息域を同定する根拠は形態学的特長よりも生息する場所によることが多く、Naultinusの個体同定は、専門外の者には難しいこともあり得る。
ニュージーランドの認識は、国境でワシントン条約掲載のヤモリを見た執行官が、Naultinus geckoのさまざまな種、特に均一的な緑色の形態をなすNaultinusと他の種を確実に識別できる可能性の低いことを示唆している。

http://www.cites.org/eng/cop/16/prop/E-CoP16-Prop-26.pdf

 

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